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RCAケーブルの比較 No.4
(自作アナログケーブル)


No.1 No.2 No.3
オヤイデ(OYAIDE) QAC-202
QAC-202/212は2芯シールド構造のケーブルです。日立電線が2000年代初めまで生産していた導体「LC-OFCカンタム」を、2008年にオヤイデ電気が日立電線に生産再開を依頼。
そのLC-OFCカンタムを使用していた、ベストセラーケーブル「QAX-112」をベースに開発されたケーブルです。

「LC-OFC」は日立電線が1980年代に開発した高純度銅で、それからさらに水素ガス成分を極限まで排除し純度を高めた「クラス1−OFC」を、線形結晶化したものが「LC-OFCカンタム」です。

QAC-202では、このLC-OFCカンタムの導体を、3層の反転同心撚りにして、高密度に撚り合せることで線間歪による音質劣化を排除しています。

絶縁体は誘電率の低いPE(ポリエチレン)。内部シースは、絶縁体より硬度を低くした LDPE(低密度ポリエチレン)。シールドは導体と同じLC-OFCカンタムで90%以上という高密度な網組になっています。外装はPbフリーのPVCです。

QAC-202とQAC-212の違いは導体の線径で、QAC-202は0.4Sq、QAC-212は0.5Sqとなっています。これに伴いケーブルの外径はQAC-212のほうが、一回り大きくなっています。

もともとオーディオ用ケーブルとして開発されたケーブルですが、QAC-202のほうは「NEO」ブランドから発売された、エレキギターのシールドケーブルやマイクケーブルの音が評価されて、雑誌で取り上げられたり、使用するミュージシャンが増えたりと、オーディオよりも音楽分野で有名なケーブルとなりました。ただ2013年に導体の生産終了とともに、ケーブルのほうも次々に生産終了となりました。

QAC-202の自作ケーブルを作るキッカケは、2013年に発売された「誰でもできる!自作でオーディオアクセサリー PART2」のRCAケーブルキットです。このケーブルはノンシールドのPCOCCですが、音が良くないせいか、某オーディオ評論家が3万円以上の音などと持ち上げたにも関わらず、完売までに1年以上もかかり、最後はオヤイデのショップで叩き売りもしていたという「いわく付き」のケーブルです。
何しろ3,885円もしたので、コネクタだけでも再利用しようと思って制作したのが、このケーブルです。プラグはソルダーレスのネジ止めタイプのため、シールド部分は折り返してコールド側にしてあります。


音はQAX-112ゆずりのハイスピードが特徴。クリアで解像度が高く高音のツヤなども良いです。ジャズなどでは小気味の良いサウンドを聴かせてくれます。

ギターのシールドケーブルに使われるケーブルは、オーディオ用に使用するとアンプの特性の違いなどから、どうしても物足りない部分が出てきてしまいますが、QAC-202はもともとがオーディオケーブルなので、そのようなことはありません。

線径:0.4Sq(QAC-212は0.5Sq)
外径:6.0mm(QAC212は7.9mm)
最大導体抵抗:42Ω/km(QAC-212は34Ω)
最大絶縁抵抗:1,000MΩ/km(QAC-212も同じ)
静電容量:50pF/m(QAC-212も同じ)

価格 QAC-212 1,260円(1m)



BELDEN・ベルデン 8412
BELDEN 8412はOFHC(oxygen free high conductivity copper)を導体に使用した、2芯シールド構造のケーブルです。

OFHCは日本語に訳すと無酸素高伝導率銅。つまり無酸素銅(OFC)のひとつですが、1930年ごろに開発された技術ですので、導体だけを見るとヴィンテージケーブルに近いです。8412では錫メッキがされています。

絶縁体はEDMP(エチレン・プロピレン・ダイン・モノマー・ラバー)、介在部分はレイヨンと麻糸。シールドはOFHCの網組、外装もEDMP。
ケーブルの設計自体が古いので、2芯シールド構造といっても、細かい構造や使われる素材は古さを感じます。

以前は入門用の自作ケーブルとして、たいへん人気がありましたが、現在はギター用のシールドケーブルとしての用途がメインで、オーディオ用のラインケーブルとして自作する人はだいぶ減ったようです。

RCAプラグはノイトリック社の定番プラグ「NYS352G」です。カバーに印字されている「REAN」(リアン)はノイトリック社のブランド名のひとつで、社名が変わった訳ではありません。現在の物は金メッキのブレード部分の形状が変更されています。

結線の方法は諸説ありますが、ウチでは黒線をホットにしています。ハンダは和光テクニカルのSR-4N Cu。

音質についてもネット上では、フラツトだという人もいれば、ドンシャリだという人もおり、こちらも諸説入り乱れています。
たぶん安く作れるケーブルということで、PCオーディオで使われる安価な中華デジアンやミニコンポ。ピュアオーディオ用でも初級者用アンプ〜ハイエンドに近い物まで、いろいろな機器につながれた結果だと思います。またエージングを十分にせずにレビューしている人も多いかと思います。

一言でいえばメリハリのある音。中音域がメインで高音は伸びが足りず繊細な部分が出てこない。低音は量感が足りず締まりも今ひとつ。オーディオ用としては高音と低音が物足りないのが痛いところです。ジャンルとしてはロックとジャズ。クラシックにはレンジ不足で向きません。

市販品のケーブルで言えば5000〜6000円クラスの音。自作すれば2000円程度で済むのですから、コスパは良いのですが、問題はこの音で満足が得られるかどうかということ。

よくケーブルショップなどが、3000円〜4000円ぐらいで完成品を販売していますが、かっての8000円〜1万円ぐらいのケーブルがオークションや中古ショップで同じぐらいの価格で販売されています。
今の1万円クラスと比べると、いろいろと見劣りがするアクロテック 6N-A2050もそのひとつ。でもベルデン 8412と6N-A2050を聴き比べると、6N-A2050のほうがレンジが広く、細部の表現もちゃんと出て、バランスも良い。ほとんど圧勝というぐらいの音の差があります。


シールド率:85%
静電容量:98pF/m

ケーブルもプラグも、このところの円安のおかげで、販売店によって価格にバラつきがあるので、注意が必要です。

ベルデン8412(1m) 500円〜800円
NYS352Gプラグ(1個) 160円〜400円



BELDEN・ベルデン 1192A
BELDEN 1192Aはマイクケーブルで、ノイズの影響を抑えるために4芯カッド撚りを採用したケーブルです。

導体はOFC(無酸素銅)、絶縁体はポリエチレン、シールドは錫メッキの網組、外装はPVCです。

同じくマイクケーブルとして使われる「8412」に比べると、ポリエチレンやPVCを使用するなど現代的な設計です。さらに4芯カッド構造の効き目もあって、シールド率は「8412」よりも高くなっています。

プラグはスイッチクラフト「3502AAU」を使用。

とはいえ特性が良くても、音になかなか比例しないのが、ケーブルの面白いところ。

「8412」よりも高い透明感を期待して制作したのですが結果は反対。8412よりも透明感や解像度が悪く、レンジも狭いです。高音はツヤが不足しており伸びませんし、低音は量感自体が少ないです。

ケーブル自体は高くないものの、音も相応で良くありません。結論としてはこのケーブルはオーディオ用のラインケーブルには向いていません。失敗作でした。


シールド率:90%
静電容量:128pF/m

価格
BELDEN 1192A(1m) 410円
スイッチクラフト 3502AAU(1個) 350円



MOGAMI NEGLEX 2534
自作ケーブルで人気のモガミ電線のNEGLEX 2534です。ケーブルは切り売りで1m200円ぐらい。ノイトリックのプラグが1個180円ぐらいですので、1m2本で1,000円ちょっとで出来てしまいます。

もともとはマイク用のケーブルで、ノイズに強い4芯スターカッド構造を採用しています。
導体はOFC、絶縁体は架橋ポリエチレン、シールドは軟銅線、シースは軟質ビニルとなっています。
外径は5.3mmとちょっと細めで、軟らかいので取り回しはラクです。

RCAプラグはノイトリックの「NYS352BG」です。

音は透明感があって聴きやすい音です。レンジはちょっと狭いものの、奥行きや余韻は良いです。
中音域のパワー感が強く、ボーカルにピッタリで、低音に少し目をつぶればロックもいけます。ジャズはツヤなど「アク」の部分がないせいか面白みにかけます。クラシックにはレンジが不足で向きません。

ベルデン8412とともに、自作の入門ケーブルとしては良いケーブルだと思います。

導体抵抗:0.083Ω/m
静電容量:65pF/m


No.1 No.2 No.3











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