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AKAI GX-R66

      1984年 定価74,800円

AKAI GX-R66は1984年3月に発売されたオートリバースのカセットデッキです。同年のグッドデザイン賞を受賞しています。
ライバル機はSONY TC-FX606R、TC-FX707R、TEAC R-666X、Technics RS-B68R、RS-B78R、Victor DD-VR7など。

当時のAKAIはある意味、オートリバース機が主役で、ラインアップはGX-R99(168,000円)、GX-R88(118,000円)、GX-R66(74,800円)、GX-R55(64,800円)、HX-R44(64,800円)と5機種もありました。GX-R66とGX-R55は姉妹機で、GX-R55はGX-R66からdbxを省略したモデルです。
このうちGX-R66とGX-R55、HX-R44は、「エクセッシブリバース」(Excessive Reverse)と名付けられて宣伝されました。



GX-R66は録再用のツインフィールド・スーパーGXヘッドを使用した、ロータリー方式のオートリバース機で、テープとヘッドの位置に高い精度を得るために、「アキュレイト・リバースヘッドシステム」を採用しています。

メカ部分はBSP(Bi-directional Symmetrical Precision)メカニズムで、往復両方向の走行安定性をはかるために、左右対称化を図ったメカとなっています。メカは2モーターでキャプスタン用には電子制御DCモーター、メカの駆動用にはDCモーターを使用しています。

ノイズリダクションシステムはドルビーB・Cタイプとdbxを搭載しています。dbxは録音時に入力信号のレベルを1/2に圧縮し、再生時にそれを2倍に伸長するシステムで、テープのヒスノイズを30〜40dB低減させる効果とワイドなダイナミックレンジを持っています。他にFMステレオ放送のエアチェック用にMPXフィルターを搭載しています。

テープセレクターはオートのみでノーマル、クローム、メタルの3ポジションに対応しています。

多彩なプログラム機能を持つ「RPPS」(Randam Program Play System)を搭載しており、プログラム選曲やランダム選曲、シーケンシャルイントロプレイ、プログラムイントロプレイなどが可能です。また自動頭出し機能のIPLS(Instant Program Locating System)も搭載しており、再生、早送り、巻戻しと組み合わせて、いろいろなオートプレイが可能です。



(音質について)
音質は1980年代後半の中級機GX-Z5000などと比べると、レンジが狭く平面的な音です。また解像度や高音の伸びなども弱いです。

同じツインフィールド・スーパーGXヘッドを使用しているとはいうものの、GX-R66のヘッドはロータリー式のために小型です。オートリバースのためにワウフラッターも悪いという面もありますが、単にシングルウェイとオートリバースという以上に音質の差はあります。
これはバブル期に登場したGX-Z5000のほうが、内部のパーツも格段に良いパーツを使用しており、このあたりも音質の差になっていると思います。

逆に1980年代前半のモデルは、多彩な機能が「売り」なので、オートリバースの使い勝手とともに楽しむのが良いと思います。



(キャビネット・内部について)
デザインはGX-R55とそっくり。GX-R66とGX-R55の外見の違いは、dbxのスイッチとディスプレィ内のdbxのインジケーターだけです。

一番左には電源ボタン。カセットホルダーの横にはトレイの開閉ボタン。その下はシーリングパネルで、ヘッドフォンとマイクの端子があります。
ディスプレィの下にはカウンターのリセッボタンやノイズリダクションの切替スイッチとMPXフィルターとdbxのON/OFFスイッチ。

ディスプレィの右側はランダムやプログラム選曲などができる「RPPS」の操作スイッチ。その下は「IPLS」やイントロスキャン、ブランクスキップ、リバースモードのボタンやタイマースタンバイのスイッチがあります。

録音レベルの調整は電子ボリュームのため、+-のボタンで行います。ヘッドホンと外部出力レベルは兼用でスライドボリュームです。一番右には再生・早送り・巻き戻し・録音・PAUSEの操作ボタンがあります。

ディスプレィの数字の部分は電子カウンターとプログラム選曲の表示だけで、時間表示はできません。




(シャーシ・内部について)
シャーシ(キャビネット)は鋼板製ですが、リアパネルは磁気歪み対策のために木製となっています。

内部は左側にメカブロックと電源回路。右側のメイン基板は録音・再生、イコライザー、ノイズリダクションなどのオーディオブロックとなっています。右端にあるのがdbx用の基盤です。フロントパネルの裏側にはシステムコントロール用の基板があります。


底板


(電源回路)
トランスは23.1V・14.4VAで、リーケージフラックス(磁束漏れ)対策用に、四方をシールド板で囲ってあります。

電源回路はdbxの広いダイナミックレンジに対応するために、高速トラッキングレギュレーターを使用して±トラッキング制御を行い、アース電位がゼロとなるようにプラス側とマイナス側が連携して動作する「±2電源」方式を採用しています。
系統の独立電源となっています。回路間の相互干渉を防いでいます。

電解コンデンサは日本ケミコン製の「SM」です。

電源ケーブルは細い並行コードです。


電源トランス 電源回路


(システムコントロール回路)
システムコントール基板のマイコンは、AKAIのロゴが入った「T-2055B」です。他には三洋製の6chドライバーアレイ「LM1292」や、入力エクスパンダ「LC7800」などのチップがあります。

システムコントール基板 マイコン T-2055B


(ヘッド・メカ)
オートリバース機構はヘッドが回転するロータリー方式です。

ヘッドの回転システムは、「アキュレイト・リバースヘッドシステム」というもので、テープとヘッドの位置に高い精度を得るため、ヘッドハウジング部に高硬度亜鉛ダイキャストを使用。ヘッドの回転部には耐摩耗性に優れた個体潤滑剤を使っています。
ヘッドの回転を停止させるストッパー部には、耐久性のある高硬度ファインセラミックスを採用しています。

録再用のヘッドはツインフィールド・スーパーGXヘッドを搭載しています。このヘッドは深いバイアス電流に耐える4μの録音専用ヘッドギャップと、高域特性の良い1μの再生専用ヘッドギャップがあり、録再用ながら3ヘッドに匹敵する高い性能を持っています。コイルには純度99.99%の無酸素銅線(OFC)を使用しています。

メカはBSP(Bi-directional Symmetrical Precision)メカニズムと呼ばれるもので、往復両方向の走行を、安定・均一化するために左右対称化を図っています。
キャプスタンはデュアルキャプスタン方式を採用。テープガイドは独立させて、テープ接触面を幅広くとったデュアルワイドガイドシステムです。

モーターはキャプスタン・リール用が電子制御DCモーター。メカ用はDCモーターです。

ヘッド・キャプスタン・ピンチローラー メカ

メカ メカ


(録音・再生回路)
録音・再生回路はDCアンプ構成になっています。ラインアンプはハイスピード化と歪の低減を目指した設計で、ハイスルーレートのローノイズ・オペアンプ「三菱 M5218L」や、FBET(Fold Back Electrode Transistor・折返し電極トランジスタ)などを使用しています。

ドルビーB/C・ノイズリダクション用のチップは日立製「HA12058」です。dbx用基板のチップはNEC製のVCA回路「μPC1252H2」と、三菱製の可変出力電圧レギュレータ「M5230AL」があります。

その他に三菱製のテープ・プログラムセレクタ「M51143AL」や、テープセレクタ「M4418P」などのパーツがあります。

録音・再生回路 ドルビー用IC 日立 HA12058

dbx基板 VCA用IC NEC μPC1252H2

テープセレクタ 三菱 M4418P


入出力端子はライン入力とライン出力(可変)とワイヤード(有線)用のリモコン端子です。リモコンは別売で有線のリモコンユニット(RC-32 6,000円)、ワイヤレスリモコン(RC-92 18,000円)がありました。

 リアパネル


(1984年 Maxell UD2 発売)
UD2は自由気ままに使える高性能なHighポジションカセットというコンセプトで誕生したカセットテープで、キャッチフレーズは「ハイビーム・サウンド」。

磁性体はXLシリーズで使われた「エピタキシャル磁性体」をベースにして、新しく開発された、コストパフォーマンスに優れた「ファイン・エピタキシャル磁性体」です。

この磁性体は高出力とあわせて高域のダイナミックレンジを改善、低ノイズ特性も実現しており、高域での感度は1dBアップ、ノイズは0.5dB低減、中高域のダイナミックレンジは1dB以上拡大しています。

また音像を定位させるPAカセットメカニズム採用しています。。
価格はC-46が480円。C-54が550円、C-60が600円、C-90が900円でした。



AKAI GX-R66のスペック

周波数特性 20Hz〜19kHz ±3dB(メタルテープ)
20Hz〜18kHz ±3dB(クロームテープ)
20Hz〜17kHz ±3dB(ノーマルテープ)
S/N比 56dB(EIAJ)
ドルビーB・・・1kHzで5dB、5kHz以上で10dB改善
ドルビーC・・・500Hzで15dB、1kHz〜10kHzで20dB改善
ダイナミックレンジ 115dB(dbx ON)
高調波ひずみ率 0.55%(メタルテープ)
ワウ・フラッター 0.05%(WRMS・JIS)
0.07%(W.Peak・EIAJ)
消費電力 17W
サイズ 幅440×高さ105×奥行288mm
重量 5kg











AKAI GX-R66  B級オーディオ・ファン