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YAMAHA CD−3

     1985年 定価89,800円


YAMAHAのCD-3は1985年2月に発売されたCDプレーヤーです。当初は99,800円で発売される予定でしたが、同じ月にマランツが戦略モデルのCD-34(59,800円)を発売したため、急遽1万円の値下げに踏み切り89,800円という価格になりました。
当時はこの89,800円〜99,800円の価格帯がボリュームゾーンで、Victor XL-V300、KENWOOD DP-720、Aurex XR-Z50などに、ミニコンポサイズまで入れると15機種のモデルがある激戦区でした。

型番はCD-3となっていますがCD-1a(CD-1の改良モデル)があるので、YAMAHAのフルコンポサイズにとっては4機種目となるモデルです。
ラインアップ的にはCD-2(1984年6月発売・138,000円)の弟分という位置づけで、回路やディスプレィは一部簡略化されていますが、シャーシは逆に強化されています。

D/Aコンバータはバーブラウンの16bitDAC「PCM53JP-V」を搭載。デジタルフィルターは2倍オーバーサンプリングを使用しています。ローパスフィルターは3次と軽めにして、抵抗などのパーツを減らして音質の劣化を抑えています。またブラックゲートなどオーディオ用のコンデンサも使用されています。

サーボや信号処理回路は、YAMAHAお得意の集積化された半導体(チップ)を使用して、コンパクトで信頼性の高い回路になっています。サーボは従来より進化した回路が搭載されており、ピックアップのレーザー光の制御にもNew ALPC(オートレーザーパワーコントロール)回路を開発。ディスクの状態によりレーザー光を自動的に調整し、信号の読み取りの安定性を高めています。

振動対策ではメカ全体を弾性素材によりシャーシーからフローティングし、外部や内部のトランスからの振動を低減しています。シャーシは樹脂と鋼板を組み合わせた複合シャーシとなっています。

CD-3はマランツ CD-34と発売時期がかぶり、その影響をまともに受けてしまった訳ですが、1年後の1986年2月に後継機のCD-750(84,800円)にバトンタッチします。当時のYAMAHAはブランド力がありファンも多かったので、CD-34に浮気せずにCD-3を購入した人も多かったようで、オークションにはよく登場しています。


(音質について)
音は高音にポイント(キレイに聴かせる)を置いた典型的なYAMAHAサウンドです。ただ解像度や繊細さ、音場などは1986年以降に登場してくる物量機とはかなり差があり、まだ発展途上という感じがします。


(フロントパネル)
ディスプレィが小さくスラントした操作ボタンが目立つ、YAMAHAらしからぬ無骨なデザインです。

ディスプレィは数字が4ケタしか表示できないため、トラックナンバーと再生時間をボタンで切り替えて表示します。リピートプレイなどはインジケーターランプが点灯するだけと必要最小限です。

YAMAHAの初期のCDプレーヤーは表示や操作が独特なため、1980年代のCDプレーヤーを使いなれた人でも、最初は操作に戸惑うかもしれません。

CDを読み込んだ後、ディスプレィに表示されるのは全部の曲数で、その後「1oo」と表示されます。これはトラックナンバーが「1」、インデックスナンバーが「0」ということを意味しています。
CDのTOTAL時間は停止時のみ表示が可能で、再生中は表示できません。

操作ボタンは、STOPボタンがPAUSEボタンと兼用で1回押すとPAUSEとなり、もう1度押すとSTOPとなります。スキップホダンは「+」「-」ボタンとなっています。


動画の音はビデオカメラの内蔵マイクで録音しているため、音質は良くありません。


(シャーシや内部について)
シャーシは樹脂と鋼板による複合(今ふうに呼べばハイブリッド)シャーシです。
ベースとなるのは磁気歪み対策のための樹脂製のシャーシで、メンテナンス用にメカと基板の下は開口部があります。樹脂の部分は強度対策で前後・左右にフレームが入っています。

底板は1.2mm厚の鋼板に基板の下だけ2.5mmの鋼板を追加した2重底となっています。重量は約2kg。天板は1mm厚の鋼板で、防振材が無いため叩けばよく鳴ります。
脚はインシュレーターではなく樹脂製の小さな脚です。

内部は左側にメカと電源トランス。メカの下にはサーボ回路の一部があります。右側のメイン基板は手前がデジタル回路。奥の左側が電源回路、右側がオーディオ回路です。

底板をはずしたところ 底板


(電源回路)
電源トランスは14VAの物が1個。デジタルとアナログに分けた低インピーダンスの独立電源となっているようです。

電解コンデンサはELNA製の22V・2500μFやニチコンのNXD 16V・2200μFなどが使われています。電源コードはフルカワ製の細い並行コードで極性のラインが入っています。
電源トランス 電源回路


(デジタル回路 サーボ・信号処理・システムコントロール)
サーボ回路はメイン基板にあるのは制御用のチップだけで、ドライバーやサーボの調整用ボリュームはメカの下にあります。
制御用のチップはCD-X1などに使われた「YM3511」の改良型の「YM3531」で、EFM信号やサブコードの復調などの処理も行っています。

インターリーブ復調、誤り検出、誤り訂正などの信号処理を行うのは「YM2201F-K」で、CD-X1に搭載された「YM2201」と型番は同じですが一部を改良しているそうです。このYM2201には2倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターも内蔵されています。

信号処理に使うRAMは日立製の8bit ハイスピード CMOS スタティック RAM「6116ASP-20」。システムコントロール用のマイコンは沖電気製の4bitマイクロコンピューター「M6404A-74」です。
デジタル基板 サーボ制御 YAMAHA YM3531

信号処理 YAMAHA YM2201 沖電気 4bitマイコン M6404A-74

サーボの調整用ボリューム


(オーディオ回路)
D/Aコンバーターは抵抗ラダー型のバーブラウンの16bitDAC「PCM53JG-V」が1個です。D/A変換後の信号は、サンプルホールド回路にある東芝製のマルチプレクサ「TC4053BP」で、左右のチャンネルに分けられます。

ローパスフィルターはオペアンプを使った3次のアクティブフィルターとなっています。電解コンデンサはルビコンのブラックゲートなどが使われています。
オーディオ回路 DAC バーブラウンPCM53JG-V

ブラックゲートコンデンサ ヘッドフォン回路


(ピックアップ・ドライブメカ)
ピックアップ・ドライブメカはチャッキングアーム式です。メカベースは鋼板製のしっかりしたもので、弾性ゴムによりフローティングされています。

ピックアップは追従性が良い3ビーム方式の三菱製「MLP-2C」です。このピックアップはサーボ回路にあるNew ALPC(Auto Laser Power Control・オートレーザーパワーコントロール)回路で、コントロールされています。
ディスクに当たるレーザー光は弱すぎても、強すぎても読み取りがうまくいきません。ところがレーザー光を発生させる半導体レーザーは、CDプレーヤー内の温度変化などにより、出力特性が変化してしまいます。ALPC回路はディスクからの反射光の変化をセンサーで検知して、レーザー光の強度を自動的に制御します。
もともとは機械的な対策のために搭載されている回路ですが、ディスクからの反射光を利用しているため、ディスクの汚れなどにも対応でき安定した読取りに貢献しています。

スライド機構はギヤ式で、スレッドモーターの振動が、ピックアップに伝わらないようにゴムベルトで動力を伝達しています。


(メカのメンテナンス・修理)
メカの部分で使われているゴムベルト(ウレタンゴム)は、摩耗に強いのですが長期間使用すると加水分解するという欠点があります。
この時期のゴムベルトは加水分解により、伸びてしまったり、最悪の場合はドロドロに溶けてしまいます。

ただYAMAHAのメカはメンテナンス性が良いので、他のメーカーに比べれば、クリーニングやゴムベルトの交換は簡単です。トレイの開閉用はトレイの隣にある大きなパーツ(ネジを外せば簡単に取れます)の下にプーリーがあり、簡単に交換ができます。
スライド機構用のベルトはチャッキングアームを取り外ずせば(稼働部のネジを緩めれば外せます)、トレイとの隙間から交換ができます。ベルトのサイズはどちらも3.5cmぐらい。

ピックアップのレーザーの出力ボリュームは、底板をはずせば調整できます。
ピックアップ・ドライブメカ ピックアップ・ドライブメカ

ピックアップ MLP-2C メカの裏側


(出力端子)
出力端子はアナログ固定が1系統で、デジタル出力はありません。
出力端子

1985年・YAMAHAの春モデル「CD-3」(上)と秋モデル「CD-1000」(下)

YAMAHA CD-3のスペック

周波数特性 3〜20kHz +0.5 -1.0dB
高調波歪率 0.004%
ダイナミックレンジ 96dB
S/N比 98dB
チャンネルセパレーション 90dB
消費電力 10W
サイズ 幅435×高さ94×奥行291mm
重量 5.7kg













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