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Ortofon MC-20

Ortofon MC-20は1977年に発売されたMC型のカートリッジです。発売とともに音の良さが話題になり、オーディオ雑誌で新商品やレコードの試聴に使われました。

Ortofonはデンマークのメーカーで、MCカートリッジの元祖と呼ばれ、1970年代はSHAREと並ぶカートリッジの2大メーカーでした。創立は1918年でアクセル・ピーターセンとアーノルド・ポールセンによって作られました。

当時の社名は「エレクトリカル・フォノフィルム・カンパニー」で、世界初となるフィルム・サウンドシステムを開発しています。これは現在でいうサウンドトラック(略してサントラ)のシステムで、サイレント映画からトーキーに切り替わるキッカケとなる革新的なシステムでした。

1945年にはレコード製造用のカッターヘッドの製造を始め、世界中で使用されます。1946年に社名を「フォノフィルム・インダストリー」に変更。

1948年に最初のMCカートリッジを開発。1951年に子会社として設立されたのがOrtofonで、製品のブランド名を「Ortofon」統一するために商標登録が行われました。

1959年にStereo Pick Upこと「SPU」が誕生します。1969年にVMS(可変磁気シャント)方式による発電機構を持ったMI型カートリッジM-15を発売。


そして1977年に振動系を軽量化したニューモデル、MC-20が登場します。

MC-20は従来のSL15シリーズに比べ、ラインコンタクト針の採用によりトレーシンク能力を向上。振動系質量の軽減をはかり、ハイコンプライアンス化を行っています。
バーチカル・トラッキングアングルはRIAAの推奨値の変更にともない、15度から20度へと変更されています。

価格は33,000円でSPU-GE(34,000円)と価格差は1,000円でした。とはいうものの当時は大卒の初任給が9万円~9万5000円という時代です。33,000円というのは高級カートリッジの価格帯で、簡単には手が出る値段ではありませんでした。

そのせいか1978年に弟分のMC-10(25,000円)が発売になった時には、多くの人(MC-20を買えなかった人)が飛びつき、かなりのヒットになったように記憶しています。

MC-20は後継機となるMC-20 MK2が1979年に発売された後も、けっこう長い間販売されており、1985年にMC-20 Superが出た後の1986年ごろまでカタログに載っていました。

これはMC-20 MK2の価格が53,000円、MC-20 Superの価格は58,000円と、かなり強気の価格設定をしたため、MC-20は37,000円でも割安感が出てしまって、売れ行きが落ちなかったというような話を聴いた覚えがあります。



Ortfon MC-20の仕様

発電方式:MC型
出力電圧:0.07mV
再生周波数帯域:5~60,000Hz
チャンネルセパレーション:25dB
チャンネルバランス:2dB
インピーダンス:2.5Ω
負荷抵抗:47kΩ

針先:ファインライン・8μm
針圧:1.5 ~2.0g(最適1.7g)
コンプライアンス
(垂直):25×10-6/dyne
(水平):15×10-6/dyne
自重:7.0g

価格 33,000円(後に37,000円に値上げ)
針交換(ユニット交換)は23,000円。(値上げ後25,800円)
 





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