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B&W DM580 1988年 160,000円(2本)


B&W(Bowers & Wilkins)は1966年の設立後、1968年のDM1とDM3を皮切りにDM(Domestic Monitor)の哲学を守りつつ、DMシリーズ、500シリーズ、600シリーズと普及価格帯の優れたスピーカーを発売し続けています。 →B&Wスピーカーの歴史・年表

500シリーズは1988年の発売で、ラインナップはDM550(16cm・ブックシェルフ)、DM560(20cm・ブックシェルフ)、DM570(DM560の容積を拡大)、DM580(3ウェイ・フロア)という構成です。この年はアビーロード・スタジオに標準モニターとしてMatrix 801が採用され、B&Wの知名度は飛躍的にアップした年でしたが、まだ日本での知名度は、現在と比べるとはるかに低いものでした。

DM580は3ウェイのトールボーイタイプのフロアスピーカーです。生産はイングランドの工場で行われ、イギリスでの販売価格は399ポンド(当時は1ポンド224円)でした。日本ではナカミチが代理店で1988年10月から販売が開始され、1992年まで販売が行われました。ちなみに他のモデルの価格はDM550(40,000円・1本)、DM560(50,000円・1本)、DM570(60,000円・1本)となっていました。

ライバル機は国産ではPioneer S-77twin(60,000円)/S-99twin(108,000円)、海外ではKEF C75(88,000円)、TANNOY DC-2000(98,800円)、infinity RS5001(80,000円)、JBL LX66(89,000円)など。


DM580のトゥイーターはアルミニウムのハードドーム・トゥイーター。スコーカーとウーファーは20cmユニットで、ショートファイバーとパルプのコンポジットコーンを採用しています。(当時はケブラーコーンはまだ高価で、Matrix 800シリーズにしか使用されていませんでした)

フロントバッフルは2ピース構造で、モールドされたベベルエッジにより、音の回折を低減し不要輻射を分散しています。キャビネットの内部中央には、マトリックス技術を取り入れた補強板が設置され強度を高めています。

仕上げはウォールナットとブラックの2種類。1980年代のイギリスの普及価格帯のスピーカーというと、仕上げが今ひとつ(現在ではそれも味のひとつ)でしたが、DM580の仕上げは国産のスピーカーに近いレベルです。


(音質について)
20cmのユニットを搭載しているため、キャビネットは幅や奥行きがあり、現在のB&Wの同クラスのトールボーイよりは、二まわりぐらい大きい感じです。
この容積により20cmクラスのブックシェルフと比べても、余裕がある音を聴かせてくれます。特にクラシックではスケール感が違います。
低音は量感があり重低音も楽しめ、少音量でもよく出てきます。小型スピーカーでよくある「クラスを越えた低音」などというものとはレベルが違います。

弱点としてはスコーカーとしては大口径の20cmユニットのせいか、やや繊細さにかけたり、ソースによってモッサリとしたところがでたりします。ただ全体としは、高・中・低のバランスが取れた聞きやすいサウンドに仕上げられています。


(セッティングについて)
床の上にインシュレーターをかませてポンと置いただけでも、そこそこの音が出てくれるのでセッティングはしやすいスピーカーです。
ただし奥行きが40.7cmもあり、そこから壁面まで最低でも50cmぐらいは離さないといけません。さらにスピーカーの左右も50〜60cmの空間が必要となるので、少し広め部屋でないと使うのは難しいです。


(ケブラーについて)
B&Wのスピーカーというと「ケブラー」ですが、1988年ごろの日本ではとても有名な素材でした。当時はスキーブームの最中。wikiでは「私をスキーに連れてって」(1987年)によってスキーブームが始まったかのように書かれていますが、全くの間違いで1983年にはスキー人口がすでに1000万人を越えており、あれはスキーブームだったために、製作されてヒットした映画です。

1987年に発売されたスキー板「ロシュニョール 4Sケブラー」は、世界中で100万台(ペア)以上も売れたモデルで、定価が9万円と高額なスキー板(スラローム用のレーシングモデル)でしたが、日本でも大ヒットとなりました。
1980〜90年代のスキー板は、スピーカーと同じく素材開発がさかんで、ケブラー以外にもカーボン、セラミック、グラファイト、チタン、アルミニウム、マグネシウム、ボロンなどいろいろな素材が使用されました。

ケブラーは軽量で鋼性が高く内部損失により、滑走時の振動を抑えられるという、スキー板にとっても理想的な素材(スキー板の素材や構造は、意外とスピーカーと共通点が多い)で、4Sケブラーのヒットにより他のスキーメーカーでも採用されていきます。
当然のこととして、ケブラーの使用が増えれば生産も増えて価格も下がり、それによってまた新たな需要を生み出すということになります。1996年から600シリーズにケブラーコーンを搭載するB&Wも、まわりまわって恩恵を受けていたのかもしれません。



2.6cm アルミニウムドーム
トゥイーター


ボイスコイルボビンには、アルミニウムとポリイミドフイルムを使用し、高耐入力仕様となっています。

20cmスコーカー・ウーファー
20cmコーン・スコーカー 20cmコーン・ウーファー
ウーファーとスコーカーは同じユニットで、パルプにショートファイバーを混ぜたコンポジットコーンです。こちらもボビンにポリイミドフイルムを使用した高耐入力仕様となっています。エッジとセンターキャップはゴム製。

ケブラーはどちらかというと小口径向きで、B&Wでもケブラーを使ったのは16.5cmまで。それ以上のサイズには、DW580と同様にパルプとケブラーのコンポジットコーンが使われました。

スピーカー端子

入力端子は穴が小さいので、細いケーブルしか入りません。Yラグも合うものが限られるので、バナナプラグ専用と言ってもよいかもしれません。
入力端子
リヤのバスレフポート B&Wのロゴ

サランネットの500シリーズのバッチ 輸入元 ナカミチのシール


B&W PRESENT
THE ACADEMY OF ANCIENT MUSIC CHRISTOPHER HOGWOOD


1986年にB&Wの創業20周年を記念して制作されたCDです。801がイギリス・デッカレコードのスタジオ・モニターとして使われていたこともあり、CDはデッカが制作しています。


B&W DM580のスペック

トゥイーター 2.6cm ドーム
ミッド 20cm コーン
ウーファー 20cm コーン
周波数帯域 38Hz〜30kHz
50Hz〜20kHz ±2.5db
出力音圧レベル 91dB
インピーダンス
サイズ 幅236×高さ886×奥行407mm
重量 18.5kg













B&W DM580 スピーカー