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CDプレーヤーでCDが音飛びする 故障の原因と修理




原因を大きく分けると、ひとつはキズや汚れなどCD自体(ディスク)の問題。もうひとつはCDプレーヤー側のトラブルです。

CDを10枚ぐらいかけて1、2枚しか音とびが発生しないのであれば、CD自体の問題といえますし、それ以上の枚数であれば、CDプレーヤーの問題ともいえます。

ただCDプレーヤーが古くなったり、調子が少し悪くなったりすると、今までディスクに問題があっても再生できていたものが、急に音飛びし始める場合もあります。つまり2つの原因が重なって発生してしまう訳です。

CD自体の問題

(原因)
CDは普段ケースに入っているので汚れないように思いますが、これが大間違い。
CDのケース(通称 ジュエルケース)には、規格により上下4ヶ所の穴が空いており、ここからホコリが侵入します。

音楽信号(データ)はCDに「ピット」という形で記録されています。1つのピットの大きさは1ミクロン(1/1000ミリ)以下のため、小さなホコリや細いキズでも影響を受けます。
しかし、このままでは使いものにならないので、CDプレーヤーにはエラー訂正という機能が装備してあり、小さなホコリやキズでもキチンと音楽が再生できる仕組みになっています。

それでも汚れの面積が大きかったり、目の見えないような細いキズでも深い場合は音とびが起きます。

また古いCDには「ソリ」が発生する場合があります。これは人の目では判別できないようなものですが、CDの終わりの方だけで音とびが発生する場合は、これが原因の場合があります。

その他には、CDの製造時の問題として、中心部の穴が少しズレてしまう「偏芯」やディスクの肉厚不足などが原因となる場合があります。

(CDのクリーニング)
CDのブックレットにも記載されていますが、基本はメガネ用のクロスなど細かい繊維で出来た布で行います。ただホコリには小さくてもCDの盤面に、キズをつけてしまうようなものもあるので、クリーニングの前にエアダスターやカメラ用のブロアーで、ホコリを吹き飛ばしておくほうが良いです。

それでも古くなると汚れがなかなか落ちなくなるので、クリーニング液の使用がオススメです。
アルコールを使ってのクリーニングは効果てきめんなのですが、CDに使われているポリカーボネートを痛めてしまうのでNG。オーディオテクニカから専用のクリーニング液なども発売されていますが、量のわりには値段が高いです。

ウチではメガネ用のクリーナーを使ってCDをクリーニングしています。価格は安いのですが、どうしても洗浄剤の成分が残ってしまうので、それをキレイにふき取る必要があるのが難点です。


CDプレーヤーのトラブル

CDを読み込まないといったトラブルと共通の原因が多いです。一番多いのはピックアップレンズの汚れです。次に多いのはピックアップのレーザー出力不足やピックアップ自体の寿命ですが、一部のモデルを除くとレーザー出力の調整ボリュームはメカの裏側にあり、配線やメカを取り外すという作業が必要となります。

その他には、テクニクス・パナソニックのCDプレーヤーでは、電解コンデンサの不良というトラブルもあります。

(1) ピックアップレンズの汚れ
(原因)
外部から侵入したホコリや、CD自体についていたホコリが、回転時に内部で飛び散ってしまい、ピックアップレンズが汚れます。

(対策)
綿棒にアルコールなどのクリーニング液をつけて、ピックアップレンズのレンズをクリーニングします。

1.クリーニング液について
ピックアップレンズのレンズの汚れは、ほとんどはマイクロダストが、こびり着いたものかタバコのヤニなどです。そのため綿棒にクリーニング液をつけずに拭いても、汚れが取れないことが多いです。

一番良く使われるのが無水アルコールで薬局で購入できます。他にはカメラ用のレンズクリーナーやメガネ用のレンズクリーナーなども考えられます。

ただし、レンズクリーナーの中には洗浄剤入りのものがあります。これらはレンズを拭いた後でも、界面活性剤などの洗浄剤が残ってしまうので、仕上げにからぶきを入念にする必要があります。※洗浄剤が残っていると音質の劣化につながります。


2.レンズの拭き方
強くこするのはNGです。レンズは正式には「対物レンズ」と呼ばれるもので、その下にアクチュエーターという部品が付いています。アクチュエーターはレーザー光を、CDのピットと呼ばれる穴(ミクロン単位の大きさ)に、正確に当てるために動く精密部品です。

拭き方はレンズを綿棒で撫でるような感じで拭きます。レンズの真ん中から円を描くように外側に向かって拭いていきます。これを3~4回繰り返します。
拭き終わった綿棒が黒や茶色になるほど汚れているのであれば、新しい綿棒にクリーニング液を付けて、クリーニングを繰り返します。

(2) ピックアップの出力不足や寿命
(原因)
CDプレーヤー用のピックアップの寿命は約1万~1万5000時間はあります。
ただし、これはあくまでも目安です。CDプレーヤーをアンプの上に直接置いて使用して、内部が常に高音となっていたり、長い間湿った押入で保管していた場合などは、それよりも寿命が短くなります。

またSACDプレーヤーやユニバーサルプレーヤーのピックアップには、CD用ではなくDVD用のピックアップが使われているものがあります。DVD用のピックアップはCD用より、出力が大きいために寿命が短く、初期のものは5000時間ぐらいのものもあるようです。

寿命が近づいてくると出力が不安定になるので、音とびなどのトラブルが起きやすくなります。ただ場合によっては、ピックアップに付いているレーザーの出力ボリュームの調整で直る場合もあります。

(対策1)
ピックアップのレーザーの出力ボリュームをします。ただしSONY製のピックアップのように、出力ボリュームが調整しやすい場所に付いているものもあれば、ピックアップの裏側に付いているものもあります。裏側に付いている場合は、まずメカを本体から外してやらないと調整できません。

古いCDプレーヤーには出力ボリュームが基板に付いているものもあります。SACDプレーヤーやユニバーサルプレーヤーでは、ピックアップの裏側が多いです。

(対策2)
ピックアップの交換を行います。それにはピックアップの型番を行う必要があります。ネット上では当サイトを含め、機種別にピックアップの型番を公開しているサイトもありますが、製造ロットによって、ピックアップが変更されている場合もあるので、実際にCDプレーヤーに付いている型番を確かめる必要があります。

ピックアップは通販などでも入手できますが、古いCDプレーヤーでは入手できるものは限られます。そのような場合は、同型機や同じピックアップを使用しているモデルなどを入手してピックアップわ移植します。

(3) サーボ回路の調整のズレ
(原因)
1990年代初めまでのCDプレーヤーは、アナログサーボを搭載しています。アナログサーボはピックアップのレーザー出力に応じて、トラッキングやフォーカシングなどの調整を行います。
アナログサーボの搭載機はすでに、発売から20年以上たっているため、ピックアップやサーボ回路などのパーツが劣化しており、これによりゲインやオフセットとという調整値がズレてしまいます。
デジタルサーボの搭載機は、サーボの調整を自動的に行うため、一部のモデルを除いて基本的に調整用のボリュームがありません。

(対策)
サーボ回路にある調整ボリュームで調整します。
デジタルサーボの場合はレーザーの出力調整を行うと、それに連動してサーボの調整を自動的にやりなおすようにできているので、音とびが解決する場合もあります。ただし、逆に症状がさらに悪くなったり、まったく再生できなくなる場合もあるので注意が必要です。

(4) サーボ回路のパーツの不良
(原因)
ディスクの信号をキチンと読みとるために働いているのがサーボ回路です。この回路にあるチップやコンデンサ、抵抗などのパーツの不良により、音とびが発生することがあります。
特にテクニクスやパナソニック製のCDプレーヤーでは、使われたコンデンサの耐久性が悪く、よく起こるようです。

(対策)
テスターを使用して不良となっているパーツやを探しだし、パーツの交換などを行います。



  
ピックアップ サーボ調整用の
ボリューム




自分で修理やメンテナンスを行うのは全て「自己責任」です。うまくいかなかったり、キチンと動作しないことがあっても、当方は一切の責任を負いません。


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