waves TDA7498

waves TDA7498は名前のとおりSTマイクロ製のTDA7498を使用したデジタルアンプです。価格はAmazonで2818円。 発売されたのは2014年ごろで、この頃からamazonやオークションなどでデジタルアンプやDACの完成品基板の商品の種類が増えてきました。その頃は3000～5000円ぐらいの商品が多くて、waves TDA7498も3200円ぐらいで売られていました。 その後、商品がさらに増えて価格はどんどん下がっていきました。 waves TDA7498はパーツを実装したアンプ基盤と、 アクリルのカバープレートが2枚、支柱が長いのが4本、短いのが4本、ネジが8本からなっています。 アクリルのカバーはホコリ除けやショート防止になりますが、パーツのハンダ付け部分にホコリが貯まると音質も悪化するので、これも防いでくれます。 販売サイトではカバーがスモーク（半透明）になっていますが、ウチに届いたのはブラックでした。 ちなみにカバーの付いていない、同じような回路のデジタルアンプは、Amazonで1500円ぐらいで販売されています。 デジタルアンプICのTDA7498は、85％という高いエネルギー効率で増幅が可能で、過電流プロテクションやオーバーヒートプロテクション、スタンバイ、ミュート機能などを持っています。 基板にはゲイン設定用のスィッチがあり21.6dB、27.6dB、31.1dB、33.6dBを選択できます。またスタンバイとミュート機能用の短絡もあります。 デジタルアンプICのヒートシンク（放熱器）の周りには、デカップリング用の電解コンデンサ（35V・350μF）が8個あります。 この電解コンデンサとヒートシンクに、かかっている白いものは固定剤で、パーツの振動を抑えて「音鳴き」を防止して音質を向上させるためのものです。 カップリング用のフィルムコンデンサはS.M.S.Lなどのメーカーでも、チップタイプを採用している中で、リードタイプを使用しています。中国製だと音が悪いでしょうが、見た目上は期待が膨らみます。ローパスフィルターには220μHの巻線インダクターを使用しています。 電源はDC 15～34V（推奨は24V 5A）で、端子はセンタープラスです。

（使用上の注意点）

スピーカー端子はネジ止め式なので、バナナプラグは使用できません。また穴が小さいので、導体の直径が2mmぐらいまでの細いスピーカーケーブルしか使えません。 基板には電源スイッチはありませんので、電源を入れたり切ったりする場合はACアダプタをコンセントから抜き差しする他ありません。コンセントから抜く際にはポップノイズが出る場合があるので、ボリュームを絞っておく必要があります。

（音質について）

TDA7498を搭載ということで、S.M.S.L SA-98EとFX-AUDIO- FX-98Eと音を比較しました。条件を揃えるために3台とも同じACアダプタを使用しました。 結論から言うと音は悪いです。使っているパーツは良くないですし回路も違う。もちろん価格がだいぶ違うので、当たり前の話です。でも、見た目では意外と良い音が出るかもしれないという期待もありました。 waves TDA7498の音は他の2台に比べ、透明感や解像度が悪く、明らかにレンジも狭いですし、SA-98EやFX-98Eで出ている音が、waves TDA7498では出ていません。 高音はキャラクタがあり音の伸びなどはありません。低音は締まりがなく「ドロドロ」という感じもあります。定位もさほど良くありません。 これで1500円～2000円ぐらいであれば、コスパが高いとなるのですが、2800円となるとちょっと微妙です。 価格が1000円ほど高いFX-AUDIO- FX202A/FX-36A PROのほうが、音は１ランク良いですし、ちゃんとケースにも入っています。製造もキチンとしており検品もちゃんとしているので、不良品に対する心配も少ないかと思います。 オーディオ的には物足りない音ですが、その分刺激的な部分が無い素直な音です。長い時間聴いていても聴き疲れしません。 また音楽のジャンルはオールラウンドに対応できます。 デジタルアンプの初心者。音質よりも価格が優先な人。ストリーミングやインターネットラジオ、BGMがメインな人などに向いていると思います。

キットの内容

基板 安価に関わらず電解コンデンサの 「音鳴き」対策がされている

巻線インダクター ゲイン調整用の ディップスィッチ RCA端子 スピーカー端子

waves TDA7498のスペック

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