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Technics・テクニクス SB-M20

1995年 ペア44,000円


Technics SB-M20は1995年2月に発売された、バスレフ方式のブックシェルフ型の2ウェイスピーカーです。長岡鉄男で有名なFMファンの「ダイナミック大賞」で、優秀推薦機に選ばれています。
ライバル機としては、ONKYO D-102A(20,000円・1本)やダイヤトーンDS-B1(ペア 44,000円)、JBL J820M(ペア 44,000円)、BOSE 214(ペア 45,000円)、モダンショート MS10i(20,000円)などがありました。

SB-M20はウーファーに複合マイカ、トゥイーターにはピュアマイカと、マイカ(雲母)を素材とした振動板を搭載したスピーカーです。
テクニクスは1970年代末にハニカム構造の平面ユニットを開発し、スピーカーに搭載して一世を風靡しました。それに代わる振動板として、1980年代後半に開発されたのがマイカ振動板で、テクニクスの主力ユニットとして多くのスピーカーに搭載されました。

マイカは軽量でありながら、アルミの約3倍の剛性があり、チタンよりも大きな比弾性率を持ち、そして高い内部損失を持っています。また高剛性な素材にありがちな固有の鳴きが無いという特徴を持っています。

キャビネット(エンクロージャー)はMDF製で、他社の16cmクラスのスピーカーのサイズがあります。
ユニットは台湾製ですが、スピーカー自体の生産は日本で行われています。


※その後、マイカを使用した振動板は、SONYがマイカの粉末を発泡セル状に成型し、パルプや合成繊維を配合したMRC(発泡マイカ)振動板を開発しました。現在もSS-HW1やSS-HA1などに搭載するなど、SONYのスピーカーの主力振動板のひとつになっています。



(音質について)
音はかためのサウンドで、当時の国産のスピーカーに多かった解像度志向。いわゆる「抜け」はとても良いです。ヨーロッパのスピーカーの音が好きな人は、トゥイーターの音の違い(ヨーロッパはアルミトゥイーターが多い)や、解像度重視でゆったりと音楽を聴かせる方向では無いなど、好き嫌いが出るかもしれません。

高音はマイカ振動板のせいか少しキャラクタがあります。低音はフロア・スピーカーと比べると物足りませんが、このクラスとしは豊なほうです。低音の締まりは良好。音場は奥行きはまずまずでが、横方向への広がりは良いです。定位はふつう。
キャビネットは1クラス上のONKYO D-202Aとほぼ同じサイズ。そのせいか音の出方には余裕があります。

価格がペアで44,000円ということで、ロックやJPOP向きの音に振ってあるのかと思ったら大間違い。ジャズ向きのサウンドで、ONKYO D-102AXと比べてもサックスやシンバルの音の出方がまるで違います。そしてクラッシックにも十分使えます。やや苦手なのはボーカルやロックで、ジャズに比べるとちょっとバランスが悪いです。

総合的に見てもONKYO D-102AXよりも、SB-M20の方が音が良くて1ランク上の音という感じ。ダテにダイナミック大賞の優秀推薦機をとっている訳ではありませんでした。

オークションや中古ショップでは、人気が無いので安値安定のスピーカーですが、スピーカー自体は、キッチリとした造りで仕上げも良いです。キャビネットのサイズはウーファーの口径に対して余裕があり、重さも6.1kgとそこそこあるので、きちんとしたポリシーによって設計されていると思います。そして音も4万円台のスピーカーとは思えない「ハッとする部分」もあり、ポテンシャルを秘めていることを感じさせてくれます。


(スピーカーのエージングについて)

振動板はマイカを特殊加工した物のせいか、しばらく使用しないと硬化してしまうようで、ボヤけた音になってしまいます。この場合、音を鳴らして数時間エージングしてやると、元の音に戻ります。


(セッティングについて)
リヤのバスレフポートからの背圧がけっこうあるので、これをどうコントロールするかがポイント。それによって音は大きくかわってきます。
壁面の材質にもよりますが、壁面までの距離が近すぎると、音のバランスが悪くなり、高音がマスキングされたり、解像度が悪くなります。逆に離し過ぎると音がデッドになったり、音場が平面的になったりします。

セッティングは、バスレフポートをスポンジなどで調整しながら、トライ&エラーで最適なポジションを探すほかありません。(スポンジは付属してないので自分で用意)

もうひとつのボイントは、ドームトゥイーターにも関わらず、トゥイーターの指向性が高いので、スピーカーを内振りにする場合などは、角度合わせが重要になります。

2.5cmドーム・トゥイーター

2.5cmのピュアマイカ振動板は、良質の天然マイカを200μmに微細化し、少量のバインダーと共に加熱硬化させたものです。
ユニットは「25KH328A6」(4Ω)で製造は台湾。たぶんプレートなどが違うだけで、本体はSB-M300の「
25KH327A6」と同じ物だと思います。

14cmコーン・ウーファー

振動板は複合マイカで、天然マイカを主成分に、天然パルプと自己融着性のノボラック繊維を混抄しています。それを熱硬化性樹脂を含ませた後に、精密金型で加熱加圧成型するという方法で製造されています。
ショートボイスコイルを用いたリニア磁気回路を搭載しており、防磁設計となっています。

ユニットは「12PL335A6」(5Ω)で、これもSB-M300のユニット「12PL336A6」と同系統かもしれません。

ネットワーク

コンデンサは松下電器(現パナソニック)製

リヤ・バスレフポート

バスレフポートはトゥイーター・ユニットの後ろにあります。ポート・ダクトともに樹脂製で口径は約5cmでポート長は約10cm。

「エアロストリームポート」と名付けられており、バスレスポートの出口にラウンドしたフランジを設け、空気の流れをコントロールして、風切り音などによる音像定位の乱れ抑えて、豊かな低音を再現するというものです。

キャビネット

MDF製で補強材代わりにウーファー部分の切り抜きが天板に貼り付けてあります。
フロントバッフルの厚みは24mm。リアは16mmで天板・底板・側板はそれぞれ19mm。

吸音材は底板部分だけに貼られています。

入力端子はバナナプラグ対応


Technics SB-M20のスペック

トゥイーター 2.5cm ハードドーム
ウーファー 14cm コーン
出力音圧レベル 87d8
周波数特性 55Hz〜45kHz
クロスオーバー周波数 2.5kHz
許容入力 40W
最大許容入力 80W
インピーダンス
サイズ 幅200×高さ324×奥行247mm
重量 6.1kg













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