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TANNOY EYRIS 3

   2002年 1本 140,000円(税抜)


タンノイの「EYRIS(アイリス)3」は、2002年2月に発売されたフロアタイプのスピーカーです。

EYRISシリーズは、ヨーロッパのスピーカーでよくある、ステレオ再生だけでなく、スピーカーを組み合わせることで、マルチチャンネルや、ホームシアターにも対応したシリーズ構成になっていました。

ラインアップは以下のとおりで、このうち「EYRIS 3」「EYRIS R」「EYRIS C」は受注生産となっていました。

EYRIS 1 ブックシェルフタイプの2WAYスピーカー 147,000円(ペア)
EYRIS 2 フロアタイプの3WAYスピーカー 120,000円(1台)
EYRIS 3 フロアタイプの3WAYスピーカー 140,000円(1台)
EYRIS R リア用の2WAYスピーカー 120,000円(ペア)
EYRIS C センタースピーカー 120,000円(1台)

製品的にはディメンション・シリーズ(2001年発売のDimension 8、Dimension 10)の、弟分といったところで、「ワイドバンド」「ハイスピード」「音響空間情報再生を具現化する」というコンセプトに基づき開発されました。

ただディメンション・シリーズと大きく違うのは、デュアル・コンセントリック(同軸)を使用していないことです。
トゥイーターは金属製のハウジングケースに入れられ、エンクロージャーの一番上にマウントされています。つまり同軸ユニットの使用は最初から考慮されずに設計された訳です。

「EYRIS 2」と「EYRIS 3」の違いは、ミッドレンジとウーファーのサイズが、6インチから7インチ(175mm)に拡大されていることで、これに伴いエンクロージャーもサイズアップし、容積も21Lから29Lへと拡大されています。仕上げはアメリカンウォールナット突き板仕上げです。



トールボーイタイプのスピーカーというと、日本ではいまだにホームシアター用と誤解している人もいますが、これは販売店側のなりふりかまわない売り方や、一部のオーディオ雑誌の稚拙な記事による影響があると思います。

日本よりも家や部屋が広い欧米でも、専用のオーディオルームが無ければリビングにオーディオセットが置かれるということは普通のことで、細身のトールボーイは重宝な存在となります。

また当時のヨーロッパでは、マルチチャンネル再生も人気があり、日本よりもSACDやDVDオーディオの、マルチチャンネル対応のソフトが数多く発売されています。

これらへの対応のためB&WやKEFなどの、主要なメーカーは、フロントの2チャンネルのスピーカーに加えて、サラウンド(リヤ用)やセンタースピーカー、サブウーファー(スーパーウーファー)といった、スピーカーをシリーズとして加えて、マルチチャンネル用のラインアップをしている訳です。


EYRISシリーズの輸入代理店であるTEACも、プレスリリースなどでは、ホームシアターの5.1チャンネル・システムとしての、使い方をアピールしていました。

ところがEYRISシリーズには、サブウーファーはラインアップされていません。またセンターとリヤ用スピーカーは、ニーズが低いということで受注生産となっていました。

つまり、EYRIS1〜3の2チャンネルスピーカーが、メインのシリーズにも関わらず、日本ではTEACの「大人の事情」で、ホームシアター用という売り方をされてしまった訳です。


当時このクラスのスピーカーでは、B&Wの「CDM」シリーズが人気でした。EYRISシリーズもディメンション・シリーズの弟分というより、明らかにCDMシリーズへの、対抗商品という性格を持っています。

ところがB&Wは翌年に「700」シリーズを投入したため、EYRISシリーズはさほど注目を集めることは出来ませんでした。それでも生産は2007年の終わりまで続けられています。


いけなかったのはその後です。後継機として発売された「EYRIS DC」シリーズは、EYRIS3の7インチユニットを同軸化し、これをミッドレンジの位置に搭載しました。

しかしエンクロージャーはもともと同軸用に開発されたものではなく、トゥイーターをトップに配置した構造のため、トゥイーターは取りはずせません。そこでクロスオーバーを変更しスーパートゥイーターと名前をかえて、そのまま使用しています。結果として明らかに中途半端なスピーカーとなってしまいました。

また、EYRIS DCシリーズではリア用のスピーカーが廃止され、センタースピーカーは受注生産でした。それでもTEACの「大人の事情」は継続されて、フロント用のEYRIS DC1を、リア用に使用するイメージで宣伝が行われました。





(音質について)
音は極端に言ってしまうと「タンノイ」の音では無くて「B&W」の音という感じです。B&W DM580と比べても何の違和感もありません。全体的には透明感が高くスッキリした音です。ただケブラーでは無いのでスピード感は普通です。

高域は良く伸びます。低音はブックシェルフタイプに比べれば良く出るものの、このクラスのフロア型としてはやや弱い感じがします。音場はフロア型ならではということで、立体感はなかなか良いです。

フロアタイプのスピーカーというとスピーカーとの距離など、セッティングやリスニングポジションが問題となりますが、EYRIS 3は小音量時の特性も良く、意外とリスニングポジションが近くても良い音を出してくれます。またリアのバスレフの排圧も低く(付属品に低音調整用のスポンジはありません)、壁面との設置距離も短くて済むのも助かります。

念のために書いておくとホームシアター用途にはあまり向きません。映画でスピーカーが真価を発揮するのは、アクション・SF・パニック物の爆発音や射撃音、地響きなど、いわば効果音です。
効果音と音楽ではメインとなる周波数帯が違いますし、音楽用にチューニングされたものはフラットな特性や繊細な表現が求められるのに対し、効果音はメリハリがついている物の方が迫力や臨場感が出ます。
単純に考えれば金額の高いほうが良いということになるのですが、高いスピーカーほど音楽用に振ってあり、ホームシアター用のスピーカーに求められる要素を満たしていないといえます。そのためドンシャリ気味の安物スピーカーの方が、良かったということもあります。

1990年代にはこういうことを、説明してくれる販売店もありましたが、今はピュアオーディオも、ホームシアターも売れない時代。少しでも価格の高いスピーカーを売りたいがために、「向き・不向き」などを考えずに、売りつけているお店があるのも事実です。


アルミドームトゥイーター
1インチ(2.5cm)のドーム型トゥイーターで、チタニウムダイアフラムにネオジウムマグネットとアルミボディという構成になっています。
タンノイはこれをワイドバンド・ツイーターと呼んでおり、44kHzまでの再生が可能です。
ユニット自体は肉厚のアルミダイキャストボディに収められています。



7インチ(17.5cm)コーンウーファー
ミッドレンジ&ウーファー(バス)と、ウーファー(サブバス)に使われているのは、マルチファイバー・ペーパーコーンと呼ばれるものです。
これは数種類の異なるファイバーを、混入して高圧縮加工した素材で、軽量化と剛性を両立させるとともに、過渡特性を向上させています。
クロスオーバー周波数は2.2kHz(バス)、200Hz(サブバス)

バス・ユニット後部はリアパネルからの支柱で特殊ダンプ材を介して補強されています。



リアのバスレフポート
ポートの直径は36mmでポート長は約12cm。フランジ部分は大きめで螺旋状の溝が10本ついおり、B&Wのフローポートと同じように、出入りする気流を整える役目を持っているようです。



スピーカー端子
バイワイヤリングでバナナプラグに対応。端子が5つありますが、一番下のものはアース用の端子です。

標準のジャンパー線はバナナプラグ用なので、バナナプラグでスピーカーケーブルをつなぐ場合は、バイワイヤリングにするか、新たにジャンパー線を用意する必要があります。
ちなみに標準のジャンパー線は見た目は安っぽいですが、音質はバランスがよくナチュラルです。



キャビネット(エンクロージャー)
上部は音響特性を考慮した「ラウンドトップ」デザインを採用。フロントバッフルは30mm、その他は18mmの厚さです。容量は29LとEYRIS 2よりも8L大きいです。
仕上げはアメリカンウォールナット突き板仕上げ。



アルミダイキャスト製の
フットベース
スパイク受け



TANNOY EYRIS 3のスペック

トゥイーター 2.5cm ハードドーム
ミッド&ウーファー(バス) 17.5cm コーン
ウーファー(サブバス) 17.5cm コーン
出力音圧レベル 88dB
周波数帯域 38Hz〜44kHz
クロスオーバー周波数 200Hz/2.2kHz
最大許容入力 360W
インピーダンス
サイズ 幅196×高さ1023×奥行259mm
重量 18.5kg

















TANNOY・タンノイ EYRIS 3 スピーカー B級オーディオ・ファン