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S.M.S.L SA-98Eは2013年に発売されたデジタルアンプです。カラーは公式サイトによると、現在はゴールドのみですが、以前はブラック、ゴールド、シルバーの3色がありました。 価格はACアダプタが付属して11,000円~15,000円(税抜)。 通販サイトではSA-98E2 といった製品名で販売しているところがありますが、S.M.S.Lの正式な商品名はSA-98Eのままです。 S.M.S.L は中国のオーディオメーカーで、日本でも有名なSA-36Aはヨーロッパやアメリカでもヒット商品となりました。以後、デスクトップタイプのデジタルアンプやUSB-DACなどを中心にラインアップを展開しています。 結果的に見ると、このS.M.S.LやToppingの小型デジタルアンプやUSB-DACが売れたおかげで、日本のオーディオメーカーが得意としていた、フルコンポサイズのピュアオーディオ機器とミニコンポ製品が世界中で売れなくなり、現在のオーディオメーカーの苦境を招いたとも言えます。 もっとも2008年ごろには、中国製のデスクトップオーディオが、今後日本のメーカーの脅威となる話は出ていたので、その対応が遅れたり、出来なかった日本のメーカーにも責任があると思います。 日本のメーカーと違って、波にのっているS.M.S.Lは毎年のように新商品を発売しています。その中には1年足らずで終売となる失敗作?もあるものの、 SA-98Eは異例のロングセラーとなっています。 以前のS.M.S.Lの製品というと安価にも関わらず、高音質パーツをふんだんに使った設計でしたが、現在は中国の人件費の高騰やパーツの値上がりなどもあり、回路の簡略化や安いパーツの使用が多くなっています。 SA-98Eは高音質パーツを投入していた時代の製品で、逆に言うとそれがロングセラーの原因になっていると思います。 SA-98EはSA-98(2012年ごろの発売)の改良モデルで、デジタルアンプICをSTマイクロ製のTDA7498(100W×100W)から、TDA7498E(160W×160W)に変更しています。当時としては高出力のデジタルアンプです。 TDA7498Eは85%という高いエネルギー効率で増幅が可能で、過電流プロテクションやオーバーヒートプロテクション、スタンバイ、ミュート機能などを持っています。 ちなみにTDA7498のシリーズには、出力が80W×80WのTDA7498L、100Wモノラル出力のTDA7498MV(サブ・ウファーなどに使用)などがあります。 入力カップリングコンデンサはVishay製のフィルムコンデンサを使用。ただ、このカップリングコンデンサは、部品調達の関係でロットによって、EROなどいろいろなメーカーが使われています。 ローパスフィルターには高出力対応のトロイダルコア・インダクターを使用。フィルムコンデンサはTDK-EPCOS製が使われています。 電源部の平滑コンデンサは、ニチコン LSの50V・8200μF。以前はオーディオグレードでしたが、今は一般品です。またロットによって1000mF×3個になっている物もあります。 ボリュームは当初はALPS製でしたが、現在は違うようです。 電源は当初はDC 32Vのセンタープラスで、付属のACアダプタは32V、4.5Aでしたが、販売期間が長いために何度か変更になっており、現在は36Vの仕様になっています。 中古やオークションでアダプター無しの製品を購入する場合は注意が必要です。 いちおうTDA7498Eの作動電圧は14~36Vまでなので、24V・2.5AのACアダプタでテストしてみましたが、家の中でふつうに聴くぐらいの音量では、問題なく動作しています。 ※メーカーの推奨は36Vなので、それ以外の使用は自己責任です。 |
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(音質について) | |||||||||||||||||||||
SA-98Eの音は柔らかめで、同じTDA7498Eを搭載するFX-AUDIO- FX-98Eと同じ方向の音です。しいて言えばSA-98Eのほうが、より暖色系の音です。 一聴するとレンジはそれほど広くないようにも聞こえますが、いろいろな曲を他のデジタルアンプと聴き比べてみると、けっこう広いことに気づかされます 低音は締まっており量感があります。高音は少しキャラクタが感じられます。中音部の解像度や音の奥行など物足りなさもありますが、うまくバランスを取っている部分もあります。 定位は良いですが、音場は広くはありません。 このクラスのアンプとしては十分な音だと思います。 FX-AUDIO-のFX-98Eは、内部の回路をSA-98Eと同じ構成にするなど、悪く言えばSA-98Eのパクリともいえるアンプです。音の部分も意識的にSA-98Eに近づけている感じがします。 SA-98Eのほうが低音が良く出ますし、レンジも広いです。細部の再生などFX-98Eのほうが優れている部分もあり、総合的にはほぼ互角だと思います。 音楽のジャンルはオールラウンドに使えますが、クラシックやジャズ、女性ボーカルなどに向いており、ロックや打ち込みが多いアニソンなどは苦手です。 |
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(フロントパネルとリアパネル・ケース) | |||||||||||||||||||||
フロントパネルとキャビネットはアルミ合金製でヘアライン仕上げとなっています。 パネルには電源スイッチとボリュームのツマミがある一般的なデザインです。電源を入れるとボリュームの周りが青く光りるのですが、隙間が狭いせいか、それほど光りません。 リアパネルのRCA端子は金メッキがされています。スピーカー端子はこのクラスのデジタルアンプとしては、標準的なものですが端子としては安物の部類になります。 スピーカーケーブルを通す穴が小さいので、細いケーブルしか使えません。また端子の間隔が狭いので取り付け作業がやりにくいです。実質的にはバナナプラグ専用と考えたほうがよいです。 DCインは36Vでセンタープラス (外径5.5mm 内径2.5mm)です。 |
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内部の基板 | |||||||||||||||||||||
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最大出力 | 160W+160W(4Ω) |
スピーカー インピーダンス |
4Ω~8Ω |
電源(ACアダプタ) | 36V センタープラス |
サイズ | 幅98mm×高さ36mm×奥行168mm |
重量 | 450g |
デジタルアンプ |
USB DAC |
ヘッドホンアンプ |
DAP |
イヤホン |
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