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FX-AUDIO- FX-502J

価格 4,480円





FX-AUDIO- FX-502Jは2017年12月28日に発売されたデジタルアンプです。

FX-AUDIOには「502」の型番が付いたモデルが複数あり、搭載しているデジタルアンプICや回路が違うので、間違えないようにする必要があります。

FX502J-S(TPA3250搭載) 7,980円 2018年6月発売
FX-502J PRO(TDA7498搭載) 5,980円 2018年7月発売


FX-502JはデジタルアンプICにTI製の「TPA3116」を搭載しています。このICはサウンドバー、カーオーディオ、ポータブルのオーディオ・ドック、液晶テレビ向けに開発されたICです。つまりオーディオ専用ではなく、汎用タイプのデジタルアンプICです。

IC自体の価格が安いうえに、フィルターレスで使用できるために、ローパスフィルター用のパーツが不要となるため、製造コストを安くできるというのが特徴。

とはいえ、音質を全く考慮しなければフィルターレスで使用できますが、FX-502Jでは音質に考慮して、ローパスフィルター(LCフィルター)を装備しています。


デジタルアンプICは電圧の変動に弱く、電圧の乱れは音質にも影響します。そのため安定した電源が必要になります。

小型のデジタルアンプの場合、ACアダプタ(スイッチング電源)が良く使われますが、回路が簡易なため、脈流を平滑に出来てもリップルが残ってしまいます。

どうもTPA3116は、電圧変動やノイズなどに弱いようで、電源回路を強力にしないと良い音が出ないようです。
ということでFX-502Jは上級機のFX502J-Sよりも、強力な電源回路を備えています。


デカップリングコンデンサには、ニチコン HDの35V・1800μFを使用して、低インピーダンス化、ノイズの低減を図っています。

電圧変動の対策としては、このデカップリングコンデンサに加えて、デジタルアンプICの周囲に、4本のバルクコンデンサ(日本ケミコンのオーディオグレード・コンデンサ「KY」 330μF)を配置して、電源を安定化させて音質の向上をはかっています。



入力部は、カップリングコンデンサにTDK EPCOS製のフィルムコンデンサを使用。バッファ用のオペアンプはTI製の「NE5532」で、ソケット式のため自分でオペアンプを交換できます。電解コンデンサはELNA製です。

デジタルアンプの「かなめ」のひとつ、ローパスフィルター(LCフィルタ)には、TDK製 パワーインダクタと、Panasonicの積層メタライズドPPSフィルムコンデンサ「ECHU」、出力カップリングコンデンサはKEMET SMRを使用しています。

電源部にはレギュレータ「78M05」や上記のデカップリングコンデンサ以外にも、ニチコンの電解コンデンサ「HV」 220μFが使われています。

ポップノイズ対策として、MCUで制御する防止回路を装備しています。

ACアダプタは別売で、電源はDC 12V~24V、電源容量2A以上が推奨となっています。



(音質について)
FX-502Jの音は硬めで、解像度が高くレンジも広いです。細かい音もけっこう再生できます。基本的には中音域がメインですが、高音も伸びますし、低音も締まっています。

少しメリハリが強めですが、これはこれで良いと思います。DAC-SQ5Jと組み合わせるとDENONのサウンドに近い感じになります。

音楽のジャンルはオールラウンドに使えますが、ジャズ・ロック・JPOP・アニソンなどに向いています。


同じFX-AUDIO- FX-1002Jは、ピュアオーディオのレベルに近い高性能機ですが、USB-DACとの相性が出やすい部分があります。
その点、FX-502JはいろいろなDACとの相性もよく、使いやすいアンプといえます。

FX-98EはFX-502Jと違って柔らかめの音の仕上げられています。FX-98Eのほうが価格が少し高いですが、解像度やレンジの広さなどはFX-502Jのほうが上です。

S.M.S.L.のSA-36APROと比べても音質は上で、その上級機として販売されていたSA-50をも上回っています。

TPA3116搭載アンプとしては、Breeze Audioのデジタルアンプ「TPA3116」を先に聴いていたので、FX-502Jの音にはビックリしました。

Breeze Audioと比べると、音のキレや躍動感がまるで違います。音がクリアで解像度もあり、昔からよく使われる表現だと「ベールを1枚とったような感じ」です。

TPA3116搭載のアンプは、ICが安いこともあって、内容的にはエントリークラスのアンプが多く、音が良いアンプが少ないです。そういう中ではFX-502Jは優秀機だと思います。






(フロントパネルとリアパネル・ケース)
フロントパネルは6mm厚のアルミ材で、カラーはシルバーとブラックがあり、パネルもケースもヘアライン仕上げです。

S.M.S.L. SA-36A PROと比べると奥行はほぼ同じで、高さはSA-36A PROが少し高く、幅はFX202A/FX-36A PROが少し広いです。

パネルには電源スイッチとボリュームのツマミがある一般的なデザイン。電源を入れると、スイッチの下の赤いパイロットランプとボリュームの周りが青く光ります。

リアパネルのRCA端子は金メッキがされています。スピーカー端子はこのクラスのデジタルアンプとしては、標準的なものですが端子としては安物の部類になります。

スピーカーケーブルを通す穴が小さいので、細いケーブルしか使えません。また端子の間隔が狭いので取り付け作業がやりにくいです。実質的にはバナナプラグ専用と考えたほうがよいです。

DCインは12V~24Vでセンタープラスです。

フロントパネル リアパネル

アンダーパネル



(TPA3116について)
デジタルアンプICのTI製「TPA3116」は、2012年に登場したICで、フィードバックパワーステージアーキテクチャを搭載し、EMI対策としてAM干渉回避機能を備え、過電圧・低電圧・過熱・DC検出などの自己保護回路を内蔵しいます。
電力効率は90%で出力は50Wx2(4Ω)。

このICの特徴はまず電圧が4.5V~26Vと広いこと。そしてフィルターレスで使用できることです。つまりオーディオ専用ではなく、汎用タイプのデジタルアンプICです。

メーカーのプレスリリースでもサウンドバー、カーオーディオ、ポータブルのオーディオ・ドック、液晶テレビ向けと書かれています。

TIの出荷価格は1.2ドル(1000個)ですから、大量に注文するメーカーであれば、日本円で100円ぐらいになるんじゃないかと思います。どちらにしても安いデジタルアンプICです。

TPA3116D2のS/N比は102dBですが、高調波歪率は0.1%とかなり悪いです。データシートの特性グラフを見ても、10kHzから典型的なハイ落ちなるなど、この手のデジタルアンプに使われるICとしては性能が悪いです。


でもICの特性だけで音の良し悪しが決まらないのが、デジタルアンプの面白いところ。電源の余裕度やコンデンサなどのパーツの影響も大きいです。

現在の中国は製造コストが年々上昇しており、昔のモデルや3年前の下級機のほうが、良いパーツを使っていたなどということが、ざらにあります。

TP3116よりもケタ違いにノイズが少なく、価格も高いTPA3250を搭載しているFX502J-Sも、中低音部はFX-502Jのほうが音が良いです。


基板

デジタルアンプICと
バルクコンデンサ
TDK EPCOS
フィルムコンデンサ

デカップリングコンデンサ
ニチコン 35v・1800μF
オペアンプ
TI NE5532

ローパスフィルター

TDK製 パワーインダクタと、
KEMET SMR

Panasonic
積層メタライズドPPS
フィルムコンデンサECHU

MCU


FX-AUDIO- FX-502Jのスペック

最大出力 50W+50W
高調波歪率
S/N比
スピーカー
インピーダンス
4Ω~16Ω
電源(ACアダプタ) 12V~24V センタープラス
サイズ 幅97mm×高さ33mm×奥行123mm
重量 357g





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