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SABAJ A2は、2017年に発売されたBluetooth搭載のデジタルアンプです。 ライバルとなるのはS.M.S.L SA100、FOSI BT-20Aなどです。 SABAJ(大号科技有限公司)は2016年に設立されたオーディオメーカーです。日本では有名ではありませんが、デジタルアンプの他にヘツドホンアンプ、USB-DACを生産しており、ToppingやS.M.S.Lのライバル会社です。 SABAJ A2は現行モデルですが、現在日本に入ってきているのは、いずれも「中古品」となっています。 amazonの「SABAJショップ」でも中古品を扱っており在庫数も多いので、たぶん何らかのトラブルで回収した商品をパーツを交換して、使えるようにした「工場再生品」だと思います。 SABAJ A2はBluetoothによりワイヤレスでパソコンやタブレット、スマホ、DAPなどと接続できます。またDACを内蔵しているので、SABAJ A2をスピーカーにつなげれば、1台で音楽などを楽しむことができます。 注意点としてはUSBケーブルによる接続が出来ないこと。24bit/192kHzのハイレゾに対応していますが、ハイレゾは光ケーブルで接続した時しか再生できません。 SABAJ A2には外部入力用のステレオミニ端子があるので、これを利用してUSB-DACと接続することもできます。 SABAJ A2のデジタルアンプICはTI製のTPA3116を搭載しており、出力は55W+55W(4Ω)です。 A2の特徴としては専用のDACを搭載していることです。 現在のBluetooth搭載アンプでは、専用のDACを搭載せずに、インターフェイスIC内のDAC(ステレオコーデック)を使用するか、DACが不要なフルデジタルアンプを採用しています。 インターフェイスICのDACの音質は、専用のDACに比べて格段に悪いのですが、メーカーにとってはDACなどのパーツのコストを省ける、回路を簡略化できるので、実装コストが下がるなどのメリットがあります。 A2のDACは24bit/192kHzの「WM8524」を搭載しています。当然コストはかかりますが、SABAJは新興企業で、ToppingやS.M.S.Lなどを追いかける立場なので、こういう設計になったのかもしれません。 Bluetooth4.0のトランシーバーは、Qualcommの「CSR8645」です。 Bluetoothで接続する場合は、SABAJ A2ではなくパソコンやスマホ側でペアリングを行います。電源を入れて入力をIN3(Bluetooth)にすると、パソコンやスマホののBluetooth接続の画面に「SABAJ A2」と表示されますまずので、ペアリングをします。 Bluetoothのコーデックについては何も説明がされていません。スマホ(アンドロイド)でペアリングするとAACで接続されました。スマホ側でaptXやAACに切り替えても、問題なく動作しています。 パソコンの場合、Windows 10側のコーデックは、SBC、aptXとAAC(2021年からサポート)です。でも確認の方法がありません。ただYoutubeでMVを観ても遅延は感じられないので、apt-Xで接続されるのかもしれません。 電源は24V・4.5AのACアダプタが付属しています。このACアダプタの平滑コンデンサは容量が大きいようで、コンセントを外しても、けっこう長くパイロットランプが点灯しています。 その他にはリモコンとBluetooth用のアンテナが付属しています。 リモコンが付いていますが、操作はフロントパネルのボリューム/電源ボタンからも行えます。取扱説明書(中国語)は内容はほとんどないので、自分で操作しなから覚えるしかありません。 入力の切り替えは電源を入れた後に、電源ボタンを短く押すとAUX(アナログ外部入力)、Bluetooth、光端子の切り替えが出来ます。ディスプレィにはIN1、2、3の表示が出るだけです。 IN1(光端子)、IN2(アナログAUX)、IN3(Bluetooth)。 ボディはアルミ製です。カラーはブラックとシルバーの2色があります。 SABAJ A2はオールインワンタイプの、コンパクトで使いやすさがメインのデスクトップオーディオです。音質に対してに過度な期待をしても無理があります。 Bluetoothで使用すると、ワイヤレスイヤホン感覚で使えるので、使い勝手は良いです。 |
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(音質について) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
音は良くはないです。TPA3116がどうのこうのというよりも、フィルムコンデンサなどパーツにコストをかけていないのが、音にも出ていると思います。 音の評判が良いUSB-DACのFX-AUDIO- DAC-SQ5Jと接続した場合(内部のDACは未使用)でも、解像度や透明感が悪く、細かい部分の音は潰れています。レンジが狭く音が平面的です。 ボリュームが低い時は、いわゆる「痩せた音」という感じですが、ボリュームを上げると「ドンシャリ」感が強くなります。 Bluetooth接続では内部のDAC(WM8524)を使用します。 音は確かにWolfsonのサウンドではありますが、解像度や透明感は悪いまま。レンジが狭く音が平面的というところも変わりません。 つまり、アンプの音が悪いということです。 それでも、Bluetooth搭載アンプとしては、ライバルとなるSMSL SA100やFOSI BT-20Aよりは音は良いです。 デジタルアンプの初心者や、スマホの音楽をスピーカーに出したい、面倒な配線は嫌だという人にはいいと思います。良い音のアンプが欲しいという人には向きません。 |
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(内部について) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
内部は小さな基板に、デジタルアンプとBluetoothのインターフェイス回路などのデジタル回路があります。 デジタルアンプの部分にはTI製のTPA3116とローパスフィルター、カップリングコンデンサなどがありますが、コストの安い表面実装パーツを多用しています。 回路も簡略化されており、amazonで1500円ぐらいで売られている、デジタルアンプキットの基板と同じぐらいのレベルという感じです。 でもそこはメーカー製。ローパスフィルターのインダクタにTDKのSLFを使用するなど、キットよりは良いパーツを使っているようです。 DACはWolfsonの24bit/192kHz 「WM8524」です。Wolfsonはシーラスロジックに買収されてしまいましたが、高音質のDACを生産していたメーカーです。 WM8524は普通のDACとは違い、チャージポンプ型のDC-DCコンバータ(負電源)やDCサーボ回路などを備えており、2Vrmsのライン出力が出来ます。 DACは電圧出力。カップリングコンデンサが不要で、ローパスフィルターは抵抗とコンデンサを1個ずつ使った簡単な回路で、ライン出力が出来ます。 といってもSABAJ A2の場合は出力先にあるのが、デジタルアンプなので、またA/D変換されてPWM増幅されます。 同じような2Vrms出力のDACとしてはTI PCM5102、AKM AK4430ET、ESS ES9023、ESS ES9033Q(2021年4月発表)などがあります。 Bluetoothのトランシーバーは、Qualcomm製SoC「CSR8645」を使用しています。Bluetoothのバージョンは4.0です。 SABAJ A2のコーデックについて、メーカーは説明をしていませんがSBC、AAC、aptXに対応しています。どちらにしてもBluetoothでは16bit/48kHzまでの対応となります。 S/PDIFインターフェイスはONセミコンダクタのLC89091で、24bit/192kHzまでのハイレゾ音源に対応ができます。 電子ボリュームと入力の切り替えはCSC2316。スイッチやディスプレィの制御を行うマイクロコントローラは、STC製の15W204S。LEDドライバはFD650B-Sです。 電源回路は簡素で、DC INの電源をICごとに降圧して給電していますが、ノイズ対策は十分とは言えません。このためマイクロコントローラなどで発生したノイズが、デジタルアンプにも入って、音質を悪化させています。 デカップリングコンデンサはニチコン製のオーディオ用電解コンデンサ、25V・3300μFが1個。 |
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最大出力 | 55W+55W(4Ω) 40W+40W(8Ω) |
高調波歪率 | 0.03% |
S/N比 | 100dB |
電源 | 12V~24V DC IN センタープラス |
消費電力 | 40W |
サイズ | 幅105×高さ31×奥行105mm (突起物を含まず) |
重量 | 364g |
デジタルアンプ |
USB DAC |
ヘッドホンアンプ |
DAP |
イヤホン |
ヘッドホン |
オーディオケーブル |
PCオーディオTOP |
オーディオTOP |