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FX-AUDIO- USB-DAC DAC-X4J

2016年 2,980円




DAC-X4Jはノースフラットジャパン(NFJ)が、FX-AUDIOブランドから、2016年5月25日に発売したハイレゾ対応(24bit/96kHzまで)の、ヘッドホンアンプ付きUSB-DACです。

2014年に発売されたDAC-X3Jの後継機となりますが、価格はDAC-X3J(4,200円)に対し、1000円以上安い2,980円。(発売時は2,780円→その後3,980円に値上げ→2,980円に値下げ→現在3,210円)


内部はDAC-X3Jを改良したものではなく、上級機のDAC-X5J(2015年モデル・4,980円)をベースに、USBレシーバーを変更しただけとなっています。

これはNFJのブログにも書かれているとおり、DAC-X5Jの生産トラブルにより、発生した基板をキチンと処理を行い、リユースして低価格を実現したというものでした。ちなみに現在販売されている商品は、すべて新しいパーツを使っています。


DAC-X4JのDACはCirrus Logic(シーラス・ロジック)の24bit/192kHz・DAC「CS4344」です。

シーラス・ロジックは、もともとパソコン用のグラフィックチップを開発・生産していた会社です。1990年代にオーディオ用のDACとして、有名だったフィリップスから技術陣を引き継ぎ、現在では高音質のDACとして世界中のオーディオメーカーで使われています。

CS4344は2004年に発表されたデルタ・シグマ型のDACで、補間フィルター(デジタルフィルター)を内蔵。デジタル・デエンファシス機能などにより優れたクロック・ジッタ耐性を持っています。

スペックはダイナミックレンジが105dB、THD+Nは-90dBで、価格は2.2ドル(100個)ぐらいです。


USBのレシーバーは専用のICではなく、ヘッドセット用のCMedia CM108を使用しているため、その制限で16bit/48kHzまでとなります。

その代わり同軸端子と光端子用には、シーラス・ロジック製のデジタル・オーディオ・レシーバ「CS8416」を使用し、最大24bit/96kHzまでのハイレゾ再生に対応しています。

パソコンなどの接続したい機器に光や同軸端子がない場合は、DDCと呼ばれる変換機(ハイレゾ対応)を使えば、USBから光または同軸端子への変換が可能です。


DAC-X4Jは単体のヘッドホンアンプとしても利用ができます。USB-DACと別々に2台買うよりもコスパが良く、1台で済むのでスペースも小さくて済みます。またUSB-DACとヘッドホンアンプの間のケーブルも不要です。

価格が安いので簡易な回路にはなりますが、オペアンプには、定評のあるTIのNE5532P使用しています。このオペアンプはソケット仕様なので、好みに応じてオペアンプを交換可能です。

ヘッドホンアンプでよく問題になるのが、ハイインピーダンスのヘッドホンですが、DAC-X4Jでは内部にゲイン設定のスイッチを設けており、32Ω~300Ωのヘッドホンに対応しています。

ボリュームは台湾アルファ電子工業製「B10K」です。


入力端子はUSB TypeB(1.1/2.0)、オプティカル角型端子(TOS-LINK)とコアキシャル同軸端子の3系統。

出力端子はヘッドホン端子が3.5mmステレオミニ。ラインアウトはRCA端子で固定出力となっています。
このRCA端子は少し引っ込んで取り付けられているので、ラインケーブルのプラグが深くささりません。コレクトチャック式のプラグは要注意。


電源はUSBバスパワーは使用不可で、外部電源での動作となるため、別途ACアダプタが必要です。amazonでは1000円ぐらいで販売しています。

DC 12V/500mA以上が推奨で、DCジャックは外径5.5mm×内径2.1mm(センタープラス仕様)となります。


同じFX-AUDIO-のFX202A/FX-36A PRO(3750円)と組み合わせれば、7000円でデジタルアンプとUSB-DACが揃います。
どちらも価格が安いですが、他社の5000円クラスの製品の音質を持っており、とてもコスパが高いです。



(USBのドライバーについて)
Win 98SE/ME/2000/XP以降のWindowsOS/Mac OS9/OSXの標準ドライバで動作。Windows 10でも問題なく動作します。

ドライバの名前は「C-Media USB HEADPHONE SET」と表示されますが、USBドライバとして使用できます。



(音質について)
「美音系」と呼ばれるシーラス・ロジックのDACの音だと感じます。少しソフトなサウンドの中で高音にポイントがあります。

音の繊細な部分や全体のバランスなど不満もありますが、この価格帯としては素晴らしい音で、エトリークラスのUSB-DACに多い、PCM2704の搭載モデルよりは各段に良いです。


DAC-X4Jが発売された時でも、価格が3倍以上もするRATOC REX-A1648HA1(10,400円)と比べても、圧勝するほどの高音質です。

Audinst HUD-mx1RATOC RAL-24192UT1などと比べると、レンジの狭さや細部の再現などが気になりますが、価格差ほど音の差がある訳ではありません。


現在のモデルと比べてもまだまだ通用します。

TOPPINGの最新USB-DAC E30と比べても遜色ない音で、NFJのバルクキャパシタ「プチタンク」をACアダプタの間に付けると、曲やジャンルによってはE30を完全に上回ります。

ジャンルを限れば、打ち込みが多いアニソンなどはDAC-SQ5Jよりも良いくらいです。
とてもコスパが高いUSB-DACです。


ハイレゾ音源をDDCを使って同軸端子で聴いてみましたが、音の傾向としては44.1kHzのPCMと同じで、ハイレゾらしい情報量の多さはそれほど感じられません。3,000円台のUSB-DACですから、いたしかたないところです。



ヘッドホンアンプの音は、一聴するとキレイに聞こえるのですが、高音に偏っていています。そのためボーカルやドラムの音が、少し引っ込んでしまいバランスが悪いです。

解像度はまずまずですが、透明感が高いのでクリアに聴こえます。音の広がりはまずまずですが定位は甘めです。
それでも3,000円台という価格からすると、十分過ぎる音かと思います。


ヘッドホン端子の出力インピーダンスは32Ω~300Ωです。低インピーダンスのヘッドホンは、相性に注意したほうが良いかもしれません。

またイヤホンの場合は、インピーダンスは16Ωぐらいが多いので、対象外と考えた方が良いかもしれません。実際に聴いても、最近、音質の向上が目覚ましい、スマホにも負けてしまいます。


フロント リアパネル






(内部について)
DAC-X4Jは3,000円台のUSB-DACですが、内部は手抜きはいっさいなし。それどころか、USBレシーバーの「CM108」と平滑用の電解コンデンサには、発信防止や音鳴き防止用に振動を抑えるゴムパーツが取り付けられています。

表面実装のパーツが多いですが、サイズが幅75×高さ30×奥行126mmと小さいことと、生産コストを抑えるためにはしょうがないところだと思います


DACのシーラス・ロジック CS4344は、TSSOP-10の小型のDACで、同じシーラス・ロジックのCS4398やCS4392などが差動出力なのに対して、CS4344はシングルエンド出力のため、差動合成回路は不要です。

メーカーのデータシートでも、DACの後ろは簡単な2次のRC型ローパスフィルターだけにするように推奨されており、DAC-X4Jもそうなっているようです。

その結果、他のDACと比べるとI/V変換と差動合成回路が不要で、アクティブ型のローパスフィルターも不要なため、DACからライン出力までの間にはオペアンプがありません。


ヘッドホンアンプはオペアンプを使ったシンプルな回路です。オペアンプにはYAMAHA CD-S2000(168,000円)やCD-S1000(127,000円)など、ピュアオーディオ用のCDプレーヤーでも使用されていて、定評のあるTIのNE5532シリーズから「NE5532P」使用しています。
このオペアンプはソケット仕様なので交換が可能です。


NFJは電源回路が音質に与える影響が大きいことを、よくわかっている会社で、DAC-X4Jも、この価格としては強力な電源回路を投入しています。

どのくらい強力かというと、Topping D-50s(27,000円)やE30(15,000円)を完全に上回っています。※現在のToppingの電源回路は、どれを見ても本当にショボイです。

平滑用の電解コンデンサはSANYO WX 16V・2200μFが1本。レギュレータの数が少ないので、独立電源数は多くありませんが、各回路の電源の安定用に使われる電解コンデンサが10本。
ヘッドホンアンプ用にELNA製のリードタイプが2本。と電源には力を入っています。




シーラス・ロジック
CS4344
12.288 MHz
クロック発振器

デジタルオーディオ・レシーバ
CS8416
USBインターフェース基板

ヘッドホンアンプ用の
オペアンプ NE5532P
ヘッドホン用の
ゲイン設定スイッチ

平滑用の電解コンデンサ
SANYO WX 16V・2200μF
ヘッドホンアンプの
電解コンデンサ ELNA製


FX-AUDIO- DAC-X4Jのスペック

入力データ 16bit/44.1kHz
24bit/48kHz/96kHz/192kHz
ダイナミックレンジ 105dB(DAC)
THD+N -90dB(DAC)
ヘッドホン出力
インピーダンス
32Ω~300Ω
電源 外付けACアダプタのみ(別売)で、バスパワー動作不可。
DC 12V/500mA以上推奨
DCジャック 外径5.5mm×内径2.1mm
(センタープラス仕様)
サイズ 幅75×高さ30×奥行126mm
重量 205g





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