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FX-AUDIO- FX202A/FX-36A PROは2017年10月19日に発売されたデジタルアンプです。 2017年6月に発売されたFX202A/FX36Aの後継モデルとなります。カラーはブラックとシルバー。 FX202A/FX-36Aは、このクラスのベストセラーであるS.M.S.L. SA-36A PROのライバル機として開発され、商品の宣伝の際に両者の内部写真をを並べる比較広告を行ったり、型番も似せるなど強く意識したモデルとなっています。 心臓部となるデジタルアンプICもSA-36A PROと同じ、STマイクロ製の「TDA7492PE」を搭載しており、最大出力は48W×48W(4Ω)とSA-36A PROをはるかに上回りながら、価格は2,980円(税抜)と2/3程度に抑えられていました。 FX202A/FX36Aの上級機となる、FX98EもS.M.S.LのSA-98Eの対抗機で、こちらの価格は5,980円(税抜)と、SA-98Eの実売価格の半分となっています。 FX202A/FX-36A PROは改良型となりますが、回路そのものには変更がなく、メイン基板の材質と、デカップリング用の電源コンデンサの変更が行われています。 メーカーのNFJによると、基本的な音の傾向やセッティングはFX202A/FX36Aで、キッチリ決まっていたので、音質に関する部分は調整しなかったようです。 ただ価格は2,980円ではさすがに利益が出ないということで、500円値上げして3,480円となりました。現在は3,750円となっています。 FX202A/FX-36A PROは、回路としてはシンプル&ストレートです。前述のようにSTマイクロ製のデジタルアンプIC「TDA7492PE」を搭載。 出力は48W+48W(4Ω)とSA-36A PROの倍以上あり、ローパスフィルタには大電流対応の防磁タイプ・SMDインダクターと、コンデンサはTDK-EPCOS製フィルムコンデンサが使われています。 また底板には出力ゲインの設定スイッチがあり、20.8dB/26.8dB/ 30db/32.8dBの4パターンのベースゲインを切り替えられます。デフォルトは20.8dBです。 入力カップリング部にBCコンポーネンツ製のベルギー生産・特注仕様の高耐圧太銅リードフィルムコンデンサーを使用。 電源部は平滑用に日本ルビコンの高周波低インピーダンスグレードのYXGシリーズ電解コンデンサーを使用しています。 ACアダプタは別売で、電源はDC 12V~24V、電源容量2A以上が推奨となっています。 低価格ながらもフィルムコンデンサなどには良いパーツを使用しています。 同じFX-AUDIO-のDAC-X4J(3210円)と組み合わせれば、7000円でデジタルアンプとUSB-DACが揃います。しかもDAC-X4Jの同軸端子か光端子を利用すれば24bit/96kHzまでのハイレゾ音源の再生が可能です。 どちらも価格が安いですが、他社の5000円クラスの製品の音質を持っており、とてもコスパが高いです。 ※NFJには「TA2020」を搭載した旧FX202A(現FX202J)がありますが、これとは型番は同じですが中身は全くの別物。旧FX202Aは強力な電源部を持っており、使用しているパーツもFX202A/FX-36A PROよりも1~2ランク上の物が使われています。 実はライバル機のS.M.S.L. SA-36A PROも同じで、SA-36Aの頃はかなりコストがかけられたアンプでしたが、現行モデルのSA-36A PRO・2015年モデルは、パーツを削ったり、グレードを落とすなどして、コストダウンが図られています。 兄弟機のFX252AはいわばFX202A/FX-36Aの出力強化版で、最大出力は68W×2。これに対応するために「TDA7492PE」にヒートシンクを取り付け、インダクターはTDK製に変更されています。 NFJが公開した特性データによるとS/N比はFX202AもFX252A同じですが、全高調波歪率(4Ω)はFX202Aが0.068%に対し、FX252Aは0.019%とかなりの差が出ています。 このあたりはローパスフィルタのインダクタの能力の差が、まともに数字に出ているのかもしれません。 デジタルアンプICのTDA7492やTDA7498では、ホワイトノイズの話題が出てきますが、NFJのブログに経緯が載っています。 |
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(ACアダプタの違いについて) | |||||||||||||||
電源はDC 12V~24Vまでの対応なので12V、15V、24VのACアダプタを付け替えて試してみました。 結論としては一般家庭で出せる音量では、24Vにしたからといって音が良くなるとか、低音が出るということはありませんでした。 たぶんボルト数の違いよりも、ACアダプタの中の電源回路の良し悪しによって、リップルやノイズが出ますので、これにより音質に差が出ていると思います。 ※安価な機種ほど、デジタルアンプ内の電源回路が貧弱なため、リップルやノイズの対策がされていないため、音質に影響が出る可能性があります。 |
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(音質について) | |||||||||||||||
ライバル機のS.M.S.L.SA-36A PROと比べると、高音や細かい音はFX202A/FX-36A PROの方がよく出ます。逆に低音はSA-36A PROが出ています。 出力はFX202A/FX-36A PROのほうが高いのですが、SA-36A PROはメリハリが強いので、音源によっては馬力が上のようにも感じます。 音楽のジャンルは、FX-36A PROよりは少し柔らかめのサウンドなので、幅広いサウンドに対応できますが、ロックやJPOP、アニソンではメリハリがある.SA-36A PROの方が、良いという場合も出てくると思います。 もしジャズやクラシックがメインというのなら、どちらにしても、もう少し上のクラスのアンプが、欲しいところだと思います。それでもBreeze Audio TPA3116や鎌ベイアンプ SDA-1000なんかよりも、こちらの方が断然良いです。 また最近流行のBluetooth搭載のデジタルアンプと比べると、7000~8000円クラスのS.M.S.L SA100、SABAJ A2、FOSI BT-20Aよりも音が良いです。 これらのアンプは、Bluetooth関連の機能を搭載するために、デジタルアンプの部分のコストを削っているので、けっこう音が悪いです。 FX202A/FX-36Aで気になるところは、スピーカーとの相性が出やすい部分もあり、音源によっては少しボリュームを上げてやらないと、ちゃんとした音が出てこない時があります。 これは、オーディオという趣味の中では「よくある事」で、スピーカーだけでなく、ヘッドホンでもよくあります。 メーカーから言うとそういうこともあるので、出力ゲインのスイッチを付けました。ということなのかもしれません。 実力的にはS.M.S.L.SA-36A PROと拮抗しており、それでいて実売は1,000円以上安い。お買い得なデジタルアンプだと思います。 |
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左:FX202A/FX-36A PRO 右:SA-36A PRO | |||||||||||||||
(フロントパネルとリアパネル・ケース) | |||||||||||||||
フロントパネルは6mm厚のアルミ材で、カラーはシルバーとブラックがあり、パネルもケースもヘアライン仕上げです。 S.M.S.L. SA-36A PROと比べると奥行はほぼ同じで、高さはSA-36A PROが少し高く、幅はFX202A/FX-36A PROが少し広いです。 パネルには電源スイッチとボリュームのツマミがある一般的なデザイン。電源を入れると、スイッチの下の赤いパイロットランプとボリュームの周りが青く光ります。 リアパネルのRCA端子は金メッキがされています。スピーカー端子はこのクラスのデジタルアンプとしては、標準的なものですが端子としては安物の部類になります。 スピーカーケーブルを通す穴が小さいので、細いケーブルしか使えません。また端子の間隔が狭いので取り付け作業がやりにくいです。実質的にはバナナプラグ専用と考えたほうがよいです。 DCインは12V~24Vでセンタープラスです。 |
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基板 | |||||||||||||||
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最大出力 | 48W+48W(4Ω) |
高調波歪率 | 0.068%(4Ω)、0.035%(8Ω) |
S/N比 | 93dB(4Ω)、92.5dB(8Ω) |
スピーカー インピーダンス |
4Ω~16Ω |
電源(ACアダプタ) | 12V~24V センタープラス |
サイズ | 幅99mm×高さ33mm×奥行123mm |
重量 | 325g |
デジタルアンプ |
USB DAC |
ヘッドホンアンプ |
DAP |
イヤホン |
ヘッドホン |
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