TOP > PCオーディオ > Lepai LP-2020A+


Lepai LP-2020A+

 実売1,500円〜2,000円

Lepai LP-2020A+は、中国のBukang Technology社のデジタルアンプです。「Lepai」は社名ではなく、ブランド名ですが、 2013年から中国での商標の問題で、LepaiからLepyに現在切り替えが行われています。カラーはケース部分の色の違いでブラックとシルバーがありました。

Lepai LP-2020A+は心臓部となるデジタルアンプICに、Tripath(トライパス)社の「TA2020-020」を搭載しています。TA2020-020はAB級アンプのオーディオ特性とD級アンプの電力効率を持つアンプとして開発され、多くの中国製デジタルアンプや自作用のキット、パーツとして販売されました。

チップ自体の評価は非常に高いですが、LP-2020A+の製品としての出来は今ひとつ。価格が安い分、使っているパーツが良くないのも事実です。パーツと製造レベルの個体差が激しいのは輸入元も認めており、ショップ側で特性にバラツキがあり、信頼性が劣る中国製のコンデンサなどのパーツを、音の良い日本製に交換して販売したり、自分で交換している人も多いのが実情です。


※「Lepai」のブランド名は中国国内での商標の問題で、2013年から「Lepy」に切り替えが行われているため、製造時期によって名前が違います。これを一部の輸入業者が、LP-2020A+の偽物商品「Lvpin LP-2020A+」を売るために、、Lepaiはメーカー側の事情により閉鎖、全営業を停止し新規一転 Lvpin社として再出発したなどと、ウソの情報を流して、amazonなどで販売を行い問題となっています。



(音質について)
TA2020-020は高音質のデジタルアンプICですが、それを搭載しているからといって、全部のデジタルアンプが音が良い訳ではありません。それほど世の中は甘くないです。

ネット上のレビューでは判を押したように「クリア」という言葉が並びますが、スバリ言ってしまえば、それほどクリアな音ではありません。こういうレビューはその人がどれだけ「クリア」な音を聴いたことがあるかという、いわば経験値で決まってしまうため、しょうがありません。

確かにパソコン自体の出力端子からアクティブスピーカーにつなげたよりは、音はクリアになりますが、良くてミニコンポかピュアオーディオの初級機レベルです。

全体的には音が軽いです。高音は伸びは無いですし、解像度が悪いので細いところは出ません。低音は締まりが無くてブーミーです。
スペックで音の善し悪しが決まる訳ではありませんが、S/N比はチップレベルで99dBもあるのに、それが製品となると80dBしかないですし、高調波歪率にいたっては0.4%と1ケタ悪いです。これはやはり回路の設計や他のパーツにちょっと問題があるとしか言えません。

ただ、何といっても価格は2000円以下。コストパフォーマンスとなると圧倒的といえるかもしれません。



もともとTA2020-020を搭載して音が良いと評価を得ていたのは、ラステームやS.M.S.L、TOPPING製のデジタルアンプです。これらが入手できていた時はLP-2020A+は、音質の面ではほとんど注目されておらず、これらのユーザーからすると「TA2020-020を積んでいるからといって、いっしょにするな」という感じでした。

ところがラステームは倒産、S.M.S.L SA−36AはTA2020-020の入手が困難になってきたため、PROと名前を変えてチップを変更。結局、TA2020-020搭載で価格を含めて入手しやすいアンプは、LP-2020A+だけとなってしまいました。

またラステームやS.M.S.L製のTA2020-020搭載アンプは、オークションに出てくる玉が少なく価格も高いため、消去法的にLepai LP-2020A+が「売れた」というのもあるかもしれません。ただそのTA-2020-020も在庫が尽き、Lepy(Lepai)は後継機としてTA-2024を搭載したLP-2024A+を発売しています。

このLepai LP-2020A+を輸入・販売しているNFJ自身が、「Lepaiブランドは中華アンプの代名詞的ブランドで決して品質がよいというわけではございません。」とか「あえて申しあげますが、過大な期待は禁物です。」とブログで書いているとおり、ネットでの評価はちょっと過大になりすぎているのかもしれません。

ただ、このようなことは伝説的なチップには良くある傾向で、1980年代のフィリップス製DAC「TDA1541」や、1990年代のバーブラウン製DAC「PCM1704」を搭載したCDプレーヤーなどでも見られました。



(フロントパネルとリアパネル)
安いデジタルアンプでもフロントパネルには厚めのアルミ材を使用しているものが多いですが、Lepai LP-2020A+はフロント、リアともに薄いアルミ板です。

小型のデジアンとしては珍しくトーン回路があるため、TREBLE、BASSのつまみがあります。またフロント側にメインスイッチがあるのは便利です。

リアパネルのRCA端子は金メッキされていませんが、価格的には仕方のないところ。スピーカー端子はワンタッチ式で太いケーブルは入りません。

電源アダプタは12V・2Aが推奨。センタープラスです。

フロントパネル リアパネル
左からメインスイッチ、トーンコントロールのON/OFFスイッチ、TREBLE、BASS、ボリューム RCA入力端子、MP3(ミニプラグ)入力端子、スピーカー端子、DC IN


(ケースや内部について)
ケース本体はアルミ製のBOX構造で、基板はスライドさせて差し込み、フロントとリアパネルを使って固定する方式です。Lepai LP-2020A+に限らず、中国製のデジタルアンプではよく見られる構造です。

ケースは強度の向上と振動防止のために天板から側面にかけてリブが入っています。フロントとリアパネルはアルミ製ですが薄板が使われています(初期のモデルは鉄製)。底面にはゴム足などは付いていません。

手で持つと本当に軽いです。小型のデジタルアンプでも、多少の重さがあったほうが、外部振動による基板への影響を低減できるので音質には有利です。Lepai LP-2020A+は振動には不利ですが、オールアルミのケースは非磁性体なので、この面では音質的に有利です。

価格からすれば「頑張っている」ケースで、TA2020-020だけでなく、このケースのことを褒めてやってほしいという感じがします。

ケース本体 ケースとメイン基板


(内部について)
Lepai LP-2020A+はメーカーにより何度が回路の変更が行われており、製造時期により基板の色も変わっています。また日本のNFJにより、パーツを変更した特別仕様モデルも生産されています。

このモデルは2012年頃に買った物で、ケースや基板のロゴは「Lepai」のままです。最後期のモデルと違ってIC用の平滑コンデンサが1個、スピーカーリレーはOMRON製が使われています。

メイン基板


(プリ部)
ボリュームは音質への影響がとても大きいのですが、使われているのは残念ながら音の悪い安物のボリュームです。LP-2020A+に使われているのは確かにBカーブのボリュームですが、AカーブかBカーブかは抵抗値の変化が指数か直線変化かの問題であり、音質の劣化が少ないかどうかとはまた別の問題です。

デジタルアンプでは最終的にはICの中で演算処理により、音量の調整をしますが、このプリ部においては、アナログ信号がボリューム内を通過し、ここで音質が劣化してしまうため、ICの中では劣化した音を増幅することになってしまいます。

パーツ交換をする場合はオーディオ用のボリュームが望ましいですが、標準品のAカーブのボリュームより3倍ぐらい高いです。(パーツショップによっては普通のAカーブのボリュームを、オーディオ用と称して売っているところもあるので注意)


左がメインボリューム
右の2つがトーン回路用のボリューム
オペアンプ


(パワー部)
回路としてはデジタルアンプICのTripath TA2020-020とローパスフィルター、リレー回路からなっています。

TA2020-020はもともとDVDプレーヤーやミニコンポ、テレビ、パソコンなどの内蔵アンプ用のDクラスアンプとして開発されたデジタルアンプICです。

TriPath社独自のDPP(DIGITAL POWER PROCESSING)技術を搭載しており、AB級アンプのオーディオ特性とD級アンプの電力効率を持っています。
定格出力はチャネルあたり20W・4Ω(最大出力は25W)で、ダイナミックレンジは 99dB。高調波歪率は0.03%(10W・4Ω)、S/N比は99dBという性能を持っています。デジタルアンプの特徴は高い電源効率ですが、12W・8Ωで88%となっています。

TA2020-020には過電流や過温度保護回路が内蔵されており、ターンオン&ターンオフポップ抑制回路が搭載されています。
Lepai LP-2020A+では、特に電源OFF時に大きなポップノイズが発生する問題がありますが、ターンオン&ターンオフポップ抑制機能は、チップ内のパワーMOSFETのターンオンとターンオフ遅延時間に対応する回路のため、この問題には対応※できません。パッケージは32ピンSSIP。


TA2020-020はアナログ信号を、A/D変換(デルタシグマ変調)で1bit信号にし、PWM(Pulse Width Modulation・パルス幅変調)を行って増幅します。内部的には積分器と量子化器を使用して、アナログ信号を1bit信号(パルス)に変換。この時に量子化ノイズが発生するので、他のデジタルアンプ同様にノイズシェイパーを使って量子化ノイズを高域に移動さているかと思います。

増幅した信号には高周波のノイズ成分が含まれているため、ローパスフィルターを通してノイズ成分をカットしてスピーカーに出力します。


デジタルアンプICの中にあるスイッチング回路では、1秒間に数十万回という高速なスイッチング処理が行われます。単純に動作するかどうかという観点から見れば、チップに3Vや5.5Vの電源を供給してやれば良いのですが、スイッチング回路ではごく小さな電圧の変動でも歪みやノイズが発生し、これが音質の悪化となります。そのためデジタルアンプでは電源の安定化が音質の重要なファクターとなります。
またアナログ信号をA/D変換する際に、変換精度を高めるためにも電源の安定化は必要といわれています。

TA2020-020のデータシートでも安定した電源が推奨されていますが、電源部は何分にもコストがかかるので、中国製のデジタルアンプでは12V程度のACアダプタから給電し、内部のコンデンサも本数が少ないというのが一般的。

Lepai LP-2020A+でもスイッチング回路用のコンデンサは、63V・12000μFが1本のみとなっています。そのあたりの影響からかS/N比はチップレベルでは99dBありますが、製品自体としては80dBになっています。


※NFJのブログによると電源ON時のポップ音は、リレーを動作させる時間が短いために発生しており、電源OFF時のポップ音は、プリ部のオペアンプがTA2020-020よりも先に落ちるために、ここで発生したポップ音がTA2020-020で増幅されて大きな音になるそうです。


Tripath TA2020-020 ローパスフィルター

ローパスフィルターと
オムロン製のパワーリレー
平滑コンデンサ



Lepai LP-2020A+のスペック

定格出力 20W+20W
周波数特性 20Hz〜20kHz
高調波歪率 0.4%以下
S/N比 80dB以上
スピーカーインピーダンス 4Ω〜8Ω
電源(ACアダプタ) DC10〜14V 2A センタープラス
サイズ 幅140×高さ40×奥行110mm
重量 300g













Lepai LP-2020A+のレビュー  B級オーディオ・ファン