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1970年代・1980年代に販売されていた、レコードプレーヤー用のアクセサリーを紹介します。 |
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ディスク・スタビライザー自体は1960年代からありましたが、1970年代に音質改善の効果が評判となり、ヒット商品となったのがオーディオテクニカ
AT-618です。このヒットにあやかろうと、他社からも多くのディスクスタビライザーが発売されました。 そういう商品はレコードの衰退とともに消えていきましたが、AT-618は現在も販売されているロングセラー商品です。 当時のレコードプレーヤーは音質に影響するワウフラッターを減らすために、ダイレクトドライブにしたり、ターンテーブル(プラッター)の慣性重量を高めたりしていました。 しかしレコード盤自体はモーターによって直接回転される訳ではなく、プラッターの上のターンテーブルシート(ゴムシート)との摩擦によって回転しています。 そのためオーディオメーカーは摩擦を高めようと、ターンテーブルシートの形状やゴムの材質(ブチルゴムなど)を改良していました。 ところがレコード盤は保管状況が悪いと「反り」が発生しやすいという問題があります。また価格の安い輸入盤の中には、最初から反っているという品質の悪いものもありました。 レコードが反っているとゴムシートとの密着が悪くなり、レコード盤に回転力が十分に伝わらなくなります。ピックアップ(カートリッジ)と接しているのは、あくまでもレコード盤ですので、カートリッジから見るとどんなに機械的な回転精度が良くても、正しく33回転、45回転で回っていないということになります。 そこで考えられたのは錘(おもり)によって、レコード盤をターンテーブルシートに押さえつけて、摩擦を向上させるという方法です。約600gという重量は効果てきめんで、多少の反りがあってもレコード盤を密着させてくれます。 ただ、反りの方向によってA面は密着するが、B面は外周部が密着しないという場合もあります。また反りがひどい場合には、あまり効果を発揮しないこともあります。 もうひとつの効果がレコード盤の共振を抑えるという効果です。カットリッジはレコード盤の溝を針がトレースすることで、カンチレバーが振動し発電して音を電気信号に変えています。レコード盤が振動するとカンチレバーが不要な振動を拾って音質を悪化させます。 ターンテーブルシートの材質はほとんどが「ゴム」ですので、レコードとの密着が高まればゴムの内部損失によって振動を吸収してくれます。 AT-618のゴムカバーは、手が滑ってレコードの上に落とさないように付けられたものですが、当然このゴムの部分でも振動を吸収してくれます。 以上の2つが効果として公表されていることですが、もうひとつ効果を生んでいる可能性があります。それはレコード盤の共振の「元凶」である、モーターやプラッターの振動を抑える効果です。 レコードプレーヤーのモーターは理想としては、コギングが発生しないコアレスモーターを搭載していれば、振動をかなり抑えることができます。しかし年代や価格帯によって、コアレスモーターではない機種もたくさんあります。 またプラッター自体も意外と共振するので、裏側にゴムが貼ってあるものもあります。 1970年代の後半、多くのスタビライザーが発売される中で起きたのが重量競争です。AT-618の重量は560gですが、マイクロのST-10は約2倍の1kgの重量がありました。 しかし、レコードプレーヤーに搭載されている、フォノモーターのトルクは機種によってそれぞれ違います。トルクの弱いモーターに過度に重いスタビライザーを使用すると、かえって回転の安定性を損なう場合もありました。 またレコードプレーヤー用のフォノモーターは、ターンテーブルの重量を軸受けで支える構造になっていますが、当然のことながら重量には限界があります。その時はだいじょうぶでも、重いスタビライザーによって、ベアリングの摩耗を早めて損傷する可能性もあります。 最近のレコードブームで、レコードプレーヤーの新製品の発売が相次いでいますが、安い機種の多くがトルクの弱いベルトドライブと、軽量のターンテーブルの組み合わせです。これらのプレーヤーでディスクスタビライザーを使用する場合は、注意が必要だと思います。 |
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1970年代末には販売される種類が減ったディスクスタビライザーですが、1980年代に入り、ハイトルクのモーターを積んだYAMAHA GT-2000などの、重量級のプレーヤーが登場すると、また多くのディスクスタビライザーが発売されました。 AT-639もそのひとつで、1個の重さは445gですが積み重ねて使用することで、重さを調整できるというスタビライザーです。材質は黄銅の削出しで直径は70mm、高さは15mm。価格は2500円。 メーカーの説明書きには、スピーカーのインシュレーターとしても使えると書かれていました。 |
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ナガオカ AEアダプター 1970年代に売られていたEPアダプタで、価格は400円。 アルミムク材からの削り出しで、形状からすると現行モデルのAD-653/2と同じ物かもしれません。 上位モデルとしてPUアダプター(600円)がありました。 |
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ナガオカ ピックアダプター このEPアダプタはプラスチック製で、カラーはイエローの他にブルーやレッドもありました。 |
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オーディオテクニカ 水準器 AT-615 1970年代に販売されていた、レコードプレーヤーの、水平をとるために使う水準器です。ケースはアルミ削り出しで、サイズは直径37mm、高さは17mm。 一時期、販売を休止していましたが、復活して現在も売られています。今の物は、カラーがシルバーになっているだけで他は変わりません。 当時の価格は2,000円で現在も変わりません。 |
AT-6003「TRI-CAPSULE}は3連タイプのカートリッジキーパーです。レコードブームにより、カートリッジの需要が高まったため、2018年4月に「AT6003R」の型番で復刻されました。 台座部分はダブルロックピンタイプのヘッドシェルに対応しており、透明のカプセル部分はヘッドシェルのフィンガー部分が当たらないように、スリットが入っています。 サイズ:185W×92H×60.7mm、カプセル部の内径はφ42mm。 価格:1,200円 復刻版のAT6003Rオープン価格で実売3,000円前後。 |
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SHURE SFG2は1970年代から販売されている針圧計です。1970年代後半の価格は2,000円でしたが、現在はオープンプライスとはいえ実売価格は5,000円以上します。 SFG2は天秤式の針圧計で、針圧は0.5g〜3.0gまで測定できます。実物を見ればわかりますが、秤(はかり)のようなキチンとしたものではないので、精密さを求めるのには不向きです。 精度でいえばデジタル式の針圧計にはかないませんので、軽針圧の神経質なカートリッジに使うのは難しいかもしれません。 使用方法はまず、針圧計をプレーヤーのスピンドルにセットし、錘(おもり)を針圧に合わせます。次にトーンアーム側の針圧を調整して、針圧計の指定位置に針を降ろして、針圧計が水平になっているかどうか、ミラー部分を目視して確認します。 もしずれている場合には、トーンアーム側の針圧を変更して水平に合わせます。 スケールは1.5gまでしかありませんが、針をセットする位置を代えることで、3.0まで測定できます。 針圧計を使う際には、レコードやターンテーブルシートを外すように書いてあるサイトもありますが、SFG2のパッケージや取扱説明書には、レコードの上に置いて使う写真が載っています。 SFG2の針をセットする場所の高さが6mm程度あるので、レコードとターンテーブルシートを外すと、ちょうど高さが合うとの考えだと思います。 |
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1966年ごろの発売で50年以上も販売されている、ロングセラーのレコードクリーナーです。 1970年代前半ごろには雑誌や販売店、そしてユーザーの評価が高く、まさに定番の商品でした。 その後、イギリスから「ピクソール」が上陸して、ローリング・クリーナーのブームが起きますが、当時の物は粘着力が弱かったり、レコードの溝の中のホコリが取れないということで、アルジャントと併用している人も多くいました。 現在のアルジャントはどうかわかりませんが、70年代のものはイタリア製の高級ベルベットを使用しており、それを証明するシールが貼られています。 1972年の価格は800円。 |
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ピクソールはイギリスのミルティが開発した世界初のロール式クリーナーで、日本での発売は1975年。当時としては画期的な商品で、オーディオ雑誌でも大きく取り上げられました。その後いろいろなメーカーから類似品が発売され、ローリングクリーナーのブームとなります。 価格は3,900円で交換用のリフィル(ロール)は990円。1981年には改良型の「ピクソール Mk2」が発売されました。 ピクソールはローラ部分に粘着式のテープが巻いてあり、その粘着力でホコリを取るという商品です。テープが汚れたら、切り取ると新しいテープが出てきます。 つまり掃除用品の「コロコロ」と全く同じ仕組み。ニトムズが「コロコロ」を発売したのは1983年で、オーディオファンは誰しもピクソールのパクリだと思ったものでした。 ローラーのテープの長さは1.5mで10層になっています。1本のロールでレコード100〜200面。A面・B面の両方をクリーニングすると、50〜100枚がクリーニングできました。 使用方法はレコードの中心部から外側に向かって、ローラーを転がすことでホコリを吸着します。当時はみんなターンテーブルの上にレコードをセットして、回転させながらクリーニングしていましたが、取扱説明書にはターンテーブルの上では使うなと書かれています。 また説明書には「明らかに汚れたレコードの場合は、あらかじめブラシなどで大きいゴミを取り除いてください」と書かれています。 弱点は粘着テープのため、レコードの溝の中に入ったホコリが取れない場合があること。 交換用のロールが高いのでギリギリまで使おうとすると、テープの粘着力が弱くなり、レコードの静電気に負けて、逆にホコリがレコードに付いてしまうこともありました。この件ではテープの薬剤がレコードに付いて、のためにレコードが汚れたと勘違いする人もいたようです。 また静電気防止のスプレーが使えないため、冬場の「パチパチ」が解消されないなどの問題もありました。 |
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ピクソールのヒットにより、国内のアクセサリーメーカーもロール式クリーナーを発売しましたが、このローリングクリーナーもそのひとつ。 ピクソールとは違いどの方向にローリングさせてもよく、特殊ラバーは柔らかいため、音溝のチリも吸着できました。 価格は2,900円でピクソールよりも、値段が1000円も安く、特殊ラバーのローラーは汚れたら、水洗いするだけ再使用ができ経済的だったので、ピクソールから買い替え組も多かったとようです。 ただ音溝のチリは取り残しも出るため、アルジャントのような従来型のクリーナーと、併用している人が多くいました。 価格は後に3300円に値上げ。 |
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ピクソールのヒットにより、国内のアクセサリーメーカーもロール式クリーナーを発売しましたが、スウィングのローリングダスパーもそのひとつ。 ピクソールのような粘着式クリーナーは手軽な一方で、ホコリの取り残しがあるということで、アルジャントのような従来型のクリーナーと、併用している人が多くいました。 そこでスウィングが考えたのが「ダブルクリーニングシステム」。ピクソールやナガオカのローリングクリーナーと違いローラーが2つあります。 まず青いベルベットのローラーにより、音溝内の汚れ・ホコリを掻き出して、それを黄色の粘着性のラバーローラーで吸着するというものです。ラバーローラーは水洗い可能です。 価格は3,600円で、ひと回り小型のハンディローリングダスパーSR2(2,500円)も販売されていました。 |
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1970年台に発売されてた電動レコードクリーナーです。 直径0.05mmの塩ビ製のブラシを1分間に3000回転させて、レコードの溝からホコリを掻き出して、それを吸い込むという仕組みのレコードクリーナーです。 単3乾電池を2個使用して連続30分稼働できます。 定価は2,800円。 |
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1981年に発売された自走式のレコードクリーナーで、Lo-D AD-093と同一商品。 電動式のクリーナーは、すでに上記のBH-651が発売されていましたが、このAE-320のヒットによって、各社から多くの類似品が発売されました。 当時のこの商品のキャッチフレーズは「ひとりで回り、音みぞ深くクリーニング」。宣伝文句には「最後に残った一筋のホコリに悪戦苦闘することはもうありません」などという言葉が並びます。 今では値段が高かった割に、ホコリが取れなかったという思いでが残っていますが、当時はちょっと未来的なデザインと、「アルジャント」の5倍の値段なのだから、よくホコリが落ちるだろうという期待値のほうが高かったと思います。 使い方はターンテーブルのセンターシャフトにクリーナーをセットして、スイッチを押すとクリーナー自身が回転して、レコード盤のクリーニングを行います。クリーニング時間は約10秒(クリーナーが3〜4回転でOK)です。 LP、EP盤どちらもクリーニング可能で、単3乾電池2本でLP約25枚(表裏50面)をクリーニングできます。 クリーニングは0.05mm(レコードの音みぞと同じ)のらせん状ブラシが、回転(毎分2500回転)することで行われ、ホコリは本体のダストボックスに入ります。 付属品は収納用カバー、置台アダプタ、EPアダプタ、掃除用ブラシ。 定価は4,500円。 |
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1970年代のスタイラスクリーナーです。当時のスタイラスクリーナーは、どのメーカーも香水やマニュキアのような、オシャレなガラスの小ビンに入っていました。 中味はふつうのアルコールなのに、価格は600〜800円もしました。要するにガラスのビンは、少しでも価格を高く見せるための道具だった訳です。 同梱としてトーンアームのクリーニング用に、ウィピングクロスが付いています。 メーカーのJCB(JCB INDUSTRY LIMITED)は、日本綿棒株式会社のことで、同じ「トーンクリーナー」のシリーズとして、カセットデッキ用のクリーニングキットなども販売していました。 |
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