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TOPPING TP21

 実売6,980円〜9,000円

TOPPING TP21は中国の拓品電子のデジタルアンプです。TOPPINGは最近でこそLepy(Lepai)やS.M.S.L などのデジタルアンプに押されていますが、2000年代半ばから後半の中国製デジタルアンプのブームの立役者で、当時はTP-20やTP-10などが人気でした。

日本では、こういったアンプを「デジアン」とか「中華アンプ」と呼んでいますが、メーカーの呼び名は「Desktop Amplifier」(机の上に置けるアンプ)です。


TP21の特徴はヘッドホン用の専用アンプを搭載していることと、日本製のオーディオ用パーツを使用していることです。
日本製のコンデンサなどのパーツは、中国製のパーツよりも高音質ですが、当然コストも高く、このあたりがLepyやS.M.S.Lなどのデジタルアンプに比べると、価格が高い原因だと思います。


TP21のデジタルアンプICは、Tripath(トライパス)社のTA2021Bで、DPP(DIGITAL POWER PROCESSING)技術を搭載しており、AB級アンプのオーディオ特性とD級アンプの電力効率を持っています。またスタンバイやミュート機能、過電流や過熱、ポップ抑制などの保護回路が搭載されています。


TA2021Bに限らず、デジタルアンプICはアナログのオーディオ信号を、いったんデジタル信号に変換してから増幅を行いますが、いくつかの問題点も持っています。

ひとつめは、安価なデジタルアンプに使われるICは、三角波とオーディオ信号を比較して、1bitのデジタル信号を作りだしています。この方式は仕組みが簡単でコストが安い半面、設計のレベルで音質に差がでます。

デジタルアンプのICは、もともとオーディオ専用ではなく、テレビやパソコンなどの音声出力に使われる「汎用品」が多いので、アナログからデジタルへの高い変換精度が、求められていないということもあります。

もうひとつはデジタル変換の際に発生する量子化ノイズ(デジタルノイズ)です。このノイズは音質を悪化させるため、ノイズシェイピングなどの処理をして、人の可聴周波数よりも、ずっと高い周波数に追いやり、フィルターでカットすることで、音質への影響を無くします。

ただ高度なノイズシェイピングの回路を作るにはコストがかかり、またノウハウも必要となります。安価な回路だと十分な効果が得られず、音質が改善されないこともあります。
この他にパワーFETのスイッチング・タイミングの差によるノイズも音質に影響します。


3番目は、デジタルアンプICはシンプルな故に効率が高く、ハイスピードで増幅できるのですが、ふつうのACアダプタでは、アンプのスピードに対し電源の供給が、全く追いつかないということです。このことはACアダプタなど外部に電源を依存する、小型のデジタルアンプでは、けっこう致命的な部分となっています。

ICから見ると供給が不安定な電源は、デジタル変換と増幅時に、動作に影響を与え音質の悪化を招きます。また、ICの後ろにあるローパスフィルターでは、アナログ波に戻す際に音質の劣化を起こします。

対策としては容量の高いACアダプタに交換したり、デジタルアンプ内部の電解コンデンサの容量を増やしたり、放電スピードの速いオーディオ用に交換するということになります。


外部電源は12V〜14Vのセンタープラスとなっており、 付属品のACアダプターは14V・4Aです。



(音質について)
よくデジタルアンプの音を「無味・無臭」とかと言う人がいますが、それはちょっと違うと思います。

ピュアオーディオ用のアンプの中級機と比べてしまうと、レンジの狭さや音のキレ、馬力の無さなど、いろいろな物足りないところが出てきます。でもそこは実売7,000円程度のアンプなので、当然とも言えます。

それでも同じサイズのデジタルアンプと比べると、なかなか良い音を出してくれます。S.M.S.L SA-36APROやLepai LP-2020A+よりも、解像度が高くレンジも広く音にキレがあります。


この手のデジタルアンプはACアダプタで、音が変わるといわれます。これはデジタルアンプICの特性上、アンプに電力を供給する電源部の構成が音質に大きく影響するためです。(ピュアオーディオ用のアンプも全く同じです。)

TP21ではACアダプタの供給力は当てにならないことを前提とし、スペースやコストの許せる範囲ではありますが、デジタルアンプICへの電源の供給を安定させるために、内部の電解コンデンサを強化しています。このあたりが音質の「キモ」になっていると思います。

電源のON/OFF時にポップノイズはありません。

付属のACアダプターは14V・4Aですが、音質はあまり良くないので、他社製の12VのACアダプタを使っています。



(フロントパネルとリアパネル)
フロントパネルには厚めのアルミ材を使用しています。厚さは何と8mmでピュアオーディオの中級モデルの2倍ぐらいあります。まあフロントパネルが8mmあったからといって、音質が良くなる訳ではなく、肝心なのはやはり中身の回路やパーツの良し悪しです。

デザインはシンプルで、ボリュームのツマミとミニプラグのヘッドホンジャックがあるだけです。

リアパネルのRCA端子は金メッキがされたしっかりとしたものです。それに引き換えスピーカー端子は安物です。スピーカーケーブルを通す穴が小さいので、細いケーブルしか使えません。また端子の間隔が狭いので取り付け作業がやりにくいです。実質的にはバナナプラグ専用と考えたほうがよいと思います。

DCインは12V〜14Vに対応。付属のACアダプタは14V・4Aでセンタープラスです。その右側には電源スイッチがあります。

フロントパネル リアパネル


(ケースや内部について)
ケース本体はアルミ製で2分割のBOX構造。基板はスライドさせて差し込み、フロントとリアパネルを使って固定する方式です。

ケースは強度の向上と振動防止のために天板と底板にリブが入っています。底面には小さなゴム足が付いています。

同じアルミケースといってもLepai LP-2020A+よりも肉厚があるので重量はかなり重いです。

BOX形のケース本体 ケースの底面


(内部について)
TP21は、同じTOPPINGのTP-10やTP-20よりもケースが大きいので、基板も大きくパーツが整然とならんでいます。

中国製のデジタルアンプですが、内部は安価な中国製パーツではなく、日本をはじめとしたオーディオ用のパーツが使われています。

ボリュームはアルプス電気製。電解コンデンサはニチコン、ELNA、WIMAなど、音質に定評のあるメーカーの物を使用しています。
チップの隣にあるのはメタライズド・フィルムコンデンサも日本製ですが、これはロットによってメーカーが違うようです。
抵抗はKOA製、インダクタは東光製です。

デジタルアンブIC(TA2021B)にはヒートシンク(放熱板)が取り付けられています。デジタルアンブICは、他のICと違って大きな電流を発生させますし、高速なスチッチング動作を行うので、安定動作のためには重要なアイテムとなります。

メイン基板


(プリ部・ヘッドホン回路)
プリ部は音質への影響が大きいボリュームはアルプス電気製と良いのですが、回路自体はシンプルを通り越して貧弱という感じ。

ヘッドホン回路にあるチップは16ピン。型番は書いてありませんが4回路入りのオペアンプかもしれません。

アルプス電気製のボリューム ヘッドホン回路


(パワー部)
回路の主役はデジタルアンプICのTA2021Bです。TA2021は2002年の「International CES」で、トライパス社が発表したチップで、独自のDPP(DIGITAL POWER PROCESSING)技術を搭載しており、AB級アンプのオーディオ特性とD級アンプの電力効率を持っています。
またスタンバイやミュート機能、過電流や過熱、ポップ抑制などの保護回路が搭載されています。

チップはTA2020-020に比べて、だいぶ小さなパッケージとなっていますが、10W出力時では高調波歪率が0.035%、S/N比が99dB(25W出力)、チャンネルセパレーション99dB(4Ω)と、TA2020-020にほぼ匹敵するスペックを持っています。

内部の回路構成もTA2020-020と同じで、パッケージが違うためピンの配列は違いますが、入出力はほぼ同じです。電源効率は13.5W・8Ωで88%となっています。


チップ内部の回路では、まず積分器と量子化器を使用してアナログ信号を1bit信号(パルス)にA/D変換を行います。この1bit信号はパルス幅(PWM)に変調されているので、MOS-FETを使ったスイッチング回路で増幅します。
このままだと信号はまだパルス波形なので、外付けのパッシブ形のローパスフィルターを通して、アナログ波形に復調すると同時に、高周波のノイズ成分をカットしてスピーカーに出力します。

またA/D変換時には、量子化ノイズ(いわゆるデジタルノイズ)が発生するので、他のデジタルアンプ同様に、ノイズシェイパーを使って量子化ノイズを高域に移動さているかと思います。


デジタルアンプのローパスフィルターはCDプレーヤーのものと違い、大きな電力を伝送するためコイル(インダクタ)とコンデンサを使用したLC形が使われるのが普通です。TP21のインダクタは東光のデジタルアンプ用が使われています。

TA2021Bの後ろにあるデカップリング用コンデンサは、ニチコン製のFineGold 220μF・25Vが4本。デジタルアンプ的にはICのすぐそばにあるので、「デカップリングコンデンサ」ということになりますが、TA2021Bのデバイス部には別ルートで電源が供給されており、このコンデンサはパルス幅変調後のFETによるドライバー部に電源を供給しているため、パワーステージ部分の電源量の安定化という意味ではアナログアンプの「平滑コンデンサ」に近い役割となります。



電源部のバイパスコンデンサ(デカップリングコンデンサ)は、ELNA製ですが「Pioneer」の刻印があるので、もともとはPioneer用のカスタム品だと思います。容量は16V・3000μF X2本。これも通常のデカップリングコンデンサにしては、容量が大きいです。

DCオフセット調整用の半固定ボリュームは、Bourns(ボーンズ)製で計測器用の品質の良い物です。

放熱器の下にあるのがTA2021B ローパスフィルター

ローパスフィルターと
SONGLE製の12Vパワーリレー
デカップリングコンデンサ
16V・3000μF X2本

付属のACアダプタ
14V/4A


TOPPING TP21のスペック


定格出力 25W+25W(4Ω)
周波数特性 20Hz〜20kHz(±1.1dB)
高調波歪率 0.025%(スピーカー)
0.03%(ヘッドホン)
ダイナミックレンジ 103dB
スピーカーインピーダンス 4Ω〜8Ω
ヘッドホンインピーダンス 16Ω〜300Ω
ヘッドホン出力 140mW(32Ω)
電源(ACアダプタ) DC 12V-14V 4A センタープラス
サイズ 幅113×高さ45×奥行171mm
重量 560g















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