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DENON DCD-1500SE |
2010年 定価90,000円(税抜) |
DENONのDCD-1500SEは、2010年5月に発売されたSACDプレイヤーです。輸出仕様の型番はDCD-1510AEで、ヨーロッパでは2010~2011年のEISA AWORDを受賞しています。 ライバル機となるのはmarantz SA8004、YAMAHA CD-S1000、Pioneer PD-D6Mk2など。 DCD-1500SEはDCD-1500AE(2005年発売・84,000円)の後継機ですが、定価は6,000円UPして9万円となり、1990年代の1650シリーズに迫ってきました。 DENONの創立100周年に投入するモデルということもあり、先代のDCD-1500AEに比べて、ALPHAプロセッサー、DAC、電源回路などが大幅に強化され、値上げの金額以上に中味は濃くなっています。 もっともDCD-1500AEはSACD対応ということで、値上げをしたにも関わらず、コストダウンのため、以前のモデルと比べて内部のパーツを大幅に削っていました。 それに対しDCD-1500SEは、上級機のDCD-1650SEをベースにして開発されているため、内容的には大きな差が付いたとも言えます。 ちなみにDCD-1500SEとDCD-1650SEを比較すると、トランスを1個にして電源回路はパーツを一部削減。オーディオ回路の回路そのものは、ほぼ同一でDACのグレードを落とし、コンデンサもグレードを落とし、本数を削減しています。 DCD-1500SEではUSB-DACを搭載せず、代わりにヘッドホンアンプを搭載。メカはカバー部分やトレイが違うだけで、本体部分は同じだと思います。 一番違うのはシャーシ(キャビネット部分)で、ここはかなりの差があります。 (DCD-1500SEについて) DCD-1500SEの目玉は「Advanced AL32 Processor」と32bitDACです。ALPHAプロセッサーは「波形再現技術」といわれるもので、CDの16bitデータを作る際に失われた信号を補間して、元の波形を再現するというものです。 従来のALPHAプロセッサー「AL24」が、CDの16bitデータを24bitに拡張していたのに対して、「Advanced AL32」では、拡張に加えてアップコンバート・サンプリングなどの処理を行って、きめ細かな補間を実現しながら32bitのデータを作り出しています。 この32bitデータに対応するためD/Aコンバーターも、旭化成エレクトロニクス製の32bit/192kHzのDAC「AK4392」へとグレードアップされています。「AK4392」はSACDのDSDデータにも対応したDACで、SACDのマルチチャンネルは、ダウンミックスして2chステレオで再生できます。その他にはCD-RやCD-RWのMP3、WMAファイルも再生できます。 音質対策として、ディスプレイ用の電源やデジタル出力の信号をOFFにして、オーディオ回路への干渉を低減する「ピュアダイレクトモード」も搭載しています。 本体の操作ボタンは必要最小限で、プログラム機能などの操作や設定はリモコンでしかできません。CDとSACDは好きな曲順に並べるプログラム再生、リピート再生、ランダム再生が可能です。 CD-R・CD/RWとUSBメモリのファイルの再生の順番は、ファイルの日付の古い順番という「頭の悪い仕様」になっており使いずらいです。しかもプログラム再生は利用できず、リピートとランダム再生のみとなります。 DCD-1500SEの価格は9万円ですが、1980年代、1990年代のCDプレーヤーと違って、シャーシは貧弱で、防振・制振対策はほとんど考慮されていません。底板は2重ではありませんし、天板は「絞り」を入れて強度は稼いでいますがこれも1枚板です。 DCD-1500SEが発売された時点では、心臓部といえる「AL32」や「32bitDAC」などのデバイスは、高級機にしか使われていませんでした。しかしDCD-1500SEのシャーシは、エントリーモデルに毛が生えたぐらいのレベルで、「つりあい」が取れていません。 自動車でいえば大衆車のカローラに、スポーツカー並みの280馬力のエンジンを積んでいるようなものです。当然これでは「AL32」や「32bitDAC」の実力を引き出すのは無理なのですが、チープなシャーシに高性能なデバイスを載せて、コストパフォーマンスを高めるというのが、1980年代からのDENONの「15シリーズ」の伝統であり特徴でもあります。 DCD-1500SEの弱点というか問題のひとつが、外部に漏れるデジタルノイズが多いこと。天板を開けて電源スイッチを入れAMラジオを近づけると、CDを再生していないにもかかわらず、デジタル基板から大量のノイズが放射されているのがわかります。 もちろんCDプレーヤーの内部では、各種のデジタルノイズ対策が取られていますが、電源ケーブルを伝わって外部へ漏れるノイズへの対策は不十分です。 そのためウチでは電源コード(内部)に、フェライトのノイズフィルターを取り付けて、外側へのノイズを低減させています。 (CD-R/CD-RW USB端子からの再生について) CDとSACD以外にCD-RとCD/RW、USBメモリから音楽ファイルを再生することができます。 USB端子があるといっても、USB-DACとしての機能は搭載されておらず、その他にデジタル入力端子はないので、単体のD/Aコンバーターとして利用することはできません。 再生できるファイルはMP3とWMAの2種類だけです。特にWMAはビットレートとサンプリング周波数の上限があるので注意が必要です。WMAロスレスは曲名は表示されますが、再生はできません。 これらの問題のせいか、DENONのサイトにあるDCD-1500SEの取扱説明書(最終版)では、ウチの取扱説明書(初期ロット用)とは違い、WMAファイルのビットレートの上限が160kbpsに引き下げられています。 ちなみにウチで使っている初期ロットでは、192kbpsでも問題なく再生できます。 再生可能なビットレートとサンプリング周波数(最終版)
USB-DAC機能が無いことは、一時期は弱点のように言われましたが、DENONは最新モデルのDCD-2500NEやDCD-1600NEで、USB-DACを取り外したように、CDの再生から見ると、USBインターフェイスが発生するノイズは、音質に悪影響を与えるため、お荷物とも言えます。 (音質について) 1.CDの再生 音はというとAL32の効果もあるのか、高音は良く出ています。低音はDCD-1500AEよりは改善されたようですが、まだ弱いです。 「ドン」はでますが「ズシーン」「ズドーン」は出ないという感じ。(電源コードを良いものに交換すると、かなり改善されます。)音場は横方向の音の広がりは良いですが、奥行きはちょっと不足しています。 32bitDACということで解像度は良いです。でも物理上の特性は良いハズですが、実際に聴くと24bit・DACや、1990年代の1bit・DACとあまり差は感じられません。 それどころか1990年代のSONY CDP-555ESJのほうが解像度は高いです。もっともCDP-555ESJは定価が同じとはいえ、現在の30万円クラス以上の内容を持っているので当然とも言えます。 ジャンルでいえばジャズやロック向き。ジャズでは特にハイハットなどシンバルの音が印象的。クラッシックも聴けないことはないですが、オーケストラなどを聴くと透明感や、ダイナミックレンジなどで弱点も見えてきてしまいます。 2.SACDの再生 SACDの再生では、さすがに情報量は多くなりますが低音の弱さや腰高感はそのまんまです。ハイブリッドディスクを聴くと、SACDとCDの差が意外と小さかったので、CDに対するAL32の効果をあらためて実感しました。 3.音質についての総評 全体的に言うと音は「かため」で、現代的なハイスピードのサウンドです。CD、SACDのどちらもDENONの長年の経験?により、聴かせるポイントは押さえているので、DCD-1500AEや下級機からの買い換えのユーザーは不満は感じないと思います。 ライバル機にあたるYAMAHA CD-S1000と比べると、かなり対照的な音です。YAMAHA CDS-1000は回路にお金がかかっている分、情報量が多いのですが音が「やわらか」過ぎるところがあるせいか、細部の表現などが伝わり憎かったり、他の機器との相性も出ます。 そういう点ではDCD-1500SEは解像度があり、他の機器とも合わせやすいので、使い勝手は良いと思います。 現在のCDブレーヤーは販売数の減少のため、価格は上昇していますが、中身は昔に比べて「デフレ」になっており、DCD-1500SEも例外ではありません。そういうことを考慮して現在の尺度から見ると、妥当な内容と音質ということになると思います。 でもAL32や32bitDACに期待し過ぎて購入したり、あまりいないと思いますが古い1650シリーズや、バブル期~1990年代の9万円台のCDプレーヤーから買い換えると、「アレッ?」と音にがっかりしたり、物足りなさを感じることもあると思います。 よくネットで年々、技術が進歩しているのだから音も良くなっているハズだと言う人がいますが、答えから言うとそれは、それはただの「幻想」です。 音の良し悪しで言うと、DCD-1500SEは1990年代のSONY CDP-555ESJやDENON DCD-1650ARに全く歯がたたないというのが感想。6万円クラスのSONY CDP-XA3ESと聴き比べても勝るところもあれば、劣るところもあります。 といっても、CDの再生では価格が倍のDCD-1650REでも、CDP-555ESJやDCD-1650ARに負ける部分が多いので、これはしょうがありません。 中古で購入する場合のメリットは、そこそこ売れたので玉が多く価格が安いこと。発売から年数が経っていないので故障の心配が少ないこと。そしてSACDが再生できることです。 最近は上級機のDCD-1650SEや、DCD-1650REの中古価格の地盤沈下が激しく、そのあおりを受けて、DCD-1500SEのオークション価格は2万円台になっており、こうなると所有者が言うのも変ですが、お得感を感じてしまいます。 弱点の低音も、現在は13cm以下のウーファーが主流のため、スピーカーによっては気にならないかもしれません。 DCD-1500SEが発売されたころは、まだSACDの新譜が多かったのですが、現在は少なく、しかもジャンルの片よりもあります。SACDはハイレゾの配信に取って変わられる流れは続く訳ですから、そのあたりも価格が安い理由かもしれません。 |
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(フロントパネル) | |||||||||||||||
上級機のDCD-1650SEのデザインを踏襲したものです。買った時は良かったのですが、しだいに飽きてきました。 昔のオーディオ機器のように、たくさんの機能を持ちながら、操作性の良さとビジュルの良さを追及した高度なデザインではなく、フロントパネルを湾曲させて小さなボタンを配置しましたという淡泊なデザインです。 各ボタンは小さいので、けっして操作性はよくありません。リモコンからの操作が前提と言ってしまえばカッコよいですが、そのリモコンの操作性もよくありません。 レイアウトは中央にトレイとディスプレィを配置し、その左側に電源ボタン、SACDのディスクレイヤーの切り替え、ピュアダイレクト、ヘッドフォンの端子とボリューム。右側にはトレイの開閉、再生/PAUSE、停止、スキップ、SOURCE(ディスクとUSBの切り替え)ボタンとUSBメモリの端子があります。 |
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(シャーシと内部について) | |||||||||||||||
シャーシは上級機のDCD-1650SEでは底板は3重、天板、側板も2重ですが、DCD-1500SEはどちらも鋼板の1枚板。 天板の防振材は細長い物が1つ。インシュレーターは樹脂製で直径は60mmありますが、接地面は22mmのゴム製パーツです。 この時期の9万円のモデル(現在はさらに値上がりして10~12万円のモデル)は、1990年代でいうと6万円のモデルに相当します。 1980年代末~1990年代初めのCDプレーヤーでは、「398」のエントリーモデルでも2重底が当たり前。 6万円クラスになるとシャーシを補強するビームや、メカと回路を隔てるシールド板が設置されていましたが、DCD-1500SEにはそれもありません。 オーディオ製品が売れない時代では、定価9万円といってもこれが現実です。もちろんDENONのプレーヤーだけが悪いのではなく、他のメーカーも似たりよったりです。 塗装はとても薄いため簡単に傷が付くので注意が必要です。 内部の基板はDCD-1500AEとレイアウトが大幅に変わり、電源、デジタル、オーディオの各回路が独立した基板になっています。またDCD-1500AEがパーツが少なくジャンパー線だらけの基板だったのに対し、DCD-1500SEでは回路の強化が行われ、パーツ数もだいぶ増えたので、見た目も良くなりました。 |
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(電源回路) | |||||||||||||||
AL32や新しいDACの採用で消費電力はDCD-1500AEの約2倍近くになったため、電源回路はかなり強化されました。 電源トランスは鋼板製のベースに防振ゴムを介して取り付けられています。デジタルとオーディオは別巻線。トランス以降の回路は独立電源となり、基板も別となっています。 ちなみに電源トランスの横にある小さなトランスぱ、スタンバイ用の電源のための物です。 マランツやONKYOのCDプレーヤーとは違い、トランスの前にノイズフィルターは搭載されていません。バスコンだけで外部からのノイズを取り除く作戦でしょうか。 ただ内部のデジタルノイズ対策として、ディスプレィやUSB端子からのコードには、フェライトコアのノイズフィルターが取り付けられています。 USB端子の後ろのノイズフィルターは、USBメモリとデータをやりとりするインターフェイスから、けっこう大きなノイズ(スイッチングノイズ・オーディオ的に言うとデジタルノイズ)が発生するためで、これを低減させるためのものです。 ACインレットは2Pですが、もちろん普通の3Pの電源ケーブルが使用できます。付属の電源コードは直径7mmのキャブタイヤですが、安物で音が悪いのでケーブルの交換がオススメです。 |
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(DAC・オーディオ回路) | |||||||||||||||
DCD-1500SEのD/Aコンバーターは、旭化成エレクトロニクス(AKM)製の192kHz・32bitDAC「AK4392」で、エソテリックの「SA-50」や単体DAC「D-07X」にも搭載されています。 最近ではエントリーモデルのCDプレーヤーや、ブルーレイレコーダーにも、「AK4480」など廉価版の32bitDACが搭載されるようになりましたが、AK4392は歪みが-103dB、SN比が120dBと基本的な特性が高いのが特徴です。 AK4392はCDのPCMの他にSACDのDSDにも対応したDACで、「アドバンスドマルチビット方式」という、マルチレベルの128倍オーバサンプリングΔΣ(デルタシグマ)変調器を搭載しています。アナログへの変換部は、2つのSCF(スイッチド・キャパシタ・フィルタ)を使用した差動構成です。 言いかえると、1チップの中に左右独立の2つのDACを搭載し、差動出力(電圧)をしているということになります。またSCFはクロック・ジッターによる精度の劣化の改善効果もあるそうです。 デジタルフィルターは、DAC内蔵の8倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターは使用せず、ALPHAプロセッサー内の適応型デジタルフィルター(Automatic Low Pass filter Harmonic Adjustment)が使われています。 DACの後ろの回路はシンプルです。ローパスフィルターはノイズの除去に有効ですが、あんまり段数を多くしてフィルターをかけ過ぎると、かえって音質が悪化する場合もあるので、そういうことを考えて最小限にしているのかもしれません。 でも、これは痛しかゆしです。現在のSACDプレーヤーはマイコン、サーボ制御、DSP(ALPHAプロセッサー)など、デジタルノイズを発生させるチップが多く、ノイズ量も増えているため、デジタルフィルターだけでは対応できません。 DACの性能向上で解像度や透明感は高くなっても、ノイズ量に応じた適正なローパスフィルターを配置しないと、ノイズによって音数が減ったり高音や低音がマスクされるなどの影響も出ます。 一番大きな問題はこのオーディオ回路の電源を安定させる電源部。1990年代のDENONのCDプレーヤーは、この電源部に大量の電解コンデンサを投入し、D/A変換やI/V変換、ライン出力に安定した電源を供給して、今でも語り継がれる「中低音の分厚さ」や美音を出していました。 このオーディオ回路への安定した電源の供給は音質の「キモ」となる部分ですが、昔と同様にここを強化しているのは、DENONでは上級機のDCD-SXしかありません。 DCD-1650SEやDCD-1500SEでは、電解コンデンサの本数や容量が少なく、最近のCDプレーヤーの傾向どおり、コストカットの対象となっています。 「DACマスタークロックデザイン」は、DACのそばに低ジッターのマスタークロックを配置し、DACと同じクロックをマスターにして、他のデバイスにもクロックを供給するというものです。 DENONは宣伝文句ではさもオリジナルだと言っていますが、実際には1984年のSONYの「ユニリニア・コンバーターシステム」などが最初で、その後は各メーカーによって現在まで普通に使われている技術です。 オーディオ回路は前モデルのDCD-1500AEよりは強化されていますが、全体のレベルとしては、DAC以外は1990年代の6万円クラスと同じぐらいの内容です。 |
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(ピックアップ・ドライブメカ) | |||||||||||||||
SACDは通常のCD(最大500rpm)の、3倍の早さで高速回転(最大で約1500rpm)するため、スピンドルモーターの振動も大きくなります。そのためピックアップ・ドライブメカはメカベースを含めて、全体の強度が高い方が音質的には有利となります。 DENONはメカについて、振動対策など大きく改良したように言っていますが、文字どおりの宣伝文句。同じD&MグループのマランツSA8400(2003年発売)とほぼ同じレベルのメカです。 メカ本体は中味を見れば一目瞭然。コストをかけていた80年代終わり~90年代初めの、CDプレーヤーのメカに当てはめると5~6万円クラスのレベルです。 ピックアップやモーターが取り付けられる「メカシャーシ」は薄い鋼板製で4点支持でフローティングされています。ピックアップのスライド機構は高速・高精度のリニアモーターではなく、DCモーターによるラック&ピニオンのギヤ式。 スピンドルモーターはいちおう低振動型のブラシレスモーターですが、1980年代に使われたBSLモーターや、スピンドル専用モーターと比べるとレベルはかなり落ちます。 でその実態は東英製のDVD/SACD用トラバースメカ「TDT-2000S/T」です。正確にいうとTDT-2000S/Tを搭載したトレイローダーメカニズム「TD-505」で、カバーにDENONのロゴを入れて、トレイをDENON仕様にしたものだと思います。 このTDT-2000S/TはDCD-1650REや、maranz SA-11S-3などでも使われています。 D&MはCDプレーヤーの新商品が出るたびに、新開発メカとかオリジナルメカとかと、偉そうな宣伝していましたが、実際はメカベースやカバーを変えているだけで、メカの本体は変わっていなかったりします。 ふつう「メカ」と言えばメカの本体を指す訳ですから、真っ赤な嘘はやめて欲しいものです。 ホームページやカタログに、よくメカの写真が載りますが、外側の写真ばかりで内部の写真を載せないないのは、こういう理由だからです。もっともこれはD&Mだけの話ではありません。 ピックアップはSANYO製の「SF-HD870」です。東英のサイトによると搭載ピックアップは複数のモデルから選べるそうなので、ピックアップの選択はDENONが行ったのかもしれません。 CDの読み込みにかかる時間は約12秒。トラックアクセスのスピードはふつうですが、早送りや早戻しは遅いです。 トレイはハイブリット構造のS.V.H( Suppress Vibration Hybrid)と呼ばれるもので、樹脂製のトレイの上面には防振性と質感を上げるためにプロティン塗装がされています。さらに後部には銅メッキされた制振プレートが装着されています。 S.V.Hや制振プレートは無いよりはマシですが、本当にトレイの振動を何とかしたいのなら、デザインにとらわれた「薄型トレイ」をやめて、樹脂部の肉厚を厚くしたり1980~90年代のように振動に強い形状や構造にすべきです。 とはいえ、上記のように現在オーディオメーカーが、外部から調達できめメカは、ハーフハイトサイズの汎用、安物メカしかないのも事実です。 メカの下にはデジタル・サーボの回路やAL32などがある基板があります。これはデジタル回路から空中に放射されるノイズを少しでもブロックし、オーディオ回路への影響を減らすために良く使われるレイアウトです。 デジタル回路のチップは高性能化により、放射されるノイズは昔に比べて格段に増えています。このため各メーカーともに、以前よりデジタル回路とオーディオ回路との距離を取る傾向にあり、レイアウト的には信号経路が長くなっています。 ただデジタル回路やDACが高度に集積化されたおかげで部品点数が減り、そのおかげで信号経路は短くなっているので、全体としてはシンプル&ストレート(DENONの呼び名はミニマム・シグナル・パス)が進んでいることもあります。 |
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(出力端子・リモコン) | |||||||||||||||
リアパネルの出力端子はアナログが固定1系統。デジタルは光と同軸の2系統となっています。 リモコン(型番 RC-1143)にはアンプを操作するためのボタンもあるため、ボタンの大きさや配置に無理があり、使い勝手は良くありません。ハイブリッドディスクのSACD/CDの切り換えは、本体でもリモコンでも出来ます。 リモコンにトレイの開閉ボタンはありませんが、本体は開閉のコマンドを認識するので、古いリモコンを使えばトレイを開閉できます。(1987年製DCD-1600と1994年製DCD-1515ALのリモコンで確認) |
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周波数特性 | 2Hz~50kHz(SACD) 2Hz~20kHz(CD) |
高調波歪率 | 0.0013%(SACD) 0.0018%(CD) |
ダイナミックレンジ | 113dB(SACD) 100dB(CD) |
S/N比 | 117dB(SACD) 117dB(CD) |
消費電力 | 30W |
サイズ | 幅434×高さ135×奥行331mm |
重量 | 8.0kg |
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