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DL-103は1964年の誕生以来、50年以上たった現在も販売されている、日本のカートリッジの「スタンダード」、「プロトタイプ・原器」ともいえるカートリッジです。 もともとはNHK技研とDENONが共同開発した放送局用のカートリッジで、1970年から市販されました。当時は放送局の厳しい要求に合わせて開発したという宣伝文句でしたが、NHKの意向でオルトフォンの「SPU」を参考にして開発したようです。 1970年代のカートリッジは、すごい勢いで技術革新と低価格が進みました。 DL-103のスペックや丸針の使用など、新機種と比較すると見劣りする部分もありましたが、当時は「放送局」のご用達というブランドは、絶大な力があり人気は衰えることはありませんでした。 確かにかっての「放送局やスタジオ信仰」の人たちの音質の評価は、プラシーボ的な部分もあり、一辺倒でやや誇張されすぎたていた感じはあります。 高音の伸びや解像度などは、1980年代に登場した1万円クラスのローコスト・高性能MCに負けるところもあります。また音楽を聴いていて面白みに欠ける部分も出ます。 ただDL-103の持ち味はそこではありません。低域~高域までのフラットな特性です。その証拠にDENONは1970年代から90年代にかけて、針先や振動系を改良したDL-103の新製品をたくさん出しましたが、結局生き残ったのは「オリジナル」と「最新型」のDL-103Rだけです。 オーディオという趣味をやるにあたっては基準となる「音」が必要です。その音があるからこそ比較ができます。1970年代の名機ともいえるSHURE V-15 Type IIIも、Ortfon MC-20もDL-103の音と比べられ評価されました。そういう意味ではまさに原器だった訳です。 またあまり語られてこなかったことですが、DL-103には「業務用カートリッジ」として作られたため、堅牢さと動作の安定性という魅力もあります。 1970年代後半から各社は、カートリッジの振動系のローマス化を図ったため、設計や製造上の問題で針が細くなって折れやすくなったり、チップの脱落やコイルの断線といった問題も起きました。 古いレコードはスクラッチノイズが出てもおかしくない訳ですが、こういうデリケートなカートリッジを使っていると、パチパチ音はレコードのせいなのか、カートリッジのトラブルなのかとか、レコードのキズで針を傷めないかと、落ち着いて音楽を楽しめない雰囲気がありました。 その点DL-103は信頼性が高いので、安心感を持って使うことができたと思います。 |
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DENON DL-103の仕様
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