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SHURE M44シリーズは1963年の発売で50年以上も販売された、超ロングセラーのカートリッジです。 ただSHUREは厳しい基準を維持することが困難になったということで、2018年夏でフォノ製品の生産を終了することになり、M44シリーズもその歴史に幕を閉じることになりました。 SHUREは1925年の設立で、無線機の部品キットを販売する会社でした。1930年代から現在の主力商品であるマイクの生産が始まります。 1937年にフォノグラフ用のカートリッジの製作を開始。製品のコンセプトは、レコードの磨耗を最低限に抑えながらも音質を高めるというもので、ニードル・ティルト原理を活用した追従性能の高いカートリッジを生み出して行くことになります。 1948年にLPと78回転SPレコードを両方を再生できるカートリッジを発売。1957年にモノラルのMM型カートリッジ「M-1」を発売。その後1959年に発売した「M3D」がヒットします。 1963年にM44を発売。1964年には初代V-15が発売。これまたヒット商品となります。1966年には改良型のV-15TYPEⅡが発売されます。 そして1973年にV-15TYPEⅢが発売され大ヒットとなります。TYPEⅢは多くのオーディオ製品のテストにも使用され、事実上のリファレンスモデルとなります。 1970年代はSHUREといえば、この「TYPEⅢ」で「M44」は単なるエントリーモデルでした。 V-15TypeⅢの価格は33,000円で、当時の大卒の初任給が62,300円ですから、そう簡単には手が出るような価格ではありませんでした。 価格が高いということは、交換針も高い訳(17,800円)で、購入しても寿命150時間と言われる針を普段使いには出来ず、交換針よりも安いM75BやM44を購入して、普段の「音楽鑑賞」にあてる人もいました。 1982年にはCDが発売され、レコードの発売がどんどん少なくなり、カートリッジの需要も減ったためSHUREも生産を縮小します。 オーディオファンがM44に見向きもしなくなる中で、これに注目したのがアメリカ人のDJたちです。アメリカでは1980年代になるとダンスミュージックが全盛となり、ダンスクラブのDJたちは「スキップしにくい」、「レコードを傷つけにくい」、「出力が高い」ということで、M44-7が使用されるようになります。 その結果、現在もDJたちの御用達となり、SHUREといえば、この「M44」ということになりました。 M44にはたくさんのバリエーションがありますが、1970年代後半の「オーディオブーム」の時に日本で発売されていたのは、M44-7とM44Gです。国産のカートリッジを含めても一番安い価格帯で販売されており、まさにエントリーモデルでした。 国内ではM44Gの方が人気があり、M44-7のローマス・低出力モデルがM44Gなのにも関わらず、当時の雑誌などを見ると、M44-7の解説にM44Gの高出力モデルなどと書かれていたりします。 SHAREは1980年代になるとカートリッジの生産を、アメリカからメキシコに移して行きますが、メキシコ生産に移ると同時にボティに描かれた「カモメマーク」がなくなっていきます。このため「カモメマーク」が付いているM44はアメリカ生産品と言う事で、オークションでも少しプレミアが付きます。 M44Gのカンチレバーはアルミ合金で針先は0.7milの丸針。交換針はN44G。M44-7も同じ価格で販売されていました。 1970年代の中ごろの価格は7,500円だったのに対し、2000年代になっても実売は8,000円程度と、ほとんど値上がりしませんでした。 |
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SHURE M44Gの仕様
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