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YAMAHA CDX-620 |
1988年 定価59,800円 |
YAMAHAのCDX-620は、1988年11月に発売されたCDプレイヤーです。 CDプレーヤーが、どんどん売れて競争が激しい時代だったので、前モデルCDX-600(1988年2月発売)から、9ヶ月で後継機として発売されました。 1988年は59,800円という売れ筋の価格帯に、各社が強力なモデルが投入して、CDプレーヤー版の「598戦争」が起こります。 FMファンのダイナミック大賞では、このCDX-620をはじめ、KENWOOD DP-7010、Technics SL-P777、Victor XL-Z521の4台が、優秀推薦機に選ばれています。 当時はバブルの物量機がひしめいていましたので、いかに、このクラスのレベルやコスパが高かったことがわかります。 →1988年の598プレーヤーの比較 CDX-620は外見こそ、前モデルのCDX-600と変わりませんが、上級機のCDX-1020(89,800円)をベースに、DACや回路、パーツ、メカなどを流用して開発したのがCDX-620です。 D/Aコンバータは、CDX-1020が18bit・DACのバーブラウンPCM58Pに、ディスクリートの4bit・DACを足して22bit・DACにしていましたが、CDX-620はディスクリートDACを取り外して、18bit・DACとしています。 18bit・8倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターもCDX-1020と同じ物を使用しています。 DACの後ろのオーディオ回路もCDX-1020とほぼ同じ構成です。 またハイビット・ダイレクトスイッチを搭載しており、DACからの信号をローパスフィルターを通さずに出力することができます。 電源部は電源トランスやコンデンサの容量を減らしてありますが、ほぼ同一の回路です。 メカはアンチバイブレーション・フローティングサスペンションを採用しており、外部からの振動を吸収して、精度の高い読み取りを実現しています。 インシュレーターは簡易型のGPレッグで、環境に合わせて2種類が選択できます。 機能はプログラム再生がマニュアル/デリート/テープマニュアル/テープランダムの4モード。リピート再生も4モード、オートスペース、プログラム機能を利用したタイマープレイなど。 |
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(音質について) | ||||||||||||||||||||||||
CDX-1020と同じく、従来のYAMAHAサウンドからは方向転換しています。 CDX-600はピアノの音をキレイに聴かせるために、高音にポイントを置いた音でしたが、CDX-620は中音をメインにしながら、高音とバランスを取りながら、音を柔らかくしています。低音はYAMAHAの伝統なのか、それほど出ません。 CDX-1020はフラットな味付で、何か詰めきれていないような、中途半端な感じがありました。こちらは中級機といっても下のクラスなので、音に少しメリハリが付いています。結果としては、それが良かったのかもしれません。 レンジは、本来はこのクラスとしては「ふつう」なのですが、ライバル機がスゴ過ぎるので、ちょっと狭く感じます。音場は散乱系で定位がカチッと決まりはしません。 5万円台のクラスということで、ジャンルはオールラウンド。ジャズ、クラシック、ロックやJPOPと聴くことができます。音が少し柔らかいので、女性ボーカルもなかなか良いです。 |
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(フロントパネル) | ||||||||||||||||||||||||
フロントパネルは基本的にはCDX-1020と共通ですが、ヘッドホンボリュームが電動ボリュームから、普通のボリュームに変更になりました。。 操作ボタンのレイアウトは、ディスプレィの右側にプレイ、ストップ、ポーズなどの操作ボタン。ディスプレィの下には10キー、スキップ、サーチやプログラム関係のボタン、トレイの下にはハイビット・ダイレクトスイッチなどがあります。 カラーはチタンとブラックの2色です。 |
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(シャーシと内部について) | ||||||||||||||||||||||||
シャーシはCDX-620専用の物です。CDX-1020は2.5mm厚の底板や2.7mm厚の天板など、文字通り重量級でしたが、CDX-620は底板も天板も1mm厚の鋼板で普通のシャーシです。 底板にはプレスを入れて強度のアップ、天板には小さな防振材を取り付けてありますが、ライバル機は2重底や3重底などの、強力なシャーシになっており見劣りがします。 インシュレーターはGPレッグです。 ピンポイントレッグ(金属製)と、防振レッグ(プラスチック製の通常型で接地面にはコルクが貼られている)の2種類が選択でき、設置環境や音楽ソースによって使い分けることができます。 仕組みは簡単でシャーシには最初から、ピンポイントレッグが取り付けられており、防振レッグを使いたい時には、ピンポイントレッグにはめ込むだけです。 防振レッグからピンポイントレッグに変える時が問題で、内部に固定用のフックがあるのですが、これが引っかかって、なかなか外れなかったりします。 内部のレイアウト左側にメカと電源トランス。基板の左奥に電源回路です。 ここからが独特で、ピックアップから出た信号は、右横のサーボ回路を経て、一番奥のトランスの横にある信号処理回路に入ります。 そこから配線はフロントパネルの方へと向かい、デジタルフィルター、DAC、サンプルホールドと通ります。ここで折り返して、またリアパネルの方向に向かい、ハイビット・ダイレクトスイッチとヘッドホンアンプとの切り替え回路、ローパスフィルター、ミューティング回路を経て、RCA端子から出力されます。 |
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(電源回路) | ||||||||||||||||||||||||
電源トランスはリアパネルに取り付けられています。 電源回路は独立電源で、オーディオ特性に優れたシャントレギュレータを使用した電源になっています。 フィルターコンデンサはELNA DUOREX 25V・3300μFが2本です。レギュレータはシールド板に固定されており、シールド板がヒートシンクの役割も兼ねています。 家庭用電源から侵入してくるノイズを除去するために、ノイズフィルターを装備しいます。 電源コードはCDX-1020と同じ物。極性表示付きの平型コードで導体の材質はOFCです。 |
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(デジタル回路 サーボ・信号処理) | ||||||||||||||||||||||||
サーボ・信号処理回路もCDX-1020と同じです。使われているICはサーボ制御とEFM誤り訂正などの信号処理が、1チップに入っているYAMAHA製の「YM3616」です。 信号処理に使うスタティックRAMはSANYO製の「LC35178」。デジタル出力用のインターフェイス・トランシーバーは、YAMAHA製の「YM3613B」です。 サーボ回路の調整用ボリュームはトラッキング・ゲイン、トラッキング・オフセット、キック・ゲイン、フォーカス・ゲイン、フォーカス・オフセット。 YAMAHAのサーボ回路は、けっこうシビアな調整が必要な物が多いです。 |
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(DAC・オーデイオ回路) | ||||||||||||||||||||||||
D/Aコンバータは、バーブラウンの18bitDAC「PCM58P」を左右独立で搭載したデュアルDACです。 PCM58Pは当時としては最新のDACです。抵抗型のマルチビットDACで、グリッチレス仕様となっています。スペックはダイナミックレンジが108dB、全高調波歪+ノイズの比は-92dBです。 デジタルフィルターの「YM3414」は、18bit・8倍オーバーサンプリングのFIR型フィルターで、1段目で225次、2段目で41次、3段目で21次と、合計287次の演算能力を持っています。 帯域内リップル特性±0.0001dB以内、帯域外ノイズ-100dB以下という能力を持っています。 ローパスフィルターは3次のニューアクティブフィルターです。 オペアンプはNECのμPC4570HAが使用されています。 |
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(ピックアップ・ドライブメカ) | ||||||||||||||||||||||||
ピックアップ・ドライブメカは、CDX-1020と共通ですがスピンドルモーターで、制振型のブラシレスモーターから、普通のDCモーターに変更されています。 ピックアップは3ビームのオリンパス製「TAOHS-JP3」です。振動対策としてアルミダイキヤスト製ベースを採用。ヘッドアンプを内蔵しているため、信号読取り時のS/Nを向上しています。 ピックアップのスライド(トラバース)機構は、ラック&ピニオン式ですが、モーターとギヤの間はゴムベルトを使用することで、ピックアップに振動が伝わるのを防いでいます。 スピンドルモーターの上にあるクランプ(ターンテーブル)は、一部が金属製で、これとチャッキングアームで、ディスクをホールドしています。 ピックアップやスピンドルモーターが取り付けられているメカシャーシは、1.6mm厚の鋼板製です。 このメカシャーシを、アンチバイブレーション・フローティングサスペンションと、呼ばれる特殊ゴムを使った3点支持のフローティング機構で、外部からの振動を減衰し、ディスクの読み取り精度を高めています。 (メカのメンテナンス・修理) この当時のYAMAHAのメカはメンテナンス性が良く、トレイの開閉用とスライド機構用のゴムベルトの交換は簡単です。 トレイの開閉用ベルトの交換は、トレイの隣にある丸い大きなパーツ(ネジを外せば簡単に取れます)の下にプーリーがあり、簡単に交換できます。 スライド機構用のベルトは、チャッキングアームの稼働部のにあるネジを外し、アームを取り外せばトレイとの隙間から交換ができます。 ピックアップ「TAOHS-JP3」の出力ボリュームは、裏側に取り付けられています。 |
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(出力端子・リモコン) | ||||||||||||||||||||||||
出力端子のアナログは可変が1系統。デジタルは光と同軸の2系統となっています。デジタル同軸の端子は金メッキになっていません。デジタル端子の間にはデジタル出力のON/OFFスイッチがあります。 専用リモコンはRS-CD8。 |
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リアパネル |
周波数特性 | 2Hz~20kHz±0.1dB |
ディエンファシス 偏差 |
±0.3dB |
高調波歪率 | 0.003%以下 |
ダイナミックレンジ | 100dB以上 |
S/N比 | 106dB以上 |
チャンネル セパレーション |
96dB以上 |
消費電力 | 20W |
サイズ | 幅435×高さ112×奥行357mm |
重量 | 6.2kg |
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