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EMPIRE(エンパイア)はアメリカのメーカーで、MI(ムービングアイアン)型のカートリッジで有名なメーカーです。日本でも多くのモデルが販売されました。輸入元はシュリロ・トレーディング。 カートリッジで有名になる前は、ターンテーブルやトーンアームなどがメインで、1960年代にはグラナディエ8000や9000シリーズなどの、ユニークな円筒形のフロアスピーカーも生産していました。 カートリッジはMM型も生産していましたが、SHAREとの特許問題でMI型に移行しています。 現在も会社は存続しており、携帯やカメラ、パソコンなどのバッテリーやアクセサリーが主力商品となっています。 4000シリーズのカートリッジは4000D/Ⅰ、4000D/Ⅱ、4000D/Ⅲと3つのモデルがあり、いづれもディスクリート方式4チャンネルステレオのCD-4システムに対応していました。この下のクラスとして2000シリーズがあり、5つのモデルラインアップされていました。 この4000シリーズや2000シリーズの頃から、「R」が逆向きになったロゴが使われ始めます。ほぼ同じ時期にデビューしたスウェーデンのポップグループ、アバ(ABBA)も「B」が逆向きになったロゴを使用しており、もしかしたらどちらかが真似をしたのかもしれません。 4000D/Ⅰは1974年頃に発売されたモデルで、1980年代の中頃まで売られていたロングセラーモデルです。4ポール・4コイル・3マグネットの構造で、針先に0.1milのトレーシングラジアスを使用しています。 10~40,000Hzという広い再生周波数帯域を持っていますが、これはCD-4システムのレコードが20kHz~45KHzの帯域に、変調したリアチャンネル用の合成差信号(CD-4対応アンプでリアチャンネルを分離する際に使用する信号)を記録しているためです。 針圧は0.75~1.5gです。メーカーは「ハイトラッカビリティ」(高追従性)と宣伝していましたが、針圧を1.5gにするとお腹がすりそうになり、結果として軽い針圧で使っていた記憶があります。 カートリッジ本体とヘッドシェルは独特の金具で固定する方法で、この金具は板バネとしての機能を持っています。 定価は35,000円ですが、型落ち品でもないのに実売は6,000円ぐらいで販売されていました。4000D/Ⅲに比べると雑誌などでの評価も高くなく、35,000円が6,000円ということで買った人も多いのではないかと思います。(私もその1人です) 発売された頃のドル・円相場は1ドル300円ぐらいで、本国では中級クラスの商品が、日本では高級品として売られることも珍しくはありませんでした。 当時は輸入コストや関税も高く、輸入業者のマージンが高いのも当たり前でした。また高級品に見せるために、意図的に高い値付けをする場合もあったようです。 その後、円高が進んだことやカートリッジの競争が激しくなったこともあり、1979年の定価は20,000円となっています。(4000シリーズの下のクラスである2000E/Vと同じ価格) 音は価格(35,000円)に相応した音ではなく、国産の1万円台の中級機並みで、6000円で買ったにも関わらず少しガッカリした思い出があります。 その原因はMMポジションのカートリッジにも関わらず、負荷抵抗が100kΩと高いことです。普通のアンプのMMポジションは47kΩぐらいが基準ですので、インピーダンスがかなりズレてしまいます。 これにイコライザーアンプとの相性や、軽針圧で使用した場合はアームのトレース能力の問題が加わりますので、人によって(使用しているアンプやレコードプレーヤーによって)、高い評価や辛口の意見が出ているのではないかと思います。 純正の交換針はS-4000D/Ⅰ(10,000円)で、現在はJICO製が販売されています。 |
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EMPIRE 4000D/Ⅰの仕様
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