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FiiO E17

2012年 オープン価格





FiiO E17は、2012年4月に発売された、ハイレゾ対応のUSB-DAC付きポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)です。正式な商品名は「ALPEN」で背面に印字されています。

発売時の実売価格は20,000円ぐらい。


メーカーのFiiO(フィーオ)は2007年創業の中国のオーディオメーカーです。DAP(デジタルオーディオプレーヤー)やポタアンなどのポータブルオーディオ機器が主力で、「ポタアンブーム」の火付け役となりました。

E17はFiiOのポータブルヘッドホンアンプのフラグシップモデルで、DACを内蔵しUSBが最大96KHz/24bit。S/PDIFの同軸と光が最大192KHz/24bitのPCMに対応しています。
サイズは幅55mm × 奥行96mm × 高さ15mm。

DACは音の悪いインターフェイスICのステレオコーデックではなく、Wolfson(ウォルフソン)のWM8740を搭載しています。このDACは24bit/192kHzですが、ハイエンドにも搭載されるなど、音質評価の高いDACです。

ヘッドフォンアンプは290mW (16Ω)、 220mW (32Ω)の出力に対応しています。


電子ボリュームを採用しており、ギャングエラーは発生しません。ユーザーが指定できるスタートアップ・ボリュームメモリや大音量から耳を守るボリューム・リミッターも搭載しています。
イヤホンやヘッドホンのインピーダンスに対応するため、ゲインの切り替え機能があり0dB、6dB、12dBから選択できます。

トーンコントロール機能を備えており、TREBLE/BASSは10段階の調整が出来ます。

他の機能は左右の音のバランス調整。HOLDスイッチ。USBからの充電OFF。スリープタイマーは最大90分まで1分刻みで設定が可能です。

取扱説明書→英語版


入力端子はアナログが3.5mmステレオミニジャック。USBがUSB-miniB端子。S/PDIF端子が光(丸)と3.5mm(同軸)の兼用端子です。

出力端子はイヤホン/ヘッドホン用の3.5mmステレオミニジャックです。この端子は音量を調整すれば外部出力端子としても利用できます。



バッテリーの充電時間は210分。付属のUSBケーブルを使用すればパソコンのUSBポートから充電できます。連続再生時間は約15時間です。

バッテリーの容量は公開されていませんが、内蔵のバッテリーの容量は1500mAhです。


サイズは幅55mm x 奥行96mm x 高さ15.2mmで重量は約112gです。




スマホとの接続
3.5mmステレオミニ
ケーブル

USBケーブルの接続
光ケーブルの接続 同軸ケーブルの接続



(付属品)
付属品は

3.5mmステレオミニL字型プラグ ケーブル 長さ10cm
USBケーブル(TYPE A - USB miniB)
Eband-B(シリコンゴムバンド) x 2
オプティカル接続用アダプタ
コアキシャル接続用アダプタ
パネル保護フィルム
ソフトポーチ
ゴム足 x 6


E17についてメーカーはiPhoneとのUSB接続を推奨していませんが、ネットでは可能という報告が、いくつかあります。※うまくいかないという報告もあり。


E17をUSB-DACとして利用する場合は、アンプやアクティブスピーカーなど、相手側の機器の端子に合わせたケーブルが必要となります。






(USB ドライバー)
Windows10の標準のドライバーで動作します。表示名は「SPDIFインターフェイス(Fiio USB DAC-E17 )」。



(音質について)
イヤホンの音はスマホのイヤホン端子からの接続でも、USB DACを使用した場合でも、音に余裕があり、アンプの駆動力の高さを感じます。

ヘッドホンの音は、さすがにポタアンだと馬力不足を感じますが、それでもFiiO Q1 MarkIIと比べるとパワーがあります。


スマホへの直差しでイヤホンを聴くと音が良くなったと実感できると思います。

内蔵のUSB DACを使用した音は、Wolfson(ウォルフソン)の音です。ただポタアンの制約上、電源部が弱いためWM8740の実力のすべては出ていません。

透明感と解像度が良く、けっこう細かい音も再現しています。しかしレンジが狭く。音は少し平面的です。低音は少し軽さがあります。






(内部について)
ポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)ですが、内部の基板を見ると、DAPと対して変わりません。サイズが小さいため基板にはビッシリとパーツが並んでいます。

ただしデジタル回路とオーディオ回路が混在しているので音質にとってマイナスです。


DACはWolfson(ウォルフソン・現在はシーラスロジックに統合) WM8740です。電圧出力なのでI/V変換回路はありません。DACの後ろには差動合成、ローパスフィルターの回路があります。

差動合成用のはオペアンプは、アナログ・デバイセズの「AD8692」が使われています。ローパスフィルターは低次のCR型です。


ヘッドホン回路には大きい負荷を駆動できるアナログ・デバイセズのデュアルオペアンプ「AD8397」が使われています。


電子ボリュームは「NJW1194」で、トーンコントロールと入力セレクタも内蔵しています。

USBのインターフェイスはTENOR「TE7022L」が使用されています。PCMは24bit/96kHzをサポートしています

S/PDIFインターフェイスはシーラスロジックの「WM8804」でPCMは24bit/192kHzをサポートしています

ディスプレィやスイッチの制御などには、ST製の8ビット マイクロコントローラ「STM8S105K6T6C」が使われています。


USBのインターフェイスやマイクロコントローラからは、音質を悪化させるノイズが発生します。E17はサイズがサイズが小さいため、オーディオ回路、ヘッドホン回路とこれらノイズの発生源との距離が近いので、影響は少なくありません。

さらにUSBケーブルを伝わってパソコンのノイズも入ってきます。このノイズも、いろいろな経路でオーディオ回路に入りこみ、音質を悪化させます。

回路には当然、パスコンが配置されていますが、これらのノイズはバスコンだけでは取り切れません。



電源回路はバッテリーからの電源をICや回路こどに電圧を変えて供給していますが、スペースが無いため、これが限界という感じです。

本来ならば電解コンデンサの容量や本数を増やして、DACやその後ろのオーディオ回路、ヘッドホン回路に安定した電源を供給できれば、まだまだ音質は良くなると思います。



DAC
WM8740
ヘッドホンアンプの回路

8 ビットマイコン (MCU)
STM8S105K6T6C
USBインターフェイス
TENOR TE7022L

S/PDIFインターフェイス
シーラスロジック WM8804
電子ボリューム
NJW1194


FiiO E17のスペック

入力データ
(USB)
(USB)
PCM 24bit/96KHz
(S/PDIF)
PCM 24bit/192KHz
周波数特性 アンプ 10Hz~100kHz
DAC  10Hz~20kHz
S/N比 アンプ 109dB以下
DAC 104dB以下
全高調波歪率 アンプ 0.001%以下
DAC 0.007%以下
ヘッドホン
インピーダンス
16~300Ω
ヘッドホン出力 290mW(16Ω)
220mW(32Ω)
充電時間 210分
連続再生時間 約15時間
ACアダプタ 推奨 DC5V/2A
端子はUSB micro B
サイズ 幅55×高さ15×奥行96mm
重量 101g





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