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SHURE V-15TypeIIIは1973年に発売されたMMカートリッジの名機です。雑誌でオーディオ製品のテストをするとなると、必ずこのV-15TypeIIIが使用されていたため、リファレンスモデルとなっていました。 また当時から熱烈なファンが多く、1978年にV-15TypeⅣが発売された時には、「TYPEIIIより音が悪くなった」と揶揄するファンもけっこういました。 TypeⅣが発売された後も生産と販売が続けられ、1980年には「ハイパーエリプチカル・スタイラス・チップ」を装備したV-15TypeIIIHEが発売されています。 発売時の価格は33,000円で、当時の大卒の初任給が62,300円ですから、いかに高額のカートリッジだったか解ると思います。 でも当時の父親は一家の大黒柱であり、今と違って家で何を買うかという決定権はお父さんにありました。 ですから、現在のように奥さんが財布のヒモをガッチリと握っていたら、あれほどのヒット商品にはならなかったかもしれません。 初代のV-15が発売されたのは1964年で、1966年には改良型のV-15TYPEⅡが発売されます。V-15シリーズの特徴は、トラッカビリティ(針の正確なトラッキング)が可能ということ。 カートリッジの針をレコードの音溝に正確にトレースさせるためには、水平方向と垂直方向のトラッキングエラー(音溝と針先の角度のズレ)を、少なくすることが重要となります。 水平方向のトラッキングエラーは、ロングアームやS字型、J字型などトーンアームのオフセット角により、カートリッジに角度を付けることで対応が図られていました。 そして垂直方向のトラッキングエラーの解消を打ち出したのが、SHURE V-15です。製品名のVは垂直(バーティカル)を表し、15は角度を表しています。 レコードの原盤がカッティングマシンで製作される時に、垂直方向から15度傾いた角度で行われるのに合わせて、カンチレバーの盤面に対する角度 、VTA(Vertical Tracking Angle)を15度にしています。 またレコード針が音溝をトレースする際に、レコードの摩擦によって針が前に引っ張られます。そのため、引っ張られる力とダンパーが戻そうという力が働いて、アーマチュアの位置が前後に動き、歪を発生させる原因となります。 これを防止するのがテンションワイヤ(suspension wire)で、アーマチュアの後ろに取り付けることで、振動系が前に引っ張られるのを防止しています。 V-15TypeIIIはラミネーテッド・マグネティック・コアを採用しています。従来のコアでは渦電流損失や磁気歪が大きくなるという問題がありましたが、パーマロイ製の積層コアによって解決しています。 V-15TypeIIIの交換針はVN35Eです。メーカーによる純正品は1981年に生産終了となっていますが、現在でも数社から交換針が発売されています。 |
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SHURE V-15TypeIIIの仕様
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