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ONKYO C−303

    1992年 定価39,800円


ONKYOのC-303は、1992年11月に発売されたCDプレイヤーです。海外仕様は「DX703」でカラーはブラックです。

ライバル機はDENON DCD-790、KENWOOD DP-5060、marantz CD-63、Nakamichi MB-4s、Pioneer PD-T01、SUNSUI CD-α317KR、SONY CDP-911、TEAC CD-3、Technics SL-PG460、YAMAHA CDX-580など。


当時は国内ではバブルが崩壊し、急激な円高が進んだため、海外への輸出が振るわないなど、オーディオ業界は苦しい時代です。(それでも現在よりはマシです)

そのためオーディオメーカーは機種を絞り、モデルチェンジの回数を減らすなどの対応をとります。

CDプレーヤーは1990年代に入り、1bit・DACが話題となりますが、バブル時代にお金のかかった物量機が売れたため、買い替え需要は弱く、バブル時代のように、オーディオ初心者がいきなり高額モデルを購入するということも少なくなります。

そんな中、Technics SL-PS700などのヒットにより、安くて音の良いモデルを求める、いわゆる低価格志向も多くなります。


C-303はアキュパルスD/Aコンバーターを搭載しています。これはシングルビットD/Aコンバーター(1bit・DAC)と、アキュパルスクォーツシステムとを組合わせたものです。

たぶんアキュパルスの「accu」(アキュ)は、正確とか精密という意味の「accurate」から取ったもので、これを「パルス」と組み合わせた造語だと思います。


DACはNPC製の1bit・DAC「SM5861AP」を搭載。PWM(パルス幅変調)方式のDACで、原理的にクロスオーバー歪が発生しません。デジタルフィルターは18bit・8倍オーバーサンプリングです。

アキュパルスクォーツシステムは、棒形のクォーツを防振材料(パリソーラバー)で固定することで、クォーツを振動から保護しています。


機能は、CDの演奏順を204枚まで記憶できる「ミュージックファイル」や、5モードのリピート機能、テープの長さに合わせて録音ができるタイムエディット、ピークサーチなどを搭載しています。



(音質について)
高音は解像度と透明感あり、中音はボーカルがほどよく前に出てきます。低音は量感もそこそあり引き締まっています。

基本的にはドンシャリ系ですが、「ドン」と「シャリ」を行き過ぎないところで、うまく止めている感じです。

中級機と比べると、音の緻密さやレンジなどでは、物足りなさが出ますが、しっかりとした音です。エントリーモデルにありがちな、軽さや痩せた音ではありません。

ジャンルはジャズやロック。やはりエントリーモデルということで、クラシックは音数や細部の再現など、厳しいところがでます。

どちらかというと、1980年代のONKYOのCDプレーヤーの音ではなく、C-777など2000年代のONKYOのサウンドに近いです。



(フロントパネル)
フロントパネルは、当時のエントリーモデルとしては珍しいゴールドです。両サイドには樹脂製ですが、サイドパネルが取り付けられており、デザインを引き締めるとともに高級感を出しています。

操作ボタンの配置は絶妙で、取扱説明書がなくても、基本的な操作とリピートやシャップル、ピークサーチなどはすぐに使えると思います。

ディスプレイの明るさ(3段階)を、切り替えるディマーボタンも装備しています。




(シャーシと内部について)
薄い鋼板でできており、どこを叩いても良く鳴ります。バブル期のCDプレーヤーと違い、全く防振対策はされていません。

インシュレーターは薄型ですが直径の大きい物です。接地面にはコルクが貼られています。


インシュレーター


(電源回路)
電源トランスはEIトランスで、別巻線になっています。

電源回路はオーディオ回路とデジタル回路、ディスプレィを分離した独立電源で、エントリーモデルとしては、しっかりとした回路になっています。

電解コンデンサは茶色がニチコン製の「FM」35V・3300μFが2本。青色はニチコン「VX」です。


内部の電源コードには、フェライトの大型ノイズフィルターがあり、家庭用電源から入ってくるノイズの減衰しています。

現在の家庭用の電源は、エアコン、電子レンジ、パソコンやスマホなどの充電器によって、たっぷりとノイズが混入しており、音質に悪影響を与えるので、ノイズフィルターは必須です。

エントリーモデルとはいえONKYOは、このへんはしっかりとやっています。それに引き換え現在のDENONは、18万円もするSACDプレーヤーに、100円もしない安物のノイズフィルターを搭載するなど、常識を疑いたくなります。

電源コードは細い平行コードです。

EIトランス 電源回路

電源回路 ノイズフィルター



(サーボ回路・システムコントロール回路)
サーボ回路はデジタルサーボではなく、アナログサーボです。
サーボ制御を行うICはSONY製の「CXA1372S」。RFアンプはSONY「CXA1571S」です。

サーボ調整用のボリュームは、トラッキングゲイン、トラッキングオフセット、フォーカスゲイン、フォーカスオフセットの4つ。


CDから読み取った信号の誤り訂正などを行うシグナルプロセッサはSONY製の「CXD2500AQ」です。スタティックRAMはSANYO 「LC3664RL」。

他にはSANYO製のモータードライバー「LB1639」や、「ミュージックファイル」用のメモリのバックアップに使う、スーパー・キャパシタNEC「FYD」があります。

デジタル回路 シグナルプロセッサ
SONY CDA1372S

サーボアンプ
SONY CXA1571S
サーボ調整用のボリューム

スタティックRAM
SANYO LC3664RL
スーパーキャパシタ
NEC FYD



(DAC・オーディオ回路)
D/AコンバーターはNPC製の1bit・DAC「SM5861AP」を搭載しています。

SM5861APは松下電器の「MASH」と同じ、PWM変調方式の1bit・DACです。

入力は18bitで、システムクロックは768kHz/384kHzと高速ですが、ノイズシェイパーは3次・32倍になっています。

ノイズシェイパーは「ZSNS」(ゼロシフト・ノイズシェイパー)という、NPC独自の回路でゼロ点をシフトさせることで、オーディオ帯域上部で大きくなる再量子化ノイズのレベルを、ノイズを低減しています。

松下のMASHやSONYのパルスD/Aコンバータは、内部に4個のDACを持ち、それを差動出力していますが、SM5861APのDACは2個ですので、L・Rチャンネルの出力となります。

ただし、SM5861APには相補出力モードというのがあり、片チャンネルにSM5861APを1個(L・Rで2個)使うことで、差動出力が可能となります。

デジタルフィルターはYAMAHA製の18bit・8倍オーバーサンプリングの「YM3433B」です。内部には3段のFIR型フィルターがあり、211次の演算能力があります。

ローパスフィルターは3次のアクティブフィルターです。使われているオペアンプはJRC「4565DB」。

電解コンデンサはニチコン製の「VX」などです。


オーディオ回路 D/Aコンバーター
 NPC SM5861AP

デジタルフィルター
YAMAHA YM3433B
アキュパルス
クォーツシステム



(ピックアップ・ドライブメカ)
ピックアップ・ドライブメカは、各社のエントリーモデルに搭載された、SONY製のアッセンブリパーツ「KSL-2102AAM」です。

クランパーがついている「ブリッジ」やベースの部分は鋼板製。ピックアップとスピンドルなどのユニットは、スプリングを使ってフローティングされ、外部からの振動が受けにくくなっています。

ピックアップは3ビームのKSS-210Aを搭載。スライド機構はギヤ式です。

ピックアップ・ドライブメカ ピックアップ・ドライブメカ

ピックアップ
SONY KSS-210A
トレイ



(出力端子)
アナログ出力は固定と可変の2系統です。デジタル出力は光が1系統です。

他にはオンキョー製品との連動させるための、リモコン端子があります。

リアパネル


ONKYO C-303のスペック

周波数特性 5Hz〜20kHz
高調波歪率 0.004%以下
ダイナミックレンジ 96dB
S/N比 100dB以上
チャンネル
セパレーション
90dB(1kHz)
消費電力 12W
サイズ 幅455×高さ110×奥行306mm
重量 5.0kg













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