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Technics ST-S4 |
1980年 定価44,800円 |
Technics ST-S4は1980年11月に発売されたクォーツ・シンセサイザーチューナーです。 ST-S4は型番は若いですがST-S5の後継機として、売れ筋の価格帯に投入されたモデルです。ちなみに上級機となるST-S6(1981年2月発売・59,800円)も、若い型番ですがST-S7の後継機です。ST-S4の後継機ではまた型番が大きくなり、ST-S5A(1982年9月発売・44,800円)となります。 T-S4のライバル機にはPioneer F-570、NEC T-651、AUREX ST-55、Lo-D FT-4500、TRIO KT-800、YAMAHA T-6などがあります。 ST-S4はフロントエンドに「ハイQバリキャップ」採用し、シングル-ダブル電子同調回路によって、FM4連バリコン相当の受信能力を得ています。クォーツPLLシンセサイザは、スワローイン・カウンタ方式を搭載。基準周波数を可聴帯域外の25kHzに設定することで、音楽信号への影響を排除しています。 IF部はノーマルとスーパーナロウの切替方式で、放送局の受信状況により、音質優先の「ノーマル」か、クリアな受信を優先する「スーパーナロウ」を選択できます。検波部は広帯域で安定度に優れたクワドラチュア検波を採用しています。MPX部はダブルスイッチング方式のPLL MPX回路となっています。 機能ではマニュアル/オートスキャンチューニングとオートメモリー機能を搭載しています。スキャンチューニングは、任意の周波数からオートスキャンして、最っとも近い局を探し出す機能。オートメモリーは自動的に放送局を探し出して、低い周波数から8局まで自動的にメモリーしていきます。このメモリー機能は手動でも設定でき、FMとAMの計16局をメモリーできます。 メモリーのバックアップはST-S5やST-S7では、単3乾電池X3本を使用して行っていましたが、ST-S4は専用のキャパシタを搭載しており、1週間電源をOFFにしていてもプリセットメモリーは消えません。キャパシタは電源スイッチをONにすれば自動的に充電されます。 1980年ごろはシンセサイザーチューナーといっても、回路的には目新しい部分はそれほど無いです。薄型=技術力のようなPRもありましたが、実際には十分なサイズのトランスが搭載できないなど、音質面では問題となる部分もありました。そのため受信性能や音質などは同時期のバリコンチューナーより悪い場合もあります。 その後、Pioneerの「D.D.デコーダー」やKENWOODの「DLLD」などの、新しい回路が登場し音質はどんどん改善されていきます。 (受信について) 現在はケーブルテレビからFM放送を聴いていますが、受信能力としては別段支障はありません。 (音質について) シンセサイザーチューナーのPioneer F-120や、バリコンチューナーのKT-8000と比べて、レンジが狭く音が平面的です。高音の伸びが無くて、全体的にキレがありません。BGMとして聴く分には問題ないかと思います。 ST-S4の良さは高さ53mmという薄型のデザインや、シンセサイザーチューナーならではの使い易さと、オートスキャンチューニングやオートメモリーなどの機能ということになると思います。 ただ、音質や受信性能は「二の次」なので、これらを求めるのであれば、他にいくらでも良いチューナーはあります。 |
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(フロントパネル) | ||||||||||||||||||
ヒット商品となったST-S5やST-S7のデザインを踏襲した薄型のスタイリッシュなデザインです。 ディスプレィはシンプルで、FM・AMのバンドと周波数の表示。そしてFMのSTEREOインジケーターがあるだけです。 専用のシグナルインジケーターは無く、FMシグナルボタンを押すと、周波数表示からシグナルレベル(dB)に切り替わります。周波数とシグナルレベルが同時に見られないという問題がありますが、シンプルさをモットーとする、このデザインには不要と判断されたのかもしれません。 中ほどにはクォーツロック・インジケータがあり、受信が安定してPLLがクォーツロックされると点灯します。 ボタンの配置はデザイン優先で一直線に並んでいます。ボタンのサイズも小さいので、けっして使い勝手は良くありません。 操作ボタンは左から電源スイッチ、「NORMAL」と「SUPER NARROW」のIFバンド切替スイッチ、STEREO・MONOの切替スイッチ、オートメモリー、チューニング、プリセットメモリー、FM・AMのバンド切り替え、FMシグナルです。 |
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(キャビネットと内部について) | ||||||||||||||||||
高さは53mmですが、これは脚を含めた高さで本体は43mmしかありません。 内部は左側に電源トランス。真ん中のメイン基板にはRF、IF、MPXや電源回路などがあります。 テクニクスは1970年代から、たくさんのチューナーを発売してきましたが、このST-S4ではIFやMPX、PLLなど主要な回路にはNEC製のチップを使用しています。※上級機のST-S7も同じです。 |
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(電源回路) | ||||||||||||||||||
本体の高さ43mmということで、電源トランスはピュアオーディオとしてはかなり小さいです。確かにチューナーは消費電力が小さいので、容量的には大丈夫ということになりますが、良い音質を得るためには、電源の余裕度と安定度がポイントとなる訳で、そういう意味では不安になるくらいのサイズです。 電解コンデンサは松下(現パナソニック)製です。 |
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(システムコントロール) | ||||||||||||||||||
操作ボタンによる動作のコントールをするのは、NEC製の「μPD1704C514」です。サービス・マニュアルでは単にマイコンとなっていますが、PLLのカウンターやコントロール、プリセットメモリーの管理も行っているので、正確には「μPD1703」と同じようなマイコン内蔵型のチューニングシステムICです。FLディスプレィ用のドライバーは沖電気「MSL915SR」です。 |
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(フロントエンド・PLLシンセサイザー) | ||||||||||||||||||
ST-S4ではフロントエンドは、FM4連バリコン相当の、ハイQバリキャップを使った「シングル-ダブル電子同調回路」で、局部発振周波数や同調周波数を作り出すPLLシンセサイザー(周波数シンセサイザー)には、マイコンとプリスケーラ用のICを使用しています。 PLLシンセサイザー部は、PLL回路(位相同期回路)に分周器を組み合わせた回路で、ST-S4では同調スピードが速い、スワローインカウンタ方式(いわゆるパルススワロー方式)を採用しています。 まず水晶発振子(クォーツ)の周波数を元に、分周器で基準周波数を作り出します。この基準周波数をオーディオ帯域外の25kHzに設定することで、残留ノイズによる音楽信号への影響を防いでいます。 ユーザーが聴きたい放送局を選局するとマイコンを通じて、データとしてプログラマブル可変分周器(プログラマブルカウンタとも呼ばれる)に入力された後に分周数となります。基準周波数は位相比較器を経てループフィルター(ローパスフィルター)で、直流電圧となり、バリキャップを使ったVCO(電圧制御発振器)で、基準周波数を分周倍した周波数となりミキサーに送られます。 このVCOで作られた周波数は安定化させるために、再度PLL回路にフィードバックされて、プログラマブル可変分周器に入り、分周数で割って周波数が計算されます。これを位相比較器で基準周波数と比較し、周波数がズレていれば誤差信号が出力され、またループフィルターを通って、VCOで周波数の上げ下げが行われ、正しい周波数となります。※ しかし当時のプログラマブル可変分周器では、高い周波数を得ようとすると動作に時間がかかるという問題がありました。そこでスワローインカウンタ方式では、カウンターと1/16、1/17の2つの分周比を持つ、プリスケーラ(前置分周器)を設置し、これを高速動作させることで、プログラマブル可変分周器の負担を少なくし、2つを合わせた分周器全体として高速な動作を可能にしています。 PLLのコントロールを行うのはNEC製の「μPD1704C514」。プリスケーラ(前置分周器)はNEC製の「PB553AC」です。AMチューナーはNEC製の「μPC1018C」です。 ※回路的にはPLLのループを一周することで、周波数が安定するように思えますが、実際にはパーツの特性などにより、何回かループしないと基準周波数と一致(いわゆるクォーツロック)しません。そのため音が出始めてから、少したって「クォーツロック・インジケータ 」が点灯します。 |
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(FM復調 IF・検波回路) | ||||||||||||||||||
IF帯域幅を2段階に切替えることができます。他社は「WIDE」と「NARROW」という呼び名ですが、テクニクスでは、「NORMAL」と「SUPER
NARROW」と名づけています。 「NORMAL」は実効選択度 60dB(400kHz)で音質重視。「SUPER NARROW」は20dB(200kHz)として、受信能力を優先しています。 検波部には広帯域で安定度に優れたクワドラチュア検波を採用しています。 使われているチップは、IFアンプがAMチューナーも内臓しているNEC製の「μPC1018C」。FM用の検波器がNEC製の「μPC1167C」です。 |
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(ステレオ復調 MPX回路) | ||||||||||||||||||
MPX部は2つのスイッチング回路を使用した「ダブルスイッチング方式」です。またPLLにより信号の安定性を高めたPLL MPXとしています。 この回路のメインとなるチップは、NEC製のMPXデコーダー「μPC1161C」です。 |
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(アンテナ端子・出力端子) | ||||||||||||||||||
アンテナ端子は75ΩのFMアンテナ端子(F型端子ではない)と、AM用はバーアンテナと外部アンテナ端子。 出力端子は固定出力です。その他にプログラムタイマーやリモコン用のコントロール入力端子があります。 |
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AM用バーアンテナ 受信する時は本体から引き出して使います。 |
FM | 受信周波数 | 76.1MHz~89.9MHz | |||
周波数特性 | 20Hz~15kHz +0.5-1.5dB | ||||
実用感度 | 1.6μV(IHF) 9.3dBf(新IHF) |
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SN比50dB感度 |
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全高調波歪率 |
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実効選択度 | NORMAL 60dB(400kHz) SUPER NARROW 20dB(200kHz) |
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S/N比 | MONO 80dB | ||||
ステレオ セパレーション |
55dB(1kHz) 40dB(10kHz) |
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イメージ妨害比 | 75dB | ||||
IF妨害比 | 95dB | ||||
スプリアス妨害比 | 95dB | ||||
AM抑圧比 | 55dB | ||||
リークキャリア | -35dB | ||||
キャプチャーレシオ | 1.0dB | ||||
AM | 受信周波数 | 522kHz~1611kHz | |||
実用感度 | 250μV/m、30μV | ||||
選択度 | 55dB | ||||
イメージ妨害比 | 45dB | ||||
IF妨害比 | 40dB | ||||
消費電力 | 7W | ||||
サイズ | 幅430×高さ53×奥行300mm | ||||
重量 | 3.2kg |
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