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オーディオ用 USBケーブルの比較




(USBケーブルによって音がかわる原因)

PCオーディオなどに使われるUSBケーブルもデジタルケーブルです。相変わらずデジタルだから、音が変わる訳がないなどと言っている人もいるようですが、こういう人たちは実際には聞き比べてもいないか、USBケーブルのことを知らない人たちが、ほとんどだと思います。

USBケーブルはパソコンとUSB-DACやUSB-DACを内蔵したアンプや、CDプレーヤーなどとの接続に使われます。オーディオは良い音で聴くというのが最大のポイントですが、音質を悪くする最大の要因はノイズです。そしてパソコンはオーディオ機器と違って、ノイズを大量に発生させるというのが最大の問題です。

このノイズはUSBケーブルに入り込んでUSB-DACに届きます。そこでD/A変換の精度を狂わして音を悪くしたり、その後ろのアナログ回路で音楽信号と混ざることで音質を悪くします。

特にUSBケーブルを流れるデジタル信号の方形波(矩形波)が、ノイズの影響で形が崩れると、デジタルの「0」と「1」が正しく認識されず、D/A変換での音が悪化します。
また、ケーブルには伝送ジッター(クロックジッターではありません)の問題もあり、これも音の悪化の要因となります。詳しくはデジタルケーブルを参照


USB-DAC側には、デジタルフィルターやローパスフィルターといった信号からノイズを取り除く回路があり、少し高い機種だとバスパワーの電源に対しても、EMIフィルターやデカップリングコンデンサでノイズを取り除いています。

ただ、どちらもノイズを100%取り除ける訳ではないので、USB-DACに入ってくるノイズは少しでも減らしたほうが音質が良くなります。そこで重要になるのがUSBケーブルのノイズ対策です。


(USBケーブルにノイズが侵入する経路と対策)

USBケーブルにノイズが入るのは3通りです。

(1)音楽信号と同じラインで入ってくる。
(2)バスパワーのラインにのって3Vの電力といっしょに入ってくる。
(3)パソコンから電波となって拡散される放射ノイズを、ケーブルが受信アンテナとなってひろってしまう。

そこでオーディオ用のUSBケーブルでは、USB-DACに入るノイズを減らすために以下の対策がされています。
(1)シールドによりパソコンからの放射ノイズを取り込まないようにする。
(2)音楽信号の流れるラインが、バスパワーのラインを流れるノイズの影響を受けないように、離したり絶縁を強化する。
(3)ケーブルにフェライトなどを取り付けて、信号やバスパワーのラインを流れるノイズを減らす。

といった内容になります。


(アシンクロナス伝送の問題)

現在のUSB-DACはハイレゾ化によってアシンクロナス伝送の採用しています。これによりクロックジッターの問題は解決されましたが、エラー訂正や再送要求がないため、伝送される信号のロストやビット化けはそのままです。このためケーブルの品質による伝送エラーが多くなると音質は悪化します。

※ビット化けをすると「パチパチ」「プチプチ」とか「ザー」というノイズ音がするハズだと言う人もいますが、そんなことはありません。その人はビットエラーレート(BER)のことを知らないだけです。


(USBケーブルの長さ)

一時期、USBケーブルは「短ければ、短いほど良い」とい話がはやりましたが、確かに短ければ、パソコンの放射ノイズを拾う量が少なくなるので音質に有利です。

しかし、ケーブルが短いということは、USB-DACを搭載する機器がパソコンに近づき、これらの機器が直接、パソコンの放射ノイズを拾ったり、これに接続されるラインケーブルや、ヘッドホンケーブルがノイズを拾って、音質が悪くなる場合が出てきます。

実際のところ、パソコンが搭載しているCPUや、グラフィックチップの種類によって、ノイズの発生量が違うために、ケーブルは何cmが適正というのは、誰にもわかりません。
そのため、20cmや30cmなどの短いケーブルは、以前よりも種類が少なくなり、高級品の一部だけになってしまいました。



上記のようにUSBケーブルにまつわる問題は多岐にわたるので、音質のためにはノイズや信号伝送へのキチンとした対策が必要となります。

その一方でオーディオ用のUSBケーブルはまだまだ需要が少ないため、価格が高いという問題もあります。100円ショップのケーブルでもちゃんと音はでるので、パソコンファンやケームファンなどは、安価なPCオーディオには、安いケーブルで十分と考える人も多いと思います。




FURUTECH・フルテック GT2


GT2は2009年に発売された、三層シ−ルド構造のUSB 2.0ケーブルで、端子はType A + Bです。

導体は純銀メッキされたα-OCC (0.12mm/7本・シグナル28AWG、バスパワー24AWG)です。絶縁体は高密度ポリエチレン。

柔軟性PVC二層とナイロンスリーブにより、振動の影響を軽減させています。コネクターは24金メッキ。

0.6mを使用していますが、三層シ−ルドはけっこう効いており、解像度もありキレも十分にあります。欠点が無い訳ではないですが、全体のバランスが良いです。高音は細部まで表現しますし、低音は締まりがあります。
ジャンルとしてはジャズやクラシック向け。ロックにはパンチ力が不足。
ウチにあるケーブルでは、ハイレゾ音源に一番実力を発揮します。

最大導体抵抗 24AWG:98Ω/km
28AWG::192.2Ω/km
最小絶縁体抵抗 100 MΩ/km
特性インピーダンス 90±15%Ω
静電容量 20 pf/ ft

長さ 0.6m/1.2m/1.8m/3.6m/5.0m
価格 オープンプライス





オーディオテクニカ AT-EUS1000


2013年に発売されたアートリンク・シリーズの2.0USBケーブル。端子はType A + Bです。

導体はOFCでシグナル0.12mm×7、パワー0.18mm×20。絶縁体はシグナル用がPE、パワー用がPVC。

シールドは銅シールドにOFCのメッシュシールドを2層構造。
ハネナイトとハイブラーを組み合わせたハイブリッドインシュレーションシステムにより不要振動を抑えています。シースはPVC。

オーディオテクニカのアートリンクシリーズは、設計が古い商品が多いですが、これは久々の新商品。

OFC導体など、設計は新しいというよりも堅実な設計のケーブルです。2重のシールドにより、クリアでヌケが良く音に芯があります。少しメリハリが効いた音ですが、安いデジタルアンプと組み合わせてもドンシャリにはなりません。

ジャンルとしてはロックやフュージョン向き。特にロックはパワー感が出るので、ちょうど良いです。意外とボーカルのニュアンスも良く出てきます。


価格 8,000円(0.7m.) 8,500円(1.3m.)





Oyaide オヤイデ d+USB class A


2010年に発売されたオヤイデのプロ用ブランド「NEO」のUSB 2.0ケーブルで、端子はType A + Bです。

反転同心撚りのフラットケーブルで、現在のd+USB class A(rev.2)は、PCOCCの生産終了にともない、導体が102SSCに変わっていますが、旧バージョンの導体はPCOCC(シグナル0.18mm×7、バスパワー0.18mm×19)です。

絶縁体はポリオレフィン、シールドは錫メッキ線とアルミテープのダブルシールド。シースは熱可塑性エラストマ。

コネクタ部分は電気特性に優れたPBT樹脂に、グラスファイバーを30%混入して振動対策をしたもので、俗に言うエンジニアリング・プラスチックです。 アウターカバーはアルミニウム製。端子は青銅合金を金メッキしています。

上級モデルのd+ USB class Sとの違いは導体の本数が少ないことと、class Sの端子はプラチナ+ロジウムメッキになっていることなどです。

落ち着いた音で少し柔らかめの音です。ただし良いところはここまで。まずレンジが狭く、それでいて高音は「シャリ」傾向。低音は弱くて締まりもありません。全体的に音が軽く、解像度が低いです。いわゆるヌケが悪く音にキレがありません。
製品の付属のケーブルよりは良いですが、GT2やAT-EUS1000に比べると価格差以上にランクが下の音です。

フラットケーブルにしたために厚みが4mmしかありません。4mmでは導体と絶縁体の太さを考えると、ダブルシールドといいながら薄いものを使わざるを得ないと思いますし、シースの厚みも薄いため、結局ノイズ対策が十分に機能していない可能性があります。

デジタルケーブルもそうでしたが、「NEO」シリーズはプロ用といいながら、価格が安い分、音もそれなりの部分もあります。


最大転送速度 480Mbps
価格 オープンプライス 実売4,700円(1m)





Hivi付録のUSBケーブルの比較


HiVi(ハイヴィ) の2012年9月号、11月号、2013年1月号、3月号に付録として製作された4社のUSBケーブルです。いづれも約20cmほどの長さですが、販売されているケーブルと仕様は同じで、元になったケーブルぱ1mで1万円を超えるものです。

この付録は好評でHiViの売り切れが続出したため、後日、4本のケーブルをひとまとめにした「高音質USBケーブル×4 SPECIAL 特for PCオーディオ」というムックが発売されました。

音質比較に使用したのはデスクトップパソコン。少しパワーのある(クロックが大きい)CPUなので、ノートパソコンに比べると、ちょっとノイズが大きいと思います。



zonotone 6N・USB-Grandio 2.0 (21cm)

信号伝送が2芯、電源が2芯という4芯構造のUSBケーブルです。製品版と違ってナイロン編組のジャケットはありません。
導体は純度6N(99.9999)銅と、純銀コートのОFCを組み合わせたハイブリッド導体で、0.14mmφを7本使用しておりUL規格ではAWG-26となります。バスパワー用は高純度無酸素銅(OFC)導体が2芯(各導体は0.16mmφ×11本)となっています。

シールドはアルミペットシールドが2層。それに加えて錫メッキ無酸素導線による高密度編組シールドを施した3重のシールドです。

音は解像度と透明感があり、高音はのキレはウルトラバイオレットに負けますが、シャカシャカすることはありません。中音もしっかりしており、ボーカルも良いです。低音は量感はさほどでも無いですが、締まりが良く4つのケーブルでは一番良いです。

4つのケーブルで一番バランスが良いです。クラシック、ジャズ、ロック、J-POP、アニソンといろいろなジャンルを聴けるオールラウンドタイプですが、いずれも高いレベルにあります。zonotoneらしい「うまい音づくり」です。



WIREWORLD ULTRAVIOLET 7(23.5cm)

人気の高かったウルトラバイオレット5の後継モデルです。
「Symmetricon」という完全対称バランスペアを採用したフラット構造のUSBケーブルで、ケーブルの抵抗損失や電磁損失を抑えるなど、ノイズよりも伝導特性の向上に主眼が置かれています。

導体は4Nの無酸素銅(OFC)の銀メッキ(シルバーコートではありません)で24AWG × 4本。「Composilex2」という誘導体素材を使用して摩擦電気ノイズを減らしています。

高音は解像度と透明感がありますが、中音になると音が曇った感じになります。低音は弱くて締まりも悪いです。明らかに高音寄りのチューニングで、シャカシャカした音です。かといってサックスなどの艶も悪く、「ドンシャリ」から「ドン」を取った感じです。

WIREWORLDは技術の先進性やオリジナル性をPRしていますが、USBケーブルは各メーカーの設計・技術レベルがどんどん上がっています。ウルトラバイオレット5までの技術的優位は、もはや無いのかもしれません。


AIM(エイム電子) SHIELDIO UAC(21.5cm)

伝送特性が変化しにくいフラットケーブル型です。導体は高純度無酸素銅 + 純銀コーティングのハイブリットで、ノイズに強いツイステッドペア x 2(4本)の構造です。シールドはアルミシールド + 高密度銅編組シールドの2重です。

柔らかめの音ですが、解像度と透明感が悪いです。高音はキレが弱く、低音も出ていません。フラットケーブルにしたためにシールドの厚みが取れず、ノイズの影響をもろに受けている感じがします。


SAEC SUPRA USB2.0(20cm)

SUPRAはスウェーデン・JENVING社のケーブルのブランドで、世界的にも有名です。日本はSAECが代理店となっています。

異なる撚りピッチを採用したツイストペア構造のUSBケーブルで、導体は銀コートの高純度無酸素銅。絶縁材は発泡PE材。シールドは導体にアルミシールド、ケーブル全体をアルミ箔シールドと銅編組シールドで覆っています。

外径8.5mmと4つの中でも一番太いケーブルで、宣伝文句だけ読むとシールドは一番強力なハズです。ただメーカーの宣伝文句どおりだと、世の中には音の悪いオーディオはひとつも無くなってしまうのも事実。オーディオで「鵜呑み」は厳禁です。

他のケーブルよりも音量が小さいです。解像度と透明感が悪く、スピード感もありません。高音は落ち着いていますがキレが弱い。低音は小音量では出ないです。
全体的には音が小さくまとまったという感じ。モニター系の音ですが、USB-DACを何台か試すと、けっこう相性が出ます。

大音量すればそこそこ音は出てきますが、普通の家庭で夜に聴くとか、ニアフィールドで聴くにはちょっと問題があります。ジャンルとしてはクラシックに使えるでしょうが、フュージョン、ロック、J-POP、アニソンなどには厳しいと思います。

上からAIM(エイム電子) SHIELDIO UAC
WIREWORLD ULTRAVIOLET 7
zonotone 6N・USB-Grandio 2.0
SAEC SUPRA USB2.0




エレコム DH-AB20


2016年に発売されたエレコムのUSB 2.0ケーブルで、端子はType A + Bです。エレコムはパソコン用の周辺機器のメーカーですが、近年はハイレゾ対応のイヤホンを発売するなど、オーディオにも力を入れています。

今回は長いケーブルが必要になったので2mを購入。定価は2990円(税抜き)ですが、実売は800円〜900円で売られています。そうエレコムのオーディオ製品を買うときの不安はこの値引き率の高さ。最初から800円程度の価値しかないのに、背伸びして定価をつけているんじゃないかと思ったりします。

導体はOFC(無酸素銅・ただし3N)で、網組シールドのカバー率は100%(一般のUSBケーブルでも網組シールドはされています)。そして編み込みジャケットを採用。コネクタ部分は金メッキがされ、カバーはアルミ製になっています。
オーディオケーブルとして設計したというよりは、ふつうのUSBケーブルの部材を変えたり、追加したりという感じのケーブルです。


どうせエレコムだからとタカをくくっていたのですが、出てきた音にはビックリ。とても実売800円の音ではありません。音の傾向は上記のウルトラバイオレット7と同じ。

解像度と透明感があり、高音は少しシャリシャリしますが、ソースによっては気にならないぐらい。中音は 。低音の量感は弱いですが、よく締まっています。
細かい音は潰れているかなと思って、ハイレゾを再生すると、しっかりと出ていました。

下手をすると、初期に発売されたUSBオーディオケーブルの、3,000〜5,000円クラスに追い付いているかもしれません。
ともかくコスパの良いケーブルで、入門用ケーブルとしては価格も安く、音も良いケーブルだと思います。

今回は2mでしたが、1mならばもう少し音が良くなるハズです。試しにフェライトコアを取り付けてみましたが、ほんの少し高音の抜けが良くなりました。


価格 1.0m(DH-AB10) 定価2,640円
   2.0m(DH-AB20) 定価2,990円





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