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1970〜1980年代のカートリッジ(MM型)

MCカートリッジ  →ヘッドシェル

オーディオ テクニカ AT13E

AT13は1974年頃に発売されたVM型(MM型)のカートリッジです。1976年に再生周波数帯域や、針先が改良されてAT13Eになったと思います。

上位モデルにはAT-15E、AT-14E、下位モデルにAT-12Eとラインアップされていて、AT15(グレー)、AT14(グリーン)、AT13(ブルー)、AT12(イエロー)とモデルにより色分けされていました。

基本的にはマグネシウム合金シェル付きの、AT-13E/Gとして発売されていました。交換針はATN-13E(6,800円)。

音はともかく明るく元気。メリハリがあるのが特徴で、1970年代〜80年代の洋楽、ロックにはピッタリという感じでした。


AT-13Eの仕様

発電方式:VM型
出力電圧:5mV
再生周波数帯域:15〜20,000Hz
チャンネルセパレーション:30dB
チャンネルバランス:1.2dB
負荷抵抗:47kΩ

針先:楕円針
針圧:1.0 〜2.0g(標準1.8g)
コンプライアンス:8.5×10-6/dyne
自重:6.0g シェル込み17.0g

価格 13,600円(AT-13E/G)
交換針 ATN-13E 6,800円
 





オーディオ テクニカ AT-15EX

AT-15EXはAT-15シリーズの派生モデルで、ボディのテクニカのマークが黒地なので、ベースはAT-15Eのようですが詳細は不明です。

オークションや中古ショップに時たま出てくるので、海外仕様ではないと思います。外箱にはAT-15EX/Gと書かれているので、ヘッドシェル付での販売です。ちなみにAT-15Eの海外仕様は「AT-15XE」です。


 





EMPIRE 4000D/T

EMPIREはアメリカのメーカーで、MI(ムービングアイアン)型のカートリッジを製造していました。
4000D/Tは針先に0.1milのトレーシングラジアスを使用し、広い再生周波数帯域が特徴のカートリッジでした。

定価35,000円といいながら、型落ち品でもないのに実売は6,000円ぐらいで販売されていました。雑誌などでの評価も高くなく、35,000円が6,000円ということで買った人も多いのではないかと思います。(私もその1人です)

音も実売価格に相応した音しかでなかったので、ガッカリした思い出があります。

純正の交換針はS-4000D/T(10,000円)で、現在はJICO製が販売されています。


4000D/1の仕様

発電方式:MI型
出力電圧:3mV
針圧:0.75〜1.5g
再生周波数帯域:10〜40,000Hz
チャンネルセパレーション:35dB

針先:トレーシングラジアス・0.1mil
自重:7.3g

価格 35,000円
 





SHARE M44-G

M44Gは1963年の発売で50年以上も現役という、超ロングセラーのカートリッジです。

1970年代はSHAREといえば「TYPEV」で、M44は単なるエントリーモデルでしたが、現在はDJたちの御用達でSHUREといえば、この「M44」ということになります。

70年代などのモデルは、ボティに描かれたマークから、「カモメマーク」と呼ばれています。M44Gのカンチレバーはアルミ合金で針先は0.7milの丸針。交換針はN44G。
同じ価格で出力電圧9.5mVのM44-7も販売されていました。

1970年代の中ごろの価格は7,500円だったのに対し、現在の実売は8,000円程度と、ほとんど値上がりしていません。

M-44Gの仕様

発電方式:MM型
出力電圧:6.2mV
再生周波数帯域:20Hz〜20kHz
チャンネルセパレーション:25dB
チャンネルバランス:2dB
負荷抵抗:47kΩ

針先:丸針・0.6mil
針圧:0.75〜1.5g
自重:7g

価格 7,500円
交換針はN44G。
 





ADC VLM/V

ADCのVLMシリーズは有名なXLMと、QLMシリーズの間に位置するミディアムクラスのカートリッジです。VLMV(VLM Mk3)は1977年の発売。Mk2の改良型で新型のカンチレバーやスタイラスガードを採用しています。輸入元はビーエスアールジャパン。

ただ、当時この価格帯は人気モデルが揃っていたので、あまり目立たたない存在だったと思います。
国産勢のライバル機はaudio-technica AT-15E、Technics 205C-U、グレース F-8E・F-9E。それに4コイル12ポールのDENON DL-109D、MCカートリッジのENTRE EC-10。海外勢ではSHARE M95ED、STANTON 680EEなど。

VLMとは(Very Low Mas)の略で、初代モデルは1971年に発売されました。ちなみにXLMは(Xtra Low Mas)の略、ZLMは(Zero Low Mas)の略、QLMは(Quality Low Mas)の略となります。


発電方式はIM型(インデュースドマグネット・・・磁気誘導型)ですが、これは他社のMI型(ムービングアイアン型)と名前が違うだけで構造は同じです。このため体系的にはMI型のひとつのバリエーションとして扱われることもあります。
MI型は磁路がシールドされている、IM型はシールドされていないという話もありますが、さだかではありません。

IM型を開発したのは、ピーター・プリチャードで1960年にADC(Audio Dynamics Corporation)を創業しています。プリチャードは元はGEのエンジニアで、バリレラ(バリアブル・リラクタンス)型のカートリッジで、有名なVR-1000シリーズの開発に携わっており特許も取得しています。

その後、有名なADC-1(MM型)を開発する訳ですが、当時のアメリカではSHURE M3Dの成功を受け、カートリッジメーカーはMM型の開発に乗り出していました。ちなみにこの時期に誕生したEmpire 108(MM型)の、開発にもプリチャードは手を貸していたようです。

アメリカでのMM型の特許を持っていたのはSHUREで、当然ながら特許料を払ってMM型を生産するか、製品の販売をやめるかを各社に迫ったはずです。そこでADCをはじめライバルメーカーはMI型の生産に舵を切ったのだと思います。

MI型はモノラルカートリッジの時代からピッカリングが、バランスド・アーマチュア型として手掛けており、GEのバリレラ型もMI型に含めることができます。
いわば各社ともに手慣れた技術で、ピッカリングも構造に関する特許を持っているなど、特許の問題もMM型ほどうるさくなかったのかもしれません。

ADCは1963年に最初のIM型カートリッジ「Point 4」を発売。その後、次々にIM型の新製品を発売していきました。1974年にADCはBSR社に売却され、プリチャードは1975年に新たにSonus社を設立して、カートリッジの開発・販売を続けました。


IM型(MI型)のメリットはカンチレバーにマグネットが無いため、振動系の質量を軽くできることです。またトラッキング・アングルをRIAA指定の15度にすることも容易でしたが、15度という数値自体がそれほど有効ではないことがわかり、1970年代には指定が15〜25度に変更されました。

ADCのIM型はローマスそして軽針圧が特徴でしたが、VLMは中級機ということで、使われるアームのトレース能力を考え、針圧は0.75〜1.5gとなっています。

純正の交換針はRSV(11,000円)。


VLM/Vの仕様

発電方式:IM型
出力電圧:5mV(初期型は4mV)
再生周波数帯域:15Hz〜24kHz
チャンネルセパレーション:28dB
チャンネルバランス:2dB以内
負荷抵抗:47kΩ

針先:楕円針・0.3×0.7mil
針圧:0.75〜1.5g
自重:5.75g

価格 22000円、後に19,800円に値下げ
交換針 RSV(11,000円→9,900円)
 




ADC QLM30/U

QLM30/Uは1976年に発売されたADCのエントリーモデルで、Q30の後継機となります。

発売されていた頃はSHARE M44-7/G、PICKERRING AT/AMとともに、輸入カートリッジとしては8000円以下で買える一番安いモデルでした。
1974年にADCはBSR社に買収されたため、輸入・販売・アフターサービスはビーエスアールジャパンが行っています。

Qシリーズは初・中級用のカートリッジで、Q36、Q32、Q30の3タイプがあり、アメリカでは1971年に発売されています。
1975年に改良されてMK2となりますが、どうやらこの時に上級モデルのXLMとVLMに合わせて、QLMと名前が変わったようです。またQLM32とQLM36の間にQLM34がラインアップに加わりました。
QLMとは(Quality Low Mas)の略です。

日本での発売はXLM Mk2とVLM Mk2は1975年に行われていますが、QLM Mk2は1年ほど遅れて投入されたようです。

発電方式はIM型(インデュースドマグネット・・・磁気誘導型)ですが、これは他社のMI型(ムービングアイアン型)と名前が違うだけで構造はほぼ同じです。

ADCのカートリッジはローマス・軽針圧でも有名でしたが、さすがにQLM30/Uはエントリーモデルということで、1〜2gとビギナーでも扱いやすい針圧になっています。

純正の交換針はR-QLM30(4,000円)。現在は丸針となりますがJICOから「RQLM-30」が販売されています。

ヘッドシェルはADCのマグネシウム合金製の「LMG-1C」です。


QLM30/Uの仕様

発電方式:IM型
出力電圧:5.5mV
再生周波数帯域:10Hz〜20kHz
チャンネルセパレーション:25dB
チャンネルバランス:
インピーダンス:40Ω

針先:楕円針・0.3×0.7mil
針圧:1〜2g
自重:5.75g

価格 7,800円
交換針 R-QLM30(4,000円)
 





Technics EPC-270C

EPC-270シリーズは1974年の登場以降、Technicsの多くのレコードプレーヤーに付属していたカートリッジです。日本製のレコードプレーヤーは海外でも人気が高かったため、Technicsの多くのモデルが輸出されており、そういう意味では国内のみならず、海外でもポピュラーなカートリッジです。

EPC-270Cはそのメインモデルといってもよい存在。派生モデルは海外専用を合わせると10種類以上になります。

単品としての販売はEPC-270D(ブロックダイヤ・丸針)で、1976年ごろから、楕円針を搭載したEPC-270C-IIに切り替わりました。レコードプレーヤーへの搭載は、EPC-270Cのまま続けられ、1970年代の終わりに発売されたSL-3300やSL-D3なども270Cを搭載していました。

EPC-270Cは新しく開発した磁気特性に優れたCKS磁石を、高強度のアルミ合金カンチレバーに直結する構造を採用。これにより振動系の実効質量の軽減と高剛性化を実現し、トレース能力と感度の向上を図っています。

全体的なバランスはうまくまとめられており耳障りな音もありません。普及価格帯のプレーヤーの付属カートリッジとしては不満はありません。高音のトーンは少し明るめ。昔は低音の弱さが欠点とされていましたが、現在のような小型スピーカーが主体のシステムでは、それほど欠点が出ないかもしれません。


純正の交換針はEPS-270SD(丸針・2,800円)とEPS-270ED(楕円針・5,500円)。
現在、交換針はJICOから販売されており、丸針と楕円針、それにSAS針があります。


EPC-270Cの仕様

発電方式:MM型
出力電圧:3.2mV
再生周波数帯域:20Hz〜25kHz
チャンネルセパレーション:25dB
チャンネルバランス:2dB
負荷抵抗:47kΩ
インピーダンス: 3.6kΩ

針先:丸針・0.6mil、楕円針・0.3×0.7mil
針圧:1.5〜2g(標準1.75g)
自重:6.0g

価格 11,000円
交換針はEPS-270SD(丸針・2,800円)
EPS-270ED(楕円針・5,500円)。
 





Pionner PC-131

PC-131はPioneerのレコードプレーヤー PL-1150などに、付属していたカートリッジで、単体でも販売されていました。

デュアルマグネット発電方式を採用したMMカートリッジで、鏡面仕上げされた特殊ダイアモンド針を使用していました。

純正の交換針はPN-131(2,500円)。交換針のPN-131は現在もJICOで販売しています。ヘッドシェルはカーボンファイバーを成型したPioneer JP-502(定価1500円)でした。

PC-131を搭載していたレコードプレーヤーはPL-1150、PL-355、PL-1650(輸出専用)。


PC-131の仕様

発電方式:MM型
出力電圧:4mV
再生周波数帯域:15〜28,000Hz
チャンネルセパレーション:25dB
チャンネルバランス:1.5dB
負荷抵抗:47kΩ

針先:0.5mil丸針
針圧:1.5〜2.5g(標準 2.0g)
コンプライアンス:10×10-6/dyne
自重:5.4g

価格 7,500円
交換針はPN-131(2,500円)
 


Pionner PC-110U

PioneerのPC-110Uは、エントリーモデルのMMカートリッジで1976年の発売。価格は6,500円。単体の他にヘッドシェル(JP-503)付きの「PS-110U」(8,000円)も販売されていました。
ライバル機はオーディオテクニカのAT-10やAT-11。PICKERING ATなど。

PC-110の改良モデルで、カンチレバーはアルミ合金で肉厚40mm外径0.6mmφ。針は0.5milのダイアモンド丸針とオーソドックスなカートリッジです。スペックはPC-110とほとんど変わりませんが、出力インピーダンスが2.5kΩから3.4kΩに変更になっています。

純正の交換針はPN-110/II(2,400円)。交換針は現在もJICOで販売しており、丸針の他に楕円針も用意されています。

PC-110UはPL-240、PL-240A、PL-250、PL-255などのレコードプレーヤーに標準装備されていました。

PC-110Uの仕様

発電方式:MM型
出力電圧:3.5mV
再生周波数帯域:15〜25,000Hz
チャンネルセパレーション:25dB
チャンネルバランス:1.5dB
負荷抵抗:47kΩ

針先:0.5mil丸針
針圧:1.5〜2.5g(標準 2.2g)
ダイナミックコンプライアンス:8.5×10-6/dyne
スタティックコンプライアンス:20×10-6/dyne

自重:5.1g

価格 6,500円
交換針はPN-110/II(2,400円)
 




DENON DL-8A

DL-8AはDENONのレコードプレーヤーに、標準装備されていたMM型のカートリッジで、古いカタログブックを見る限り、単品での販売は無かったようです。

DL-8は1975年頃に登場したカートリッジで、DP-790に搭載されました。周波数帯域をMCカートリッジ並みの広帯域とし、高域共振を可聴帯域外に押し上げて特性をフラットにしています。カンチレバーはアルミ製です。

DL-8Aを最初に搭載したのはDP-1600やDP-1200ですので、1977年の登場ということになります。DL-8の改良型でボディの形状は共通、スペックも同じですが、どこを改良したのかなどは不明です。

交換針はDL-8用が「DSN-37」、DL-8A用が「DSN-42」で、レコードプレーヤーに装備されていたのは丸針ですが、交換針メーカーによっては丸針の他に楕円針が用意されていました。現在、ウチのDL-8Aが付けているのはナガオカ製の「44-42」です。

現在、交換針はJICOから販売されており、丸針と楕円針、それにSAS針があります。

DL-8Aを搭載していたレコードプレーヤーはDP-1100、DP-1200、DP-1600、DP-30L、DP-33F。輸出用モデルのDP-30S、DP-30LUなど。


DL-8Aの仕様

発電方式:MM型
出力電圧:3mV
再生周波数帯域:20Hz〜30kHz
チャンネルセパレーション:20dB
チャンネルバランス:2dB
負荷抵抗:50kΩ
負荷容量:100pF

針先:丸針・0.65mil、楕円針
針圧:1.7g〜2.3g(最適 2g)
コンプライアンス:8×10-6/dyne
自重:5.7g

交換針は「DSN-42」。
 


Lo-D MT-23

MT-23は1970年代のLo-Dの普及型のレコードプレーヤーに、標準装備されていたMM型のカートリッジです。当時のカタログブックを見る限り単品での販売は無いようです。

カートリッジの形はGLANZ(ミタチ音響)のMG-2Sとそっくりで、ミタチ音響のOEMであることは間違いないと思います。ただスペックはかなり違うので、登場時期からいうとMT-23を改良したのがMG-2Sだと思います。

現在、交換針はJICOから販売されており、丸針とシバタ針があります。

MT-23を搭載していたレコードプレーヤーはHT-351(32,800円)、HT-350(31,800円)、PS-15(38,000円)、PS-38(39,800円)などです。


MT-23の仕様

発電方式:MM型
出力電圧:3mV
再生周波数帯域:15Hz〜30kHz
(東京オーディオ専門店会の資料では10Hz〜25kHz)
チャンネルセパレーション:20dB
チャンネルバランス:1dB
針先:丸針・0.5mil
針圧:2g

交換針は「DS-ST23」。
 

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1970〜1980年代のMM型のカートリッジについて B級オーディオ・ファン