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KENWOOD DP-1100D |
1986年 定価84,800円 |
KENWOODのDP-1100Dは、1986年11月に発売されたCDプレーヤーです。 ライバル機はSONY CDP-333ESD、KYOCERA DA-9cx、NEC CD-810、ONKYO C-701X、Pioneer PD-8030、TEAC ZD-1000、Victor XL-Z701、YAMAHA CDX-900など。 →1986年の89,800円クラスのCDプレーヤーの比較 1985年のmarantz CD-34の発売により、同年の秋からCDプレーヤーの物量競争が本格化します。特に1986年〜1990年のバブル期においては、CDプレーヤーの進化が劇的に早く、現在の感覚でいうとDENON DCD-SX11の内容が、翌年にはDCD-2500NEの価格帯で発売されるという感じです。 ここで難しいのが、次の商品の内容やスペックをどのレベルにするかということ。当然ライバルメーカーのモデルよりも劣れば、売れ行きは厳しくなりますし、あんまりレベルを上げ過ぎると、前年度に発売された自社の上級機の在庫のハケが悪くなるという問題があります。 DP-1100Dの内容はDP-1100Uを改良したものではなく、前年に発売されたKENWOODのフラグシップDP-2000(149,800円)の左右独立DACを、シングルDACにダウングレードさせたような内容になっていました。 ところがライバル機では左右独立DACを装備したものが多く、しかもCDP-333ESDはフィリップスのTDA1541を、YAMAHA CDX-900やNEC CD-810、XL-Z701などはバーブラウンのPCM56Pと最新のDACを搭載していました。その内容はDP-2000を凌駕しているぐらいでDP-1100Dでは太刀打ちできませんでした。 DP-1100DのD/Aコンバータは16bitの積分型「CX20152」を搭載。このDACはシングルDACのため、D/A変換後に電子スイッチで左右のチャネルを分離しています。 デジタルフィルターは2倍オーバーサンプリングです。またローパスフィルターをディスクリート構成で、スチロールコンデンサなどの高音質パーツを採用しています。 メカはDP-2000よりも強力で、メカベースには大きなアルミダイキャストを採用。ピックアップは外部からの振動を受けないように、ハイブリッド・インシュレーターでフローティングされています。 電源部もこのクラスとしては強力で、独立電源として回路間の干渉を防いでいます。 結果的にはKENWOODは1986年の「898」クラスのレベルを見誤った訳ですが、この失敗を糧として、翌1987年には現在も名機として評価の高いDP-1100SGを発売。続く1988年の「598戦争」にはDP-7010を投入してヒット商品にするなど、躍進のキッカケともなりました。 (音質について) 音は少しアナログチックなウォームトーンですが、ライバル機に比べるとレンジが狭く解像度も低いです。高音の伸びは少ないですし、低音の量感も不足しています。 これらは積分DACの特徴が音質に反映した結果だと思いますが、1986年のこのクラスは中味だけではなく、音質もグーンと向上しているので、ライバル機と聴き比べるといろいろとアラが出てきます。 そのせいか中古価格はライバル機に比べると安いので、積分DACの搭載機が1台欲しいという場合は良い選択肢かもしれません。 |
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(フロントパネル) | |||||||||||||||||||||
フロントパネルのデザインはDP-2000のものをリファインしていますが、ストップボタンやトラックの送りや戻しボタンが小さくなり、位置も悪いので使いづらくなりました。10キーはダイレクト選曲となりました。 ディスプレィではSONYのパクリで、ミュージックカレンダーが新たに装備されました。 |
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(シャーシと内部について) | |||||||||||||||||||||
天板と底板は薄い鋼板製(厚さ 約1mm)ですが、メカベースのアルミダイキャスト(厚さ 約4mm)とビーム(梁)をシャーシと連結することで、シャーシの剛性を大幅に高めています。 インシュレーターは樹脂製で、接地部にはゴムが装着されています。 内部は左側がピックアップドライブメカと電源トランス。右側の基板は手前がシステムコントロールやサーボ、信号処理などのデジタル回路。その後ろに電源回路、一番右側がオーディオ回路となっています。 |
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(電源回路) | |||||||||||||||||||||
電源トランスの容量は30V・18VA。デジタル用とオーディオ用は別巻線になっています。 電源トランスはメカと同じアルミダイキャストの上に固定されていますが、これはトランスから発生する振動を、ダイキャストの剛性とダイキャストとメカを合わせた重量により抑え込んでしまうおうということだと思います。 電源回路は8系統の独立電源で、トランスの別巻線と合わせてデジタル用電源からオーディオ用電源への干渉を抑えています。 電解コンデンサはELNA製のオーディオグレード25V・3300μFなどが使われています。 外部から電源にのってやってくるノイズを低減するノイズフィルターを装備しており、電源コードは細い平行コードです。 |
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(デジタル回路 サーボ・信号処理・システムコントロール) | |||||||||||||||||||||
サーボ回路には「オプティマム・サーボコントロール」と、KENWOOD独自の名前が付いていましたが、実際はSONY製の回路です。サーボ制御はアナログサーボで、ICは「CX20108」。
RFアンプは「CX20109」が使われています。 サーボ調整用ボリュームはメカの隣にあり、トラッキング・ゲイン、フォーカス・ゲイン、トラッキング・エラー、フォーカス・エラーのボリュームがあります。 信号処理回路は復調、EFM誤り訂正などを行うシグナルプロセッサがSONY製の「CX23035」、RAMは8bitのハイスピードCMOSスタティックRAM「CXK5816M-15L」が使われています。 システムコントロール回路のマイコンは、NEC製の4bitマイコン「PD75208CW」です。 |
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(DAC・オーディオ回路) | |||||||||||||||||||||
オーディオ回路のD/AコンバーターはSONY製の16bit積分型DAC「CX20152」です。デジタルフィルターは、2倍オーバーサンプリングのNPC製の「SM5802B」を搭載しています。 残念ながら1996年の段階ではDACもデジタルフィルターも、時代遅れともいえるものです。 積分型DACは構造上、変換精度は悪いのですが、それがかえってアナログライクというか、独特のウォーム感を出してくれるのでファンも存在します。 DACの後ろにはDAC用の積分回路、電子スイッチのNEC「μPD4053BC」を使ったスイッチング回路、デグリッチ回路(サンプルホールド回路)、ローパスフィルター、エンファシス回路などの回路があります。 サンプルホールドから後ろの回路には、デジタル回路からの干渉を避けるためにシールド板によってガードされています。 オペアンプは積分回路とI/V変換用にTL072CP-T、サンプルホールド、ローパスフィルターにTI製のNE5532Pが使われています。 電解コンデンサはELNA製のオーディオグレード。他にスチロールコンデンサーも使用しています。 |
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(ピックアップ・ドライブメカ) | |||||||||||||||||||||
ピックアップ・ドライブメカはスゴイです。メカベースは大きなアルミダイキャスト。ピックアップのマウント部もダイキャスト製で、またチャッキングアームの基部にも、大きな制振材が貼ってあります。 ピックアップやスピンドルモーターが取り付けられているメカシャーシは、スプリングとゴムによるハイブリッド・インシュレーターでフローティングされ、外部からの振動による影響を防いでいます。防振対策はかなり強力です。 ピックアップは「J91-0315-05」(TAOHS-DG2)で、ディスクとの間隔の調整機能が付いています。スライド機構はウォームギヤ方式です。ディスクのホールドはチャッキングアーム式です。 (メカのメンテナンス・修理) KENWOODのこの手のメカでは、チャッキングアームがトレイの開閉メカと一体になって動くため、トレイのローディング用のベルトが少し伸びてしまうと、アームが下りたままとなりトレイが開閉できないというトラブルが発生します。 このベルトはピックアップドライブメカの下にあり、底板を外すと簡単に交換できます。 またピックアッブのスライド機構のギヤのグリスが劣化して、粘度が高くなることで、音飛びや途中から進まなくなるなどのトラブルを起こすこともあります。 クリーニングをして古いグリスを取り除き、再度グリスアップをしておけば安心です。 |
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(出力端子・リモコン) | |||||||||||||||||||||
出力端子はアナログの固定出力が2系統。デジタル出力端子は同軸のみで、端子の横に出力のON/OFFスイッチを装備しています。 専用リモコンはRC-1100Dです。 |
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リアパネル |
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周波数特性 | 1Hz〜20kHz |
高調波歪率 | 0.0035% |
ダイナミックレンジ | 96dB以上 |
S/N比 | 100dB以上 |
チャンネル セバレーション |
105dB以上 |
消費電力 | 18W |
サイズ | 幅440×高さ103×奥行316mm |
重量 | 7.0kg |
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