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FX-AUDIO- FX1002J

価格 8,480円





FX-AUDIO- FX1002Jは、NFJ(FX-AUDIO-)のアナログ入力アンプとしては、フラグシップとなるデジタルアンプです。


FX1002JはTDA7498Eの搭載により、小型ながら160W+160Wとピュアオーディオ用のアンプを、超える出力が可能なデジタルアンプです。

初代FX1002A(5,980円)は2012年の発売。その後バージョンアップを行い、2015年からFX1002Jと型番が変更になりました。
2017年3月17日から発売された第7ロットは、メーカーが「フルモデルチェンジ」と呼ぶくらい大きな変更が行われました。

第7ロットのバージョンアップの目玉は、前段増幅部と電源回路と新しい回路にして、SN比と高調波歪の改善を図っているのと、突入電流対策のSLOW CHARGING回路の搭載です。

(前段部)
前段には増幅回路とアクティブDCサーボ回路を搭載しています。
デスクトップタイプのデジタルアンプは「パワーアンプ」が多いのですが、FX1002Jは前段増幅をする「プリアンプ」とも言える回路があり、そういういう意味ではプリメインアンプに近い姿になっています。


増幅回路の部分は説明が無いのですが、オペアンプを使用したバッファ回路となっており、入力インピーダンスの調整も行っているようです。
オペアンプはソケット式なので、ユーザー側で交換が可能です。


アクティブDCサーボ回路は、出力に現れるDCオフセットを検出して、それをフィードバックしてキャンセルするための回路です。
温度によるドリフト(変動)が発生しても、それを検出してキャンセルできるため、カップリングコンデンサによるカットよりも、確実にDC成分を取り除けます。

DC成分は周波数特性や位相特性など音質に悪影響を与えるだけでなく、最悪スピーカーを破損する可能性もあります。FX1002Jでは、万が一のDC漏れ対策としてスピーカーの保護回路も搭載しています。

また、音質に影響を与える入力用の、カップリングコンデンサを省けるため、ダイレクトカップリングが可能となります。

DCサーボ回路はピュアオーディオ用のアンプでは昔から、当たり前のように搭載されてきた回路ですが、パーツの増加や基盤の大型化、製造コストのアップなどを招きます。またDCサーボの出力(帰還)の場所など、設計のノウハウやテストも必要となります。

小いさくて価格の安さが「セールスポイント」のデジタルアンプでは、サイズが大きくなったり、値段が高くなるのは大きな問題です。

それならば、DCサーボを使うよりも、入力用のカップリングコンデンサに少し良い物を使って、サイズはそのままでコストの上昇を抑えるというのが、セオリーとなっています。

(SLOW CHARGING回路)
オーディオ機器では、いかに回路に安定した電源を供給するかが、高音質のポイントとなります。アンプでは大容量の平滑コンデンサや、デカップリングコンデンサを搭載するのが効果的で、古くから行われてきました。

しかし大容量のコンデンサは、スイッチを入れたとたんにコンデンサを充電しようとして、大きな電流が流れます。これが突入電流といわれるものです。

突入電流が発生するとパーツの破損や寿命や、性能の低下などが起こる場合があるため、ある範囲を超えるとACアダプタが保護回路を作動させ、電源の供給を停止します。

どのACアダプタでも発生するものではなく、そのACアダプタの電源供給能力の高低によって違くなります。またアンペア数が高くても、保護回路の設定基準が厳しい場合もあります。そのため「相性」が出ていました。

SLOW CHARGING回路は、この突入電流(Rush current)の防止回路です。名前のとおり電源スイッチをONした時に、コンデンサの充電量を下げる(遅らせる)ことによって、突入電流の発生を防ぐことができます。

これにより従来よりも大きな容量、低インピーダンスのコンデンサが使用できるため、電源が安定しデジタルアンプICや回路などの音質が向上します。


(FX1002Jについて)
デジタルアンプICは、STマイクロ製の「TDA7498E」を搭載しており、最大出力は160W×160W(4Ω)となっています。

デジタルアンプではアナログ信号をデジタル信号に変換する際に、オペアンプを使った三角波の発振器がよく使われます。ところが三角波の精度が悪いと、デジタルに変換する精度も悪くなり、音が変わってしまうことになります。
それを防止するためにTDA7498Eでは専用のOSC(発振回路)を装備しています。

その他の機能としては、出力ゲインの調整(23.8 dB, 29.8 dB, 33.3 dB,35.8 dB)や過電圧・低電圧・過電流・熱保護機能、スタンバイ機能、ミュート機能などを搭載しています。

ケースの内部には出力ゲインの設定スイッチがあり、大口径のスピーカーや能率の低いスピーカーの駆動などにゲインを調整できます。
ゲインは23.6dBから35.6dBまで4段階に変更が可能。デフォルトは23.6dBです。


ローパスフィルターには、小型高電流量対応のMIDEN製の防磁インダクタを使用。出力カップリングコンデンサーにはBCコンポーネンツ社(旧Philips)のフィルムコンデンサーを使用しています。

前段部とのフィルムコンデンサーはドイツWIMAとTDK-EPCOS製。他にもRoederstein社などのオーディオ用の高音質パーツが採用されています。

オペアンプは前段増幅用がTI製のTL082、DCサーボ用がNE5532です。


電源回路のパーツは平滑コンデンサがELNAの低ESR・高リプル化電解コンデンサ RJD 8200μF。

MOS-FETはドイツのInfineon(インフィニオン・テクノロジーズ)の9530N。
レギュレータが「78M12」「79M12」。DC/DCコンバータは「XLSEMI XL6019E」などが使われています。



(ポップノイズや発熱について)
ポップノイズの対策は、バージョンアップによって解消されているようですが、ウチのアンプ(第7ロット)では発生しません。


FX1002JはFX-AUDIO-のデジタルアンプの中では、発熱が大きいほうです。熱の発生源はデジタルアンプICの「TDA7498E」です。

FX1002J+ではDC/DCコンバータを使った正負電源生成モジュールが原因で発熱して、対策品がユーザーに送付されたそうです。
対策が行われた最新のFX1002J+は、発熱の温度がたいぶ下がりましたが、それでも発熱はあります。

ウチのFX1002Jのケースを開けて確認したところ、正負電源生成回路のDC/DCコンバータをはじめ、インダクタ、コンデンサともに発熱はありませんでしたが、この正負電源を使うDCサーボ回路のオペアンプが少し発熱していました。

でもオペアンプのNE5532は動作温度範囲が150度まであります。発熱といっても指で触れる程度なので、すぐに壊れるという話では無いかと思います。

とはいうものの、搭載しているデジタルアンプICや回路によって発熱が大きい物もあります。同じTDA7498Eを使用したFX-98Eでは、ほとんど発熱がありません。


FX1002Jでは正負電源回路の設計ミスにより、DCサーボが多くかかり過ぎて、TDA7498Eに負荷がかかり、発熱しているのかもしれません。
でもFX1002Jは正負電源回路がモジュール化されていないので交換は出来ません。

ネットでも「発熱が大きい」という話題はありますが、「壊れた」という話は無いようです。気になる方は夏場だけ、ケースの上側を外して使用するなどの対応も良いかと思います。



ちなみにデジタルアンプというと、普通の人は発熱しないという概念があるようですが、デジタルアンプICはパソコンのCPUと同様に、高速のスイッチング動作をするために発熱はします。

発熱はICによって、かなり差があり熱が感じられないようなICもあります。
TDA7492シリーズもそうですが、有名なTA2020-20にも大きなヒートシンク(放熱)が付いており、これらは発熱が大きいほうかもしれません。
またデジタルアンプIC以外に電源部のレギュレーターからの発熱が大きい場合もあります。

FX-AUDIO- でもTI製のTPA3250を搭載したFX502J-Sは発熱があります。またQualcommのDDFAを搭載した、DENON PMA-50やPMA-60の発熱はネットでも有名です。またONKYO A-5VLなども、夏場はけっこう熱くなります。



(ACアダプタについて)
ACアダプタは別売で、電源はDC19~32V 電源容量2A以上(4A以上推奨)以上が推奨となっています。

SLOW CHARGING回路(給電遅延回路)が付いているとはいえ、大容量の平滑コンデンサを搭載しているため、安価なデジタルアンプよりもコンデンサの充電スピードが早いです。

非力なACアダプタだと電力の供給が間に合わず、電流が不安定な状況となる可能性があります。また一部のACアダプタでは、保護回路が作動して電流が流れなくなるなどの問題が発生しているようです。

ウチでは20V・5AのACアダプタで問題なく動作しています。

※最新モデルのFX1002J+では、SLOW CHARGING回路の電流制御を、MCU(マイクロコントロールユニット)を使用したプログラム制御方式に変更して、高出力タイプでないACアダプターにも対応するなど、使用できるACアダプタの幅を広げているそうです。



(音質について)
小型デジタルアンプとしては、音が濃密で芯が1本通っているという感じ。レンジも広く解像度も高く細かい部分の再生もできており、音数も多いです。

低音も出ており締まっています。デジタルアンプの弱点と言われる音の軽さはさほど感じられません。

S.M.S.L.SA-36A PROなどと比べると、レベルは2ランク以上は上です。

ピュアオーディオ用のアンプと比べると、中級機とは音数や細部の再生、音の濃密さと情報量、奥行、低音など物足りない部分は出ますが、初級クラスのアンプには肉薄しているというか、上回る部分もあります。

同じデジタルアンプのONKYO A-5VL(80,000円)と聴き比べると、解像度、レンジや高音、中音はFX1002Jが勝っており、それに加えてスピーカーの駆動力、制動力もFX1002Jの方が上です。
価格は約10倍の差がありますが、音はFX1002Jが方が良いです。


非常にコスパが高いアンプですが、能力が高いゆえに、まずスピーカーの性能が高くないとアンプの実力を引き出せません。USB-DACもまた同じです。

クラシック、ジャズ、ロックと幅広いサウンドに対応できますが、アニソンに向きません。

近年のアニソンは「打ち込み」で作られる作品が多く、楽器部分の解像度や表現力は「本物の楽器」の音よりも劣ります。また意図的にエフェクトがかけられているので、音の透明感もあまり良くありません。

FX1002J自体はDCサーボ回路により、高い解像度と透明感を持っていますが、アニソンの音源のこういった「特徴」では真価が発揮できないため、悪く言えば下のクラスのデジタルアンプつとさほど変わりません。
場合によっては音にメリハリがある.SA-36A PROの方が、良いという場合も出ると思います。


一時期、ネットでTDA7498Eは特有のホワイトノイズがあるという話がありました。一方でホワイトノイズは無いという意見も多くありました。ウチにあるFX1002Jなどの搭載機でもホワイトノイズはありません。

PCオーディオをやっている人でも、パソコンから出るノイズには無頓着な人が多く、いまだにUSBケーブルは、短ければ短いほど良いと信じている人もいるようです。

もしかするとホワイトノイズが出た人は、パソコンのすぐ横にデジタルアンプやUSB-DACを設置したり、USBケーブルやラインケーブルにシールド能力の弱い物を使っていた可能性もあります。



(フロントパネルとリアパネル・ケース)
フロントパネルは6mm厚のアルミ合金。ケースもアルミ合金製です。
カラーはシルバー、ブラックとブロンズゴールドがあり、パネルもケースもヘアライン仕上げです。

ケースの大きさをS.M.S.L. SA-36A PROと比べると、横幅は4mm広く、奥行は18mm長くなっています。高さはFX1002Jが10mmほど低いです。

フロントパネルには電源スイッチとボリュームのツマミがある一般的なデザイン。電源を入れると、スイッチの下の赤いパイロットランプとボリュームの周りが青く光ります。

リアパネルにはRCA端子、スピーカー端子、DC IN端子(センタープラス)があります。

フロントパネル リアパネル

アンダーパネル





基板

デジタルアンプIC
TDA7492PEのヒートシンク
DCサーボ回路

オペアンプを使用した
増幅回路
BCコンポーネンツ製
フィルムコンデンサー

平滑コンデンサ
ELNA RJD 8200μF
SLOW CHARGING
回路


FX-AUDIO- FX1002Jのスペック

最大出力 160W+160W(4Ω)
高調波歪率 0.05%(ICレベル)
S/N比
スピーカー
インピーダンス
4Ω~16Ω
電源(ACアダプタ) 19V~32V
2A以上(4A以上推奨)
センタープラス
サイズ 幅96×高さ33×奥行168mm
重量 530g





デジタルアンプ
USB DAC
ヘッドホンアンプ
DAP
イヤホン
ヘッドホン
オーディオケーブル
PCオーディオTOP
オーディオTOP






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