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Pioneer PD-M720 |
1989年 定価69,800円 |
パイオニアのPD-M720は1989年5月に発売されたCDプレーヤーです。マガジン式のCDチェンジャー機能を備えており、6枚連続でCDを再生(6連奏)できます。 パイオニアは1985年11月にマガジン式のCDチェンジャーを備えたPD-M6(89,800円)を発売し大きな話題となります。これに対抗し翌1986年にはSONYが10連奏タイプのCDP-C10(110,000円)を、Victorは6連奏タイプのXL-M700(89,800円)を発売します。 なかでもCDP-C10のマガジンはSONYのカーオーディオ(当時はカーステレオと呼ばれていました)用のCDプレイヤーと共用となっていました。 パイオニアも1987年に「カロッツェリア」のカーCDプレーヤー「CDX-M100」で、PD-M6などと同じマガジンを使えるようにします。 PD-M720は1988年に発売されたPD-M700(79,800円)の後継機で、メモリー機能を大幅に強化しながら価格は1万円の値下げとなりました。 D/Aコンバータはバーブラウンの18bitDAC「PCM58P」を左右独立で搭載。MSBによる誤差を減少させるエンベロープD/Aコンバーターとしています。 デジタルフィルターは8倍オーバーサンプリングとし、ローパスフィルターの終段にA級動作のFETバッファを使用しています。 電源部はバイファイラ巻きの電源トランスを採用した4系統の独立電源回路としています。シャーシには、パイオニア独自のハニカムシャーシを採用しています。 フログラム機能はチェンジャーに収められた6枚のCDの全曲ランダムプレイ、プログラムランダムプレイに加え、デリートランダムプレイなどが可能で、PD-M720では大容量メモリーの搭載により20マガジンまでメモリーが可能でした。またメモリーバックアップ機能によって、電源を切ってもプログラムの内容を保持することが可能です。 CDを再生するメカは素早いCDのチェンジを可能とするために、普通のCDプレーヤーと反対の下向きに取り付けられています。したがってCDのディスクも記録面を上にして置く形となります。実はこの再生メカの基本構造は翌1990年に登場するPD-T07/05に搭載された「CDターンテーブル方式」のメカとほとんど同じです。 ただチェンジャーのほうは機能性やスピードを優先したため、メカ部分の防振対策がほとんどされていません。これは音質面では大きなマイナスでしたが、パイオニアの開発者も当然わかっており、チェンジャーの再生メカを音質最優先に見直したのが、「CDターンテーブル方式」のメカといっても過言ではありません。 (音質について) 69,800円という価格ですが残念ながら音はエントリークラスのレベルです。しかもPanasonic PS-700など音の良いエントリーモデルには負けてしまいます。 オーディオ雑誌ふうに良くいえば「明るく軽快なサウンド」ということになりますが、ともかく音が軽いです。特に中低音に厚みがないのが致命的という感じ。18bitDACを左右独立で搭載している割には解像度も物足りません。 解像度が悪いのはメカの可動部が多いのに防振が弱く、さらにシャーシの剛性が低いのが原因だと思います。中低音の問題はたぶん電力供給の問題で、独立電源にしているとはいえ、複雑なチェンジャーメカや大量のメモリーができるプログラム機能に電力をさかざるを得ない中、DACやオーディオ回路へは余裕を持った供給ができていないのではないかと思います。 このプレーヤーの「売り」はチェンジャーシステムと大容量のメモリーを備えたプログラムであり、あくまでも機能性重視のCDプレーヤーなので、音質的にはしかたないかなと思います。 |
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(フロントパネル) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
デザインは見直しが行われディスプレィが大きくなるなど、前作のPD-M700からは大きく変わりました。 |
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(内部について) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シャーシは1.3mm厚の鋼板製で底板の部分がハニカム状にプレスされた「ハニカムシャーシー」となっています。天板とリアパネルの鋼板は0.9mm厚。ただ強度の無い物が使われており、指で押すと簡単にたわんでしまいます。インシュレーターは樹脂製で直径は5cm。アルミの化粧リングが付いています。 内部は左側がメカでその後ろに電源トランス。右側はメイン基板で手前側がサーボやシステム・コントロールなどのデジタル回路。奥の左側が電源回路。右側がオーディオ回路となっています。 |
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(電源回路) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電源トランスはこの頃パイオニアが力を入れていたバイファイラ巻のトランスで、+と−のコードを並行にしてコアに巻いています。出力電圧の平衡度の向上や浮遊容量の低減に効果があるとされていました。 メカ・デジタル回路とディスプレィ、オーディオ回路、D/Aコンバーターと4系統の別巻線とし、電源回路も4系統の独立電源となっています。 電解コンデンサは松下電器やELNA、日本ケミコンの物が使われています。 |
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(デジタル回路 サーボ・信号処理・システム) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サーボ回路はアナログサーボでSONY製のサーボコントロール用IC「CXA1082」、信号処理にはSONY製の「CXD11350」が使われています。 普通のCDプレーヤーと違いPD-M720ではCD6枚入りのチェンジャー20個分のプログラムとメモリーを行うということで、システムコントロール回路は重装備。日立製の8bitマイコンに加えて、プログラマブル・インターフェイスと、256KのEPROMに64KのスタティックRAMをなど搭載しています。 |
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(DAC・オーディオ回路) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
デジタルフィルターはNPC製の8倍オーバーサンプリングの「SM5813AP」を使用しています。 D/Aコンバーターはバーブラウン製の18bitDAC「PCM58P」が左右独立であります。これをリニアエンベロープ手法によるMSBの調整をして「ツインリニアエンベロープD/Aコンバーター」と名づけていました。 ローパスフィルターは終段を、A級動作のFETバッファとして歪を抑えています。 オペアンプはJRC 5532DDを使用。コンデンサはここも松下電器やELNA、日本ケミコンなどのメーカーが混在しており、少しですがスチロールコンデンサやオーディオグレードも使われています。 |
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(チェンジャー メカ) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
チェンジャーメカは大きなボックスとなっていますが、前がマガジンの格納部で、その後ろにCDを再生するためのメカがあります。 CDを再生する手順は、まずマガジンを手で挿入(排出はEJECTメカで行われる)し、曲を選択するとそのCDがある位置まで再生メカが上下に移動します。次にローディングメカがマガジンの中のトレイからCDを取り出し、再生メカのターンテーブルへとセットします。次にスピンドルモーターとピックアップが降りてきて、CDをクランプし回転・再生がスタートします。 特徴的なのはスピンドルモーターやピックアップが下向きについていることで、このためCDを反対にして置く必要があります。つまり再生メカの仕組みはPD-T07/05などCDターンテーブル方式と基本的には同じものです。 ただチェンジャーシステムでは再生メカが頻繁に上下するため、メカに防振対策を施し重量が増加すると負担がかかり故障の原因となります。またCDをチェンジするのにも時間をかけられないため、素早い動作も求められました。つまり再生メカは軽いほうが都合が良いということになります。そのため防振対策はピックアップのフローティングなど最低限のものしかされていません。 いっぽうCDターンテーブル方式では防振対策のためにメカベースや剛性の高いフレームなどを採用し、ターンテーブルもCDのサイズまで拡大し、慣性質量を与えて回転時のディスクの安定性を高めるとともに振動を抑えています。 言いかえれば、機能や動作スピード優先のチェンジャーシステムのメカを、音質を最優先事項として、その弱点を取り除いていって完成したのがCDターンテーブル方式のメカとも言えます。 ピックアップは3ビームで自社製の「PWY-1009」。スライド機構はギヤ式です。 |
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(出力端子・リモコン) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出力端子はアナログの固定出力が1系統。デジタル出力は同軸と光が各1系統です。端子の上にはデジタル出力のON/OFFスイッチがあります。その他にはシンクロ端子があります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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周波数特性 | 2Hz〜20kHz ±0.5dB |
全高調波歪率 | 0.003%以下 |
ダイナミックレンジ | 97dB以上 |
S/N比 | 110dB以上 |
チャンネル セパレーション |
105dB以上 |
消費電力 | 13W |
サイズ | 幅420×高さ109×奥行332mm |
重量 | 5.5kg |
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