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RATOC REX-A1648HA1

2012年 10,400円





RATOC REX-A1648HA1は、2012年12月に発売されたUSB-DAC付きのヘッドホンアンプです。

ただREX-A1648HA1は発売された時が悪かった。この12月にはオーディオ雑誌「stereo」の付録として、LUXMAN LXU-OT2が発売されました。価格は雑誌込みで2,800円。

しかも使っているDACは同じTI製のPCM2704シリーズで、設計はLUXMANということになると、同じ価格にしてもケースの無いLXU-OT2が、売れてしまったかもしれません。


DACはTI製のバーブラウン「PCM2704C」を採用しています。一応PCM2704の後継モデルですが、マイナーチェンジで資料を見てもどこが変わったのか、よくわかりません。

PCM2704Cは16bitDACで、サンプリング周波数は32/44.1/48kHzに対応しており、初級向けのUSB-DACではよく使われているものです。USB用のインターフェースが内蔵されており、電源もUSBのバスパワーに対応しており、正確にいうとDACとUSB関連の機能が組合わさった統合チップとなっています。

ヘッドホンアンプはTI製の「TPA6111」を搭載しており、600Ωのハイインピーダンスのヘッドホンにも対応できます。出力は90mW×90mW(32Ω)。


電源はUSBバスパワー駆動に対応するほか、DC IN端子から外部電源の供給を受けることが可能です。(ACアダプタは付属していません)
オプションのACアダプタは、RSO-AC05・3,240円や、RAL-AC05-03・13,000円と高いですが、電圧5V・500mAを供給可能なACアダプタ(φ4mm・センタープラス)を使用できます。

USB-DACではパソコンなどからのノイズの低減が、音質のポイントになりますが、EX-A1648HA1ではUSBバスパワー、ACアダプターからの電源を、コモンモードフィルタでノイズを低減し、ローノイズのLDOレギュレータで3.3Vを生成して、DACの電源として供給しています。


フロントパネルにはステレオ標準ヘッドホン端子と、ヘッドホン用ボリューム(ラインアウト出力兼用)があります。入力端子はUSBのみでタイプB端子です。出力端子はアナログRCAが1系統です。


付属品はUSBケーブル(1m)とゴム足4個です。製造は台湾製です。


REX-A1648HA1の宣伝文句は、「PCM2704Cの最高の活かし方を実現した」ですが、これは同時期に発売されたLXU-OT2に、営業上対抗する意味もあったのかもしれません。



(対応OS)
Windows10、Windows8.1、Windows 8、Windows 7、Windows Vista、Windows XP、MacOS X 10.6以降。



(音質について)
ヘッドフォンもUSB-DACも解像度はそこそこありますが透明感は今ひとつです。

ヘッドフォンは高音を強めですが、USB-DACでは高音は弱いです。
低音には山を持ってきています。低音はバスパワーだと少しブーミーですが、ACアダプタを使うとガラリと変り、タイトで量感のある低音になります。

レンジは狭く定位も良くありません。音場はヘッドフォンで聴いても平面的です。トータルで見てもエントリークラスの音です。


他のモデルとの比較では、LUXMAN LXU-OT2(2,800円)の音と比べると、トータル的にはそれほど差はないという感じですが、細部の表現などでは一部負けるところも出てきます。

でもFX-AUDIO- DAC-X4J(2016年・2,980円)と比べると、音的には「完敗」というあり様で、もう存在意義さえ無いという感じです。※その後、ほどなくしてREX-A1648HA1は廃番となりました。


USBバスパワーとACアダプタを使うのでは各段に音が違います。でもREX-A1648は価格が高いのにACアダプタが付属していません。ただでさえコスパがかなり悪いのに、ACアダプタも購入するとさらにコスパが悪くなります。





(内部について)
ピュアオーディオをやっている人たちからは、思わず「スカスカ」と言われてしまうような基板です。

回路はシンプルで、オペアンプはソケット式ではありませんし、電解コンデンサなどパーツが少ないなど、2,800円のLXU-OT2と比べても見劣りします。電源やUSBに対してのノイズ対策は、1万円という価格からすれば「手抜き」と言われてもしょうがないレベルです。

後にこのREX-A1648HA1の内部基板は、自作キット用の基板「REX-K1648U」として7,980円で販売されました。


RATOCだったから騒がれなかったものの、FX-AUDIO(NFJ)あたりが、こんなものを出したら「ぼったくり!!」とかネットで炎上してしまいそうです。

実際にFX-AUDIO- DAC-X4J(2,980円)と内部を比べても、基板の部分のコストはDAC-X4Jの半分ぐらいしか、かかっていないかもしれません。

もっともパーツの値段がわかる人は、このDACは絶対に買わないと思います。(ちなみに私は本体をオークションで、1/4ぐらいの価格で入手しました。)


ケースの内部 バーブラウン「PCM2704C」

ヘッドホンアンプ「TPA6111」 LDOレギュレータ


RATOC REX-A1648HA1のスペック


入力データ 16bit
44.1kHz/48kHz
周波数特性 20Hz~20kHz(44.1kHz動作時)
高調波歪率 0.005%(ラインアウト出力)
0.02%(ヘッドホン出力・32Ω)
S/N比 97dB以上
ダイナミックレンジ 98dB
ヘッドホン出力 90mW×90mW 32Ω
電源 USBバスパワー

(ACアダプタ)
DC5V センタープラス
サイズ 幅111×高さ41×奥行78mm
重量 235g





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