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スピーカーケーブルの比較

スピーカーケーブルは、オーディオケーブルの中でも音の違いが顕著に出ます。オーディオ初心者や全くの素人さんでも音の違いを聞き分けられるので、オーディオ・アクセサリーの入門パーツとしても人気があります。

言い方を変えれば機器との相性が出やすいとも言えますし、ケーブルによって自分の好みの音(良い音)も出れば、全く合わない音(悪い音)も出てきます。ですから人によってアメリカの単線のビンテージケーブルが良いとか、屋内配線用の太いケーブルが良かったという話になっても不思議はありません。

いろいろと聴いていると厳重なシールド構造のケーブルよりも、シールドの無い単純な2芯ケーブルの方が音が良いとか、スピーカーがバイワイヤリング対応なので、ケーブルもバイワイヤリング対応の4芯ケーブルを買ったら、元のシールド2芯ケーブルの方が良かったなどということが普通に起こります。
また人によっては、バイワイヤリングをするにしても4芯ケーブルを使うよりも、2芯ケーブルX2本の方が良いという人もいます。

構造だけでなく、導体の純度やケーブルの太さで音が良いとも断言はできません。従って価格というのもケーブル選びの決定的な要因にはならないと思います。結局、自分のシステムに合うスピーカーケーブルを選ぶためには、ある程度のトライ&エラーは必要かと思います。

またケーブルだけ取り替えて、スピーカーのセッティングをやり直さない人も多いですが、セッティングをもう一度確認してみたほうが、良い結果になると思います。
特にフラット志向のケーブルは、値段が高くなるほど音が神経質になっていくので、エージングとともにセッティングの微調整が必要となります。


スピーカーケーブルを選ぶ時に、一番やってはいけないのは「まとめサイト」の内容を信じることでしょう。
あれを作っている人たちは、ケーブルに関する記事と写真を他のサイトからコピペしてきて、「ケーブルの選び方」とか「おすすめのケーブル」など、それらしく編集して書いているだけで、自分の体験にもとずいて書いている訳ではありません。

あくまでも広告をクリックしてもらって、収入を得ることが目当てなので、彼らにとって音質などはどうでも良い訳です。
その証拠に材質がどうの、構造がどうのと説明しておきながら、オススメのケーブルを見ると、Amazonベーシック 30m巻や、モンスターXP 30m巻が入っていたりと内容はメチャクチャです。またAmazonや楽天市場の売れ筋上位を、ただ並べているところもあります。



※1 1990年代後半ぐらいからスピーカーのバイワイヤリング対応が始まり、現在売られているスピーカーのほとんどは、バイワイヤリング用の端子となっています。ところが現在、スピーカーケーブルの売れ筋は4芯ケーブルがどんどん減って、ほとんどが2芯ケーブルとなっています。
スピーカーケーブルの売れ筋ランキング

※2 スピーカーケーブルは長いので、どうしてもアンテナ効果でノイズを拾いやすくなります。しかしケーブルを流れる電流が大きいために、電流の弱いRCAケーブルなどより、かなり影響は少なくなります。
ただし全くないという訳ではなく、ノイズ対策が弱い「ナノテック・システムズ SP#79」にスマホを近づけると、高域が少し伸びなくなるなど、音質への影響は皆無という訳ではありません。



inakustik LS-1002


ドイツのインアクースティック(旧モニターPC)のREFERENZシリーズ(ブラック&ホワイトシリーズ)の4芯ケーブルで、生産はドイツで行われています。2004年の発売。

導体は無酸素高電導銅 OFHCC(Oxygen-Free High-Conductivity Copper)で、導体の中心から4層の同心円状に導体を重ねてあります(0.320mm×37本)。
絶縁体は発泡PEとPEを組み合わせた「Duo PE II 」。ジャケットはPE細線24×4本で編みこまれたもので、微細振動を抑制しています。

硬めのケーブルで取り回しは少し悪いです。
ワイドレンジで解像度や透明感は必要にして十分。高音も低音も良くでます。
ただ傾向としてはモニター志向の音なので、クラシックには良いですが、ジャズやロックでは面白みに欠けます。
同社の「Cobra」よりはスピーカーとの相性は広いです。

価格 3,780円(1m)※現在は4,800円





MONITOR モニターPC (inakustik)
Cobra4S・Cobra2.5S(コブラ)


モニターPCのコブラシリーズは、同社の「顔」とも言うべき有名なスピーカーケーブルで、日本でも多くのユーザーがいました。1993年に発売され、2009年に製造を終了したという超ロングセラーケーブルです。

モニターPCは「MONITOR」が正式社名(現在はインアクースティック)でしたが、1980年代の末に「PC-082」という銀コートOFCのRCAケーブルで日本に上陸したことから、モニターPCと呼ばれるようになったようです。

並行する2本のケーブルの間にメタルバンド(帯状金属箔)を挟み込むんだ「MSR システム」を採用。
このメタルバンドはケーブル間をシールドし、誘導や干渉を低減します。また高域の表層ロスの抑制し、低域の深いパワーの獲得に優れるというものでした。

導体はシルバーコーティングされたOFC、シースは柔軟性に優れた「フルフレックス」という透明なシースを採用。酸化を防ぐ連続表層シーリングで長期間の初期性能を維持しています。

ワイドレンジでフラットなケーブルです。解像度や透明感もあります。ジャンルで言えば一番良いのはクラシックですが、ちゃんとジャズやボーカルもこなします。
4Sと2.5Sは導体の本数の違いだけですが、4Sはフロアスピーカー向けで、見た目以上に導体が太く小型スピーカーでは端子に入らない物もあります。ある程度、アンプのパワーも必要で、少音量では低音が不足します。
小型スピーカーやスリムなトールボーイならば2.5Sの方がバランスが良いです。

価格の割には高性能なケーブルですが、スピーカーとの相性は出るタイプ。意外とJBLやinfinityなどアメリカ勢とも相性が良いです。

価格
Cobra4S 0.07mmΦ×1050 2,310円(1m)
Cobra2.5S 0.07mmΦ×656 1,470円.(1m.)

上がCobra2.5S・下はCobra4S




Ortfon 7NX SPK-550


2芯シールド構造のケーブルで、導体は6Nと7N、PCOCCの3種類の素材によるハイブリットで2.5u。絶縁体はポリエチレン、銅線の網組シールドに、綿糸の介在で振動を抑えています。
外径は12mmと太いケーブルですが、取り回しはし易いです。

自然な音の出方が持ち味で、ツヤなどの着色感はそれほどないので、好き嫌いが出そうです。
フラット方向に振っているので、クラシックやジャズには良いですが、ロックなどにはSPK-3100SILVERのほうが良いと思います。

1mで4,200円とSPK-3100SILVERの4倍もの価格ですが、確かにレンジが広く、情報量が増えたり、繊細なところが出たりはしているものの、それでもTOTAL的には1.2〜1.3倍ぐらい良くなったかなというところ。

お金にちょっと余裕があって、オーディオケーブルはある一定のところを越えると、ほんの少し良くなるだけでも、余分に数千円、数万円かかるということに理解ができている人には良いと思います。

また神経質なケーブルなので、スピーカーのセッティングを、ピンポイントまで出来る人向けのケーブルです。

価格 4,000円(1m)





Ortfon SPK-3100SILVER

SPK-3100SILVERは2002年の年末に発売され、すぐに売上げNo.1になり、10年近くNo.1の座を争っていたロングセラーケーブルです。

2芯シールド構造のケーブルで、導体は銀メッキされたOFC(0.24X24本)。絶縁体にはポリエチレンとPVCを使い、さらに錫メッキシールドと見た目も内容も1m・1,000円のケーブルとは思えません。

音が自然に出てくるところも魅力で、高音や低音、ボーカルがスッと出てきますし、音場も自然な広がりです。
尖った部分が無いかわりに、全体的なバランスがとても良く、音を聴くというより「音楽」を聴かせるケーブルだと思います。


1,000円クラスのケーブルというと激戦区で、コストパフォーマンスの高いものが多いですが、10年以上前のケーブルとはいえ解像度や透明感、レンジなどは、最近発売された同クラスのケーブルと何ら遜色ありません。

それどころか価格が倍以上の「KIMBER 4VS」よりも良い音が出ますし、神経質でスピーカーとの相性が出やすい「Cobra」を、一部上回るなど上級モデルを上回る実力を持っています。


このクラスでは別格ともいえるゾノトーン 6NSP-2200S Meisterと比べると、解像度やレンジなどはNSP-2200S Meisterの方が優れていますが、SPK-3100SILVERはゾノトーンよりも軟らかい音なので、スピーカーの音を軟らかい方向に振りたいのであれば、こちらのほうが良い場合もあると思います。

ウチにあるスピーカーでもQUAD 11LなどはSPK-3100SILVERのほうが相性が良いです。


注意するポイントとしては、銀メッキ導体は銀の部分の腐食が早いので、状態を確認しながらカット・皮ムキをして新しい線を出してやる必要があります。

導体抵抗:14.5Ω/km以下
価格 1,000円(1m)





ZONOTONE 6NSP-2200S Meister


6NSP-2200S Meisterは2008年の発売。メーカーのサイトでは、シアター用に大人気などと書いてありましたが、売れ筋ランキングでもずっと1位を続けていたとおり、ピュアオーディオ用としても十分な能力を持ったケーブルです。

6N、PCOCC、純銀コートOFC、OFCの4種類の素材をマルチストランド・スパイラル構造にした2芯ケーブル。
シールドはアルミペットテープで介在は綿糸。シースは青に着色された透明なポリ塩化ビニールです。

一言でいえば「よく音が出る」ケーブルです。解像度は良く、レンジは広く高音はキチンと伸びますし、低音はちゃんと締まっています。少し硬めのトーンですが厚みがあり、まだまだ音が出るような余裕さえ感じます。音場も十分に広いです。
特に解像度は素晴らしく3000円〜4000円クラスのケーブルでも、聴こえなかった細かい音が、この6NSP-2200Sでは聴こえてきたりします。

全体的なバランスもとても良く、ジャンルもクラシック、ジャズ、ロックのどれを聴いても破綻がありません。


今の1,000円クラスのケーブルは、とてもハイレベルですが、このケーブルの実力はその上。それどころか解像度やレンジなどは、インアクースティックのLS-1002やオルトフォンの7NX SPK-550を上回っています。

場合によっては中音域のメリハリや、高音・低音のパワーバランスがなどと、気になるところが出てくるかもしれません。でも、それもこのケーブルの持ち味。
「フラット」系のケーブルのように、変に抑えているところは無いので、全体的に伸びやかでハッキリした音になります。しいて言えばスピーカーのユニットや、エンクロージャーの能力がそのまま出るタイプ。

そのためスピーカーのセッティングが少々、乱雑でも音が出てきます。キチンとセッティングをする場合でも、出ているものを削っていく感じなので、出ていないものを出すよりは簡単です。
またニアフィールドや夜中に小音量で聴く時などにも良いケーブルです。

導体抵抗:8.9mΩ/m 外径:8mm 価格 1,450円(1m)





ZONOTONE SP-3100Hi


ZONOTONE SP-3100Hiは、音楽出版社の「スピーカーブック2014」(4,352円)の付録のオリジナル・スピーカーケーブルです。
雑誌部分が2,000円とするとケーブルは1mあたり600円相当。本文ではZONOTONEの前園氏が「限られたコストの中で、新素材のパフォーマンスを十分に引き出した」と述べています。

SP-3100Hiは2芯構造のケーブルで、導体は同社の「Neo」シリーズでも使用されている日立金属の「HiFC」と「OFC」のハイブリッドになっています。

HiFCは汎用銅材に極微量のチタンを添加することで、銅中の不純物を制御し、6Nに近い特性を低コストで得た銅線です。そのため銅の純度自体は4Nです。詳しくは日立金属の資料

絶縁体はポリエチレン、シールドはアルミペットテープ、介在は綿糸です。シースは青に着色された透明なポリ塩化ビニール。外径も8mmなので見た目は6NSP-2200S Meisterにそっくりです。ただし導体の撚り線の太さは半分ぐらいしかありません。

音は雑誌のケーブルの解説で、評論家のI氏があたかも1m数万円のケーブルのごとく、褒めちぎっていますが、もちろんそんなことはありません。

ZONOTONEらしい透明感とキレのあるサウンドですが、レンジは狭いです。高音は伸びが弱いですし、キャラクタがあるので好き嫌いがでそう。低音は出ないですが、中低音がしっかりしているので、小型スピーカーでは締まった音として聞こえると思います。
ジャンルはロック、JPOP、ボーカル向き。クラシックやジャズにも使えるといったところ。

600円のケーブルとしては、たいへんに良く出来たケーブルだと思います。では1,000円クラスのケーブルと比べてどうかというと、やはり物足りない。特に細部の再生で差がつきます。現在、発売されている1,000円クラスのケーブルは、かなりハイレベルなものが多いので、これと比べると1ランク下のケーブルという感じです。

雑誌込みの価格は4,352円。雑誌の文章は商品の簡単な解説と、基本的に「褒め言葉」しか書いてありません。雑誌がいらなければ、1,000円クラスのケーブルを4m買っても、おつりがきます。





ナノテック・システムズ SP#79 Special


もともとは音楽出版社の「スピーカーブック2011」の付録として作られたオリジナル・スピーカーケーブルで、2011年11月から市販されました。

金と銀の超微粒子のコロイド液を、導体に塗布・含浸させるオリジナル技術「ゴールデンストラーダ」を使用したケーブルです。構造は2芯の平行ケーブルで、導体はOFCでφ0.5mm×7本。絶縁にPE、シースにPVCが使われています。

ともかく細いケーブルでCDプレーヤーの内部配線ぐらいの太さしかありません。でも、鳴りっぷりは見違えるほど良いです。しかも低音は締まっておりモニターPCの「Cobra2.5S」より出ます。
レンジは少し狭く、広がりなど音場はあまり良いとはいえません。ただボーカルの定位はなかなか良いです。

エージングの間は機器やソースとの相性は出ますが、エージングが進みしばらくたつと、音がなじんできます。

価格 950円(1m)





BELDEN・ベルデン STUDIO718EX


2009年12月の発売。細い線を撚った1つのグループをさらに数本束ねて1 本の線に仕上げた「Rope lay」デザインを採用したケーブルです。(0.191mm×24本×7束)
片側は錫メッキがされており、透明シースは柔軟で取り回しもラクです。

宣伝どおりフラットな音で中高低のバランスが、うまくまとめられていると思います。レンジはやや狭く、解像度や透明感も少し物足りなさがあります。

ただフラットな音を求めているのであれば、1,000円クラスとしては秀逸。2,000円クラスのKIMBER 4VSよりも良いです。

基本的にはスピーカーとの相性がでるタイプ。ですがフラットな特性の割に、高額なケーブルと違い神経質なところが少ないので、スピーカーのセッティングはやりやすいと思います。

1,000円(1m.)





BELDEN・ベルデン STUDIO497MK2


2000年に発売されたBELDENの定番ケーブル。赤黒の線が交互に編まれた編組構造のケーブル。導体はOFHC。

編組構造の効果か、そこそこ透明感があり、余韻もキレイに出ます。そのためカラオケのエコーと同じで、ソースによっては良い音に聞こえちゃったりします。
STUDIO718EXと比べると解像度が低く、レンジも狭く特に低音は弱いです。総合的に見てもSTUDIO718EXにはやはりかないません。

価格が安く透明感などの長所もありますが、短所もあります。聴くソフトによってはJBL JSC500のほうが良いと思います。

価格 700円(1m.)





アイレックス EXIMA Speaker Cable


音楽出版社の「スピーカーブック2013」(3,990円)の付録となったスピーカーケーブルで、アイレックスから発売されている「EXIMA Speaker Cable Limited Edition」のプロトタイプでもあります。

構造はアナログRCAケーブルで、良く使われるシールド2芯構造。導体は0.3mX17のOFC。絶縁体は硬質のPVCで、綿糸と共に振動を抑える役目もしています。シールドにはアルミテープを使用。シースはPVCで高級感とがある茶色となっています。

音はエージングが進むとかなり変わります。エージング前より中音域の張り出しが強くなり、パワフル感が強くなります。
その一方で、この中音はエージング前には出ていた高域や低域をマスキングしてしまいます。特に高音の繊細な部分や透明感が、かき消されてしまう感じで、やや大味的な部分も出てしまいます。

全体のバランスとしてはエージング前の方が良かった感じです。

結局、製品版はこのプロトタイプを使ったユーザーの声を反映させるために発売を延期。導体の量やシールドの変更などの改良を行い、2013年10月から市販が始まりました。価格は3,150円(1m)。





SAEC・サエク SPC-650


SPC-650は導体に「PC-Triple C」(ピーシートリプルシー)を採用したスピーカーケーブルです。2014年5月の発売。

PC-Triple Cは「PCOCC」の生産中止にともない、それに代わる素材として開発されたもので「Pure Copper-Continuous Crystal Construction」(連続結晶高純度無酸素銅)の略になります。

製造しているのは古河電工のグループ企業「FMC」で、通常のOFCから数ミクロン単位の極微の異物を除去した、古河製のOFC(高純度無酸素銅・4N 製品名でいうとPCUHDだと思います)を、FCM独自の鍛造方法によって製造しているそうです。

それはOFCを50%(Sq比)まで、小圧力で数万回連続鍛造(定角連続移送鍛造法)する事で、縦方向に存在した結晶及び粒界を、長手方向に連結された結晶構造へと変化させているそうです。また鍛造により導体内部の空礎を消滅するため、導通特性や音響特性を向上するそうです。

鍛造の後に所定の太さまで伸線加工を行い、焼鈍(アニール処理)で結晶同士が癒着し、連続した結晶構造になります。


ケーブルは2芯ツイスト構造。導体は1.4Sqで絶縁体はポリプロピレン。それを綿糸と紙で巻いて振動を抑えています。シースは軟質PVCです。
外径は7.5mmありますが取り回しは良いです。導体は意外と細くて固いです。


音はかためのサウンドです。これによって、まず好き嫌いがでそう。定位はあるものの、音場は散乱系なので、単音の解像度はあるものの、音がまじってしまう感じがします。

中音がメインでボーカルは前に出てきます。高音はキレがありますが、低音は弱くややブーミー気味です。音量を絞ると解像度の不足がハッキリとしてきます。


総合的な音質ではZONOTONE 6NSP-2200S Meisterや、Ortfon SPK-3100SILVERより低いです。
現行のスピーカーケーブルとしては新しいほうですが、シールドが無いなどの構造により、環境や機器の組み合わせによる影響が出やすいと思います。


価格は1,800円(1m)。





SAEC・サエク SPC-700


1988年ごろに発売され、けっこう長く販売されていたスピーカーケーブルです。

外径は8×19mmと太くて幅のあるケーブルです。ただ柔らかいので、それほど取り回しには苦労しないと思います。
導体は5NのOFCをスーパーアニール処理したもので、7/0.18φ×19の撚り線です。

音はパワフル。他のケーブルから交換すると少しボリュームを絞りたくなります。
レンジも広く解像度もあるのですが、中音〜低音にかけてのメリハリが強めです。おとなしめのスピーカーには良いかもしれませんが、スピーカーによってはバランスがくずれることもあります。

価格 2,000円(1m)





SUPRA CLASSIC 6.0


SUPRA CLASSICシリーズは、1976年創業のスウェーデン・JENVING社の代表的なスピーカーケーブルです。日本はSAECが代理店となり2006年から販売が始まりました。

「CLASSIC」という名前のとおり、昔からよくあるシンプルな平行ケーブルです。導体は756本の錫メッキ高純度銅線(5N・OFC)で9AWG相当。シースはPVCとなっています。シールドはありません。(SAECのホームページの写真はSUPER LINCで間違いです。)


太めのケーブルですが柔らかいので取り回しは良いです。注意しなくてはいけないのは、導体の直径が3mmもあるので、スピーカー端子に入らないこともあります。この場合はバナナプラグやYラグを使うことで対応できるのですが、当然ながらバナナプラグやYラグも、3mm以上の物をチョイスする必要があります。


音はというと、ちょっとがっかり。導体が太いこともあって少しパワー感はありますが、レンジが狭く解像度や透明感もよくありません。
たぶんタンノイなどの大型フロアスピーカー向けとして、作られたケーブルだと思います。そうなるとパワーのあるアンプで、ボリュームをかけてやらないと、音は出てこないかもしれません。

設計としては古いケーブルです。一般家庭で出せる音量のレペルでは、そこいらが得意な設計の1000円クラスのケーブル、ZONOTONE 6NSP-2200S Meisterや、Ortfon SPK-3100SILVERにも負けてしまいます。

価格は発売時が1,890円/1mでしたが現在は2,200円。ところがヨーロッパでの販売価格は9ユーロ(1200円)ぐらいなので、日本では「値段が高い=音が良い」という心理に、付け込んだ値付けなのかもしれません。

交流導体抵抗 2.9 Ω/km
インダクタンス 0.59 mh/m





OYAIDE・オヤイデ EXPLORER V2 0.75sq


OYAIDE(オヤイデ)の「EXPLORER V2」は、「102 SSC」を使用したスピーカーケーブルで2014年10月の発売。

102 SSCはPCOCCの終売に伴い開発された「新導体」のひとつで、オヤイデと三洲電線により共同開発されました。
材料は国内で精錬・伸銅したバージン銅(純度は不明)を、ピーリング加工で不純物を取り除き、アニーリング加工(アニール処理)を行った物で、三洲電線で伸縮工程と撚り加工を行っています。

ケーブルの構造としては普通の2芯平行ケーブルですが、導体の102 SSCは三洲電線が特許を持つ「3E撚り」にしています。これは3種類の異なる太さの素線を使うことで、導体部分の隙間は少なくし導体部分の密度を上げて、線間歪などを低減しています。

絶縁体(シース)はフレックスポリエチレンで、導体間にエアーダンパー(中空層)を設置して、振動の減衰と誘電率上昇の抑制を図つています。

商品ラインアップは線径の違う3種類があり、 0.75SQ(19本/3E撚り)が600円、1.25SQ(37本/3E撚り) が1,000円、2.0SQ(37本/3E撚り)が1,500円となっています。


テスト用に購入したのは0.75SQ(定価600円)です。音は1000円クラスのスピーカーケーブルと比べるとレンジが狭く、音場も平面的です。音数は少なく細部も再生しきれずに潰れたりしています。

高音はそこそこクリアですが伸びが不足しています。中音は「キレ」を作ろうとしているのか、キャラクタを感じます。低音は締まりはありますが量感は弱いです。

もっともピュアオーディオの初級用のCDプレーヤーや、PCオーディオの3000円台のデジタルアンプやUSB-DACに、1000円クラスのスピーカーケーブルをつなげると、ケーブルの方が「能力」が高すぎるので、将来的にステップアップをしないのなら、EXPLORER V2 0.75でも十分とも思います。

あくまでも入門用またはスピーカーの付属ケーブルの買い替え用のスピーカーケーブルです。





van den Hul ヴァン・デン・ハル VDH-T7
「The Clearwater」


VDH-T7はヴァン・デン・ハルのロングセラーケーブルです。以前はVDH-T8が無かったので、ラインアップの一番下のモデルで価格も1m・1000円と安かったケーブルです。(現在は1m・1800円)

平行多重撚り線という構造のスピーカーケーブルです。サイトにあるのはイラストだけで、実物写真が無いので誤魔化されてしまいますが、普通に言うと昔テレビのアンテナ線によく使われていたフィーダー線です。

導体はSCMC。普通のOFC(無酸素銅)に比べて、結晶体が大きく相互に密に接している高純度MC(マッチド・クリスタルMC)OFCで、SC(シルバーコーティング・銀メッキ)したものです。これを98本の撚り線にしています。(AWG14相当)

シースはフレキシブルで機械的、音響的特性に優れた独自のHULLIFLEXR。ケーブルの構成要素はこれだけで、絶縁体やシールドは無く防振対策もされていません。

「ザ・クリアウォーター」というサブネームが付いていますが、音はまったくクリアではありません。解像度が悪く、音にキレがありません。高音にはカラーレーションがあります。中低音は良く出るので、小型スピーカーでは低音が出ているように聴くこえますが、フロアスピーカーでは低音が出ていないことがわかります。

スピーカーとの相性も出るほうで、ラインケーブルにもヴァン・デン・ハルを使って、タンノイ EYRIS3を鳴らしてみたものの、これがまったく合わない。GX100やSB-M20など高解像度系のスピーカーで、なんとか聴けるようになりますが、高音のダメさ加減はかわりません。

音色、レンジ、バランス、音場など、どれをとっても、6NSP-2200S MeisterやSPK-3100SILVERにはかないません。ちょっと期待ハズレのケーブルでした。


抵抗値 0.9Ω/100m
キャパシタンス 17.5pF/m
価格 1800円(1m)





KIMBER KABLE 4VS


KIMBER(キンバー) はアメリカを代表するケーブルメーカーのひとつで、DENON(現在はD&M Import Audio)が代理店をしています。KIMBERは偽物が多いことで有名ですが、低価格のケーブルは家電量販店でも売られています。

ケーブルによってはアメリカより日本の価格がかなり高いものがありますが、4VSはアメリカで10フィートで75ドルぐらいなので、あまり価格差はありません。

4VSは2000年に発売されたスピーカーケーブルで、特徴は信号線側4本+アース側4本の「ブレイド構造」を採用していることです。
導体は「VariStrand構造」の高純度銅線を使用し、片チャンネルあたり8本の細いケーブルが編み構造になり芯線内部の共振を抑えています。トータルとしては13AWG相当。

片チャンネルあたり8本なのでL・R合計で16本。その両端ですから32回の「皮ムキ」作業が必要です。またケーブルが細いのでちょっと神経も使います。ちなみにアメリカでは本数が倍の「8VS」も販売されています。





JBL JSC500


2001年に発売されたケーブルで、一時期はオルトフォンのSPK-3100SILVERと売上げを競っていた人気ケーブルです。

シンプルな平行2芯ケーブルで、導体は銅と錫メッキの撚り線です。ケーブルには「JBL MONITOR SOUND」と書かれていますが、もちろんモニター的な音ではありません。

音はグッと前に出てきてパワフル。透明感が高く音の広がりも良いです。レンジ、解像度はそこそこですが、艶はキッチリと出てきます。ジャズ、ロック、ボーカル向きですがクラシックにも使えてしまいます。いろいろなスピーカーとの相性が良いのも便利。
価格は安いですが、なかなか良いケーブルです。ダテに「JBL」の名前がついている訳ではありませんでした。

価格 600円(1m)





オーディオテクニカ AT6S33


1994年に発売された旧アートリンクシリーズのスピーカーケーブル。
トリプルペアのハイブリッド導体とチタン配合シース、レオストマーの内部シース。それに綿糸で振動を抑え、銅箔によるシールドと重装備です。

ケーブルは太いですが柔らかくて取り回しは楽です。
レンジが狭く解像度・透明感も今ひとつ。低音は締まっていますが、全体的には少し甘めな音です。
アートリンクの名前がつけられ太いし、シールドがしっかりしている割には価格は安いしと思って買ったのですが、ちょっと期待ハズレのケーブルでした。

静電容量:50pF/m
直流抵抗:7mΩ/m

価格 1,400円(1m)





Western Electric 18GA


ウェスタンエレクトリックは1881年創業のメーカーです。1876年に技術者のイライシャ・グレイが発明した電話の特許を出願したところ、同じ日に数時間早くグラハム・ベルも電話の特許を申請しており、これが電話の特許として認められたという話は有名です。

ウェスタンエレクトリックは、この特許を不服として裁判を起こしましたが敗訴。1881年にはベルによってウェスタンエレクトリックは買収されます。以後はベル電話会社(後のAT&T)の機材製造部門という位置付けになります。

その後、ウェスタンエレクトリックは、1995年のAT&Tの組織改変により、その歴史に終わりを告げますが、ケーブルの製造自体は1980年代の初めに終了していたようです。

当時のケーブルの製造工場は
ボルチモア工場(同軸ケーブル・電話ケーブルの製造)
オマハ工場(電話ケーブルの製造・1950年代から稼働)
フェニックス工場(ケーブルやワイアーの製造・1960年代から稼働)

AIW(American Insulated Wire Corporation)に生産委託していたという、14GA、16GA、18GAなどの製品は、いつからいつまで生産されたのはわかりません。



ウェスタンエレクトリックのケーブルは、ヴィンテージスピーカーや真空管アンプを使う人には知られていましてが、有名になったのは1990年代の終わりから始まったオーディオケーブルの「プチ・ブーム」によってです。

当時は、もう生産が終了しているハズなのに、オークションには「ヴィンテージケーブル」としてたくさんの出品がありました。同時に2チャンネルなどの掲示板には、アメリカ国内には在庫がたくさんあるなどの書き込みもされていました。(その話の元ネタ・出どころは明かされていない)

ただ、オークションの中には、有名ブランドの偽物ケーブルを扱う業者によって販売された物も多かったので、中国製の偽物もある程度、出回ったのでないかと思います。また同じ頃には軍用ケーブル(MILスペック)を謳う、怪しげなケーブルもたくさんありました。

2010年代になるとAIW(American Insulated Wire Corporation)が生産したという、18GAなどの復刻品が輸入されるようになり、取扱店が増えていきます。
ただし、販売店によっては「オリジナル」などと記載し、古い金属製のリールの写真を載せて販売し、実際に送ってくるのは新品(復刻品)という、店もあるので注意が必要です。

復刻品には「A.I.W. CORP」と刻印されているだけで、Western Electricの印字はありません。

ちなみにAIW(American Insulated Wire Corporation)を、ネットで探してもホームページはありません。AIWは2010年にケーブル大手のSouthwire Companyに買収されており、現在は同社の商標として使用されているようです。ですから正式にはSouthwire Company製ということになるかと思います。

導体の太さ
14GA(約1.6mm)
16GA (約1.3mm)
18GA (約1.0mm)
















スピーカーケーブルの比較 B級オーディオ・ファン