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Lo-D DA-401 |
1986年 定価59,800円 |
日立のオ−ディオブランド、Lo-DのDA-401は1986年7月に発売されたCDプレイヤーです。海外ではLo-Dではなく、Hitachiブランドで販売されました。 この頃はCDの普及期に入ったため、発売されるCDプレーヤーも多く、ライバル機はSONY CDP-55、YAMAHA CDX-700、DENON DCD-900、Technics SL-P520、KENWOOD DP-990D、ONKYO Integra C-300X、Pioneer PD-7030、LUXMAN D-102、marantz CD75、XL-V501などがありました。 →1986年の59800円クラスのCDプレーヤーの比較 DA-401の特徴は音質に影響する振動を低減するために、防振対策に力を入れたことです。これをVC(バイブレーションカット)メカニズムと名付けていました。 シャーシの天板は鋼板を2重にしていますが、間に粘弾性材を入れてサンドイッチ構造として、振動の吸収と重量による振動の抑え込みを行っています。 インシュレーターの本体は樹脂製ですが、振動の吸収に優れた特殊ゴムとフェルトを組み合わせた、ハイブリット構造になっています。 ピックアップは3ビーム方式で、駆動部分に振動減衰能力があるピュア・メタル・ダンプ方式を採用しています。またピックアップへの外部からの振動を低減するために、スプリングと特殊ゴムによってフローティングしています。 またコンデンサも振動の影響を受けるため、オーディオ回路の電解コンデンサは、バンドで結束したりブチルゴムでダンプしています。 日立が1982年に発売したCDプレーヤーの1号機、Lo-D DAD-1000では、DACやサーボ回路、信号処理回路、ピックアップなど主要なパーツは、ほとんどが自社製でしたが、4年後に発売されたDA-401では、ピックアップ以外は、ほとんどSONY製に置き換わっています。 D/AコンバータはSONY製の16bitDAC「CX20017」を使用。このDACは1983年に登場したDACで、当時から見ると3世代前のDACとなります。いわば時代遅れ。そして、DA-401はデジタルフィルターを搭載していません。 ライバル機は最新のDACだった「PCM56P」や、4倍オーバーサンプリングのデジタルフィルター搭載する物もあり、こうなるとDA-401の勝ち目はありませんでした。 またDA-401は防振を「売り」にしていたのですが、ライバルも当然ながら防振対策をしており、その結果、DA-401の重量はライバルの中で一番軽い(3.8kg)という状況になりました。 機能は15曲までのプログラムメモリー、4モードのリピート、インデックスサーチ、ポーズスタンバイ、タイマースタートなどがあります。 |
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(音質について) | ||||||||||||||||||||||||
積分DACらしいアナログぽい音でウォームトーンです。 ただ一聴してレンジの狭さや解像度や透明感の悪さはわかります。高音の伸びはありませんし、低音の量感も不足しています。 そこそこ防振はしていますし、コンデンサなどにもお金をかけているので、音には期待したいところですが、やはりDACのCX20017の限界なのかもしれません。 これがSONYのESシリーズにも採用された、CX20152だったら、もう少し良い音が出ていたかもしれません。 |
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(フロントパネル) | ||||||||||||||||||||||||
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(シャーシ・内部について) | ||||||||||||||||||||||||
シャーシはVC(バイブレーションカット)エンクロージャーと名付けられていました。 シャーシは鋼板製です。ふつう底板を2重にすることが多いですが、DA-401は天板が2重で底板は1枚になっています。 おかげ天板は指で叩いても鳴らないぐらいダンプされていますが、底板は手で力を入れると、たわんでしまうぐらい貧弱です。メカやトランス、基板などを固定する底板がこれでは本末転倒です。 インシュレーターの本体は樹脂製ですが、振動吸収性が優れた特殊ゴムを接地面に、本体との接触面にフェルトを配置した、3種類の素材によるハイブリット構造になっています。 ※実物はカタログの説明とは組み合わせが逆になっています。 内部は左側にメカと電源トランス。メイン基板は手前側がシステムコントロール回路、その後ろの左側にサーボ回路と電源回路。右側にオーディオ回路があります。 一番右にある小さな基板はリモコン用の回路です。 |
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(電源回路) | ||||||||||||||||||||||||
電源トランスは別巻線で容量は21V・14.8VAです。 電源回路もサーボ、デジタル、ディスプレイ、オーディオに分れた独立電源となっています。 電解コンデンサはニチコンのAWF 50V・470μFが2本など。デジタル部にも大きいサイズの電解コンデンサを使用しており、ニチコンのSM 16V・3300μFが2本あります。 |
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(デジタル回路 サーボ・信号処理・システムコントロール) | ||||||||||||||||||||||||
サーボ制御用のICはSONY製の「CX20108」とRFアンプの「CX20109」。サーボの調整用ボリュームは、トラッキングオフセットにレーザーゲイン(アウトプット)しかありません。 CDから信号を読み取りした後に、誤り訂正など信号処理を行うのはSONY製の「CX23035」。RAMは日立製の8bit スタティックRAM「HM6116P-4」です。 システムコントロール用のマイコンは、NEC製の「μPD7516H-264」。リモコンの制御用にはNECのマイコン「μPD7566CS」や、東芝製のロジックICのTC4028BP、TC4081BPが使われています。 |
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(DAC・オーディオ回路) | ||||||||||||||||||||||||
D/Aコンバータは16bitの積分型DAC、SONY製の「CX20017」です。 積分型DACはコンデンサの充放電を使った積分回路とともに組み合わせて使われるDACで、コンデンサの「電圧はコンデンサに入力される電流の積分値に比例する」という特徴を使って動作しています。 まずCDからのデジタル信号を、クロックを使ったデジタルカウンターにセットして、カウントダウンをします。カウントダウンと同時にコンデンサの充電を開始し、デジタルカウンターが「0」になった時点で、充電をやめます。このようにして入力したデジタル値に対応して、コンデンサの出力電圧(アナログ出力)を得るというものです。 この方式はゼロクロス歪などが発生せず、ノイズにも強い方式でしたが、変換精度に難がありラダー型のDACなどにとって変わられていきます。 また変換速度が遅いために、2倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターが、使用できないという問題もあったようです。 CX20017はシングルDACのため、変換された信号は日立製のマルチプレクサ「HD14053BP」でスイッチングして、左右のチャンネルの音を分離しています。 オペアンプは積分・サンプルホールド回路とラインアンプ用はJRC「2068」。ヘッドホンアンプ用に三菱「5218P」を使用しています。 ローパスフィルターは可変コイル「CP501L」を使用しています。 電解コンデンサはニチコンのオーディオ用「AWF」で、振動防止のために布テープで結束されています。またスチロールコンデンサにも、ゴム製のダンパーが取り付けられています。 |
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(ピックアップ・ドライブメカ) | ||||||||||||||||||||||||
ピックアップは3ビームの日立製「HOP-M14」で、ダイキャストのベースにマウントされています。スライド機構はギヤ式です。 ディスクのクランプには鋼板製のチャッキングアームが使われています。 トレイの開閉(ローディング)メカは、新開発のVCローディングメカで、前面のパネル部分を開閉式として、ディスクテーブルと分離することで、フロントパネルから振動が伝わるのを防いでいます。 メカ全体はスプリングと特殊ゴムを使用したサスペンションによって、フローティングさせています。 |
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(出力端子) | ||||||||||||||||||||||||
リアパネルの出力端子はアナログの固定出力1系統だけです。 |
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周波数特性 | 5Hz〜20kHz +0.5 -1.0dB |
高調波歪率 | 0.003%以下 |
ダイナミックレンジ | 95dB |
S/N比 | 95dB |
チャンネル セパレーション |
92dB |
消費電力 | 9W |
サイズ | 幅435×高さ85×奥行264mm |
重量 | 3.8kg |
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