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YAMAHA NS−10MM 1996年 ペア18,000円


NS-10MMは1996年9月に発売された、ブックシェルフ型の2ウェイスピーカーです。
「NS-10」という名前が付いていますが、コンセプトや設計、それにサイズも全く別のスピーカーです。NS-10Mがコンパクトなスタジオモニターとして開発されたのに対し、NS-10MMは家庭でホームシアターを構築する「シアターサウンド」用のスピーカーとして開発されています。
同じ価格帯のAV用の小型スピーカー(ライバル機)としては、JBL CM40(ペア18,000円)やダイヤトーンDS-103X(ペア15,000円)なとがありました。


この1996年というのは、VHSビデオを置き換える「DVD」が発売された年で、DVDプレーヤーやDVDソフトは、大きな市場となることが見込まれており、家電メーカーもオーディオメーカーも新製品の開発に邁進していました。
そして11月には世界初となるDVDプレーヤー「東芝 SD-3000」や「松下 DVD-300DVD-100」などが発売されます。

YAMAHAは当時、AVアンプでは国内のトップメーカーで、「CINEMA DSP」というサラウンドプログラムを売り物でした。DVDのドルビーデジタル(AC-3)対応のAVアンプ「DSP-A3090」は、ひと足早く1995年末に発売していましたが、それに接続するスピーカーのラインアップは心許ない状況にありました。

当時のAVアンプのカタログでは、専用のシアタールームにプロジェクターと大型スクリーンというのが定番でしたが、実際にはシアタールームがある家庭などというのは、ごくわずかで、ほとんどの家はリビングルームにAVアンプを置き、TVで映画などのビデオを見ていました。

このためAV用のスピーカーは、設置スペースが小さく置く場所を選ばない「BOSE 101」シリーズや「JBL control 1」シリーズなどが人気でした。YAMAHAも1980年代には「NS-L1」や「NS-S1」という、同じタイプのスピーカーも発売しましたが、すでに販売を終了していました。

そこで新たに開発されたのがNS-10MMです。ウーファーは9cmで、NS-10Mと同様にホワイトコーンとなっています。トゥイーターは2.5cmのソフトドームを搭載しています。
BOSE 101やJBL control 1と大きく違うのは、キャビネットが樹脂製ではなく木製(MDF)だということです。これはひとえに木製のほうが、振動や共鳴などの音響性能が良いというのが、最大の理由かと思います。
またバスレフ方式ではなく密閉型としたのは、自社のYST方式のサブウーファーを使えば、低音は十分補えると判断したのかもしれません。

キャビネットの板の接合には、YAMAHA独自の三方流れ留め構造を採用し、合わせ部分の堅牢性と精度を向上させています。密閉型ですが内部に吸音材はありません。カラーはブラックとチェリーの2種類。
実はキャビネットはNS-10Mの半分の大きさ(VHSビデオと同じ大きさ)に作られています。普通、スピーカーのキャビネットは目指す音質に合わせて、サイズを決めていきますが、このスピーカーはサイズありきでスタートしています。
また、ただでさえ小さいのに木製にしたため、板厚が必要となり容積は更に低下。当然、結果として音は薄ぺらくなっています。簡単にいえばサイズ優先で、音質は二の次ぎという感じです。


1990年代末になるとYAMAHA NS-1000Mや、JBL 4312のミニチュアモデルが登場したため、このNS-10MMもNS-10Mのミニチュアという、言われ方もされました。確かにタテ・ヨコのサイズはNS-10Mの半分ですが、上記のように音質面でのコンセプトや設計は、NS-10Mを踏襲したものではありません。


オプションは
伸縮式の専用スピーカースタンド「SPS-10MM」(12,000円・2本1組)。
TVサイドブラケット SPM-10TV(5,000円・2台1組)。
天吊り・壁掛けスピーカーブラケット SPM-5(12,000円・2台1組)。
※キャビネットの壁掛け用のネジ穴は背面にありますが、天吊り用のネジ穴は底面にあるので、天吊り時は上下が逆さまとなります。

製造はマレーシア工場(ヤマハ・エレクトロニクス・マニュファクチュアリング・マレーシア)です。



(音質について)
こういうコンパクトなスピーカーは、勢いで「このサイズからは想像できないような音が・・・」などと書いてしまいそうですが、聴く人の求めるレベルが千差満別です。またサイズや価格を勘案して、良い音かどうかコストパフォーマンスについて判断することもあると思います。

1.ピュアオーディオでの使用
シビアにフロアスピーカーと比較すると、やはりレンジは狭いですし、低音は出ないどころか中低音の途中あたりから、スッパリと切れてしまっています。普通の2ウェイなのに、クロスオーバーの周波数が5KHzと異様に高いので、トゥィーターとウーファーのつながりも悪いです。
また能率が悪く(カタログでは88dBですが聴感上は80dB前半)、けっこうアンプのボリュームを上げてやらないと音は出てきません。
あくまで「シアターサウンド」のために開発したスピーカーなので、けっしてオーディオ的には音の良いスピーカーではありません。価格相応の音しか出ないと思ったほうが良いです。

2.PCオーディオでの使用
たぶん、今はNS-10MMをPCオーディオ用のスピーカーとして使う人が多いと思います(ウチもデスクトップで使用するために程度の良いものを購入しました)。
パワードスピーカーもキチンとしたものは、けっこう高いので、中国製デジタルアンプと、こういうコンパクトな中古スピーカーの組み合わせは、けっこうリーズナブルです。

ウチで組み合わせているのはTOPPING TP21(チップはTripath TA2021。パッケージが違うだけで中味はほぼTA2020と同じ)。USB-DACはAudinst HUD-mx1です。

TA2021を搭載した安価な中国製デジタルアンプは、ネットでは実力以上に過大評価をしている人もいますが、ピュアオーディオ用のアンプに比べると、透明度は高いものの、レンジや音場が狭く、繊細な表現が苦手などの問題があります。
ところがNS-10MMにはかえって、このくらいの環境のほうが、いろいろなアラが出なくて済みます。ある意味ちょうど良いくらいの音になったりします。

何よりもデスクトップに置くとなると手頃なサイズで、使い勝手も良いです。ただ、キャビネットはけっこう振動するので、平置きではちゃんとした音はでません。インシュレーターは必須となります。


キャビネットのサイズは(幅107×高さ191×奥行140mm)で、タテ・ヨコはVHSテープと全く同じ。奥行きはテープ5個分です。
また、このサイズはNS-10M(幅215×高さ382×奥行199mm)のちょうど半分となります。
つまりバッフルの面積はNS-10Mの1/4で、重量もNS-10M(6kg)の1/4の1.5kgとなっています。

2.5cmソフトドーム・トゥイーター

トゥイーターユニットは振動板とエッジ部を一体成型して、強度を高めています。ユニットは「XS218A0」(6Ω)でインドネシア製。

特徴的なのは、小型スピーカーのトゥイーターですが、高い耐入力性と熱対策が施されています。
これは映画ソフトなどの再生時の、爆発音など過大な入力に備えたもので、耐熱性に優れたカプトン製ボイスコイルボビンや磁性流体による冷却システムなどが採用されています。

9cmコーンウーファー

90mmの振動板に対し、マグネットは60mmと大型のものを採用。ボイスコイルボビンは耐熱性に優れたアルミ製です。エッジはクロスエッジです。

防磁対策は、メインマグネットとキャンセルマグネットに対し最適な着磁することで、キャンセルマグネットの弱点である電流歪を打ち消しています。

ユニットの型番は「XS219A0」(6Ω)で、インドネシア製です。

ネットワーク

ネットワークはコイルとコンデンサが1つずつというシンプルな回路です。

キャビネットは密閉式ですが、中に吸音材はありません。フロントバッフルの厚さは10mm。リアバッフルは9mm。天板・底板・側板も9mmとなっています。

入力端子はワンタッチ式(プッシュ式) MIDE IN マレーシア


スペック

トゥイーター 2.5cm ソフトドーム
ウーファー 9cm コーン
出力音圧レベル 88dB
周波数特性 100Hz〜20kHz
クロスオーバー周波数 5kHz
許容入力 40W
最大許容入力 100W
インピーダンス
サイズ 幅107×高さ191×奥行140mm
重量 1.5kg














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