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AIWA・EXCELIA XC−003 1988年 定価39,800円


AIWAのEXCELIA(エクセリア) XC-003は、1988年10月に発売されたエントリークラスのCDプレイヤーです。
1988年のCDプレーヤーは低価格化が進み、各メーカーから4万円以下のモデルが続々と投入され、前年の4モデルから一気に16モデルへと増加します。価格が下がったことによりオーディオファン以外の購入も多くなり、CDプレーヤーの売上げの中で、4万円以下の製品の構成比は31.6%にもなります。
XC-003のライバル機はSONY CDP-770、Technics SL-P333、DENON DCD-810、Pioneer PD-313など。

AIWAは1987年に「EXCELIA」ブランドで発売した、世界初のDATデッキ XD-001(188,000円)が評判となり、翌1988年にはCDプレーヤー3機種をEXCELIAブランドで発売します。これがXC-003と上級機のXC-007(89,800円)、XC-005(54,800円)です。同時にカセットデッキもEXCELIAブランドで発売し始めます。

当時、AIWAは「カセット」とというイメージが強く、CDプレーヤーやスピーカーも発売していましたがヒット商品と呼べる物はほとんどありませんでした。このイメージを崩すべく名付けられたのが「EXCELIA」であり、新たに投入された3機種のCDプレーヤーだったといえます。
ところが、このCDプレーヤーはXC-003がFMfanのダイナミック大賞・部門賞になるなど雑誌の評価は良かったのですが、XC-007やXC-005はセールス的には失敗でした。やっぱり「カセット」のイメージを打ち破れなかったのかもしれません。

翌1989年に発売されたCDプレーヤーの新製品は、XC-717(39,800円)とXC-515(29,800円)の2機種だけ。「名」より「実」を取ったのかEXCELIAの名前をあっさりと捨て、ラジカセなどで知名度があった「STRASSER」へと変更。このためEXCELIAのCDプレーヤーは一代限りで終了となりました。1990年代に入るとカセットデッキも元の「AIWA」ブランドに戻され(一部の機種ではSTRASSERを使用)、AIWA期待のブランドだった「EXCELIA」は短期間で消滅してしまいます。

XC-003の内容は16bitDACに4倍オーバーサンプリングのデジタルフィルターと、1988年のエントリーモデルとしてはごく普通のもの。「ウリ」は2系統のデジタル出力端子と、カセットの録音に便利なクイックピークサーチ機能ぐらいです。
クイックピークサーチ機能は、CDから約30秒でピークレベルを探し出し、ピーク部分3秒を繰り返し再生してくれるもので、それをもとにカセットデッキでレベル設定するというものです。

XC-003はFMfanのダイナミック大賞の部門賞に輝いた訳ですが、実は長岡鉄男がテストしたものと実際に市販された物は違いがありました。記事によるとテストしたものには、天板にPタイルとウレタンの大きなダンプ材が貼ってあったそうですが、販売されたものにはそれがありません。
ダイナミック大賞はメーカーにとってセールスにも影響する大事なものでした。にも関わらずAIWAが何故このようなことをしたのかは解りませんが、上記のとおりセールスは失敗に終わります。もしかしたら、わずかなコストを惜しんだがために「天罰」がくだったのかもしれません。



(音質について)
「398」のモデルとしては、しっかりした音で「ドンシャリ」とは無縁。中音域重視で少しメリハリがある音です。ただ「398」としては音は良いかもしれませんが、超激戦だった同じ1988年の「598」モデルと比べると解像度は低く、音場も平面的で差を感じます。ジャンルとしてはロックやJPOP、歌謡曲向き。

※ネット上で「EXCELIA」はアイワの高級ブランドと書いている人がいますが、これは間違いでピュアオーディオ用のブランド名です。EXCELIAの名前では、このXC-003以外にもカセットデッキのXK-R515などのエントリーモデルを発売しています。ちなみに「STRASSER」は、もともとはラジカセやミニコンポなどのゼネラルオーディオ用のブランド名です。


(フロントパネル)
フロントパネルのデザインは上級機のXC-005とほぼ同じ。外見は高級感を持たせつつ、中味は全くの別物という、当時の「エントリーモデルの文化」を持った機種でした。



(シャーシと内部について)
キャビネットはXC-005と共通。メカと基板の間には、背は低いですが補強用のフレームが入っています。

天板には鋼板のみで制振材などは貼られていません。インシュレーターは、前側が樹脂製の大きな物が付いていますが、後側は通称「ミニ」と呼ばれる小さな足だけになっています。この足が見えるとカッコが悪いということで、フロントパネルの下には目隠しの「スカート」がついています。このような手法は、DVDプレーヤーなどのエントリーモデルでも見られます。

基板はベークライトの大きなものが1枚で、ここに電源とデジタル、オーディオの回路が収まっています。パーツ数はそれほど多くないので、部品の配置にはかなり余裕があります。

天板 底板

前側のインシュレーター 後側のミニ足


(電源回路)
電源回路のトランスは基板上に設置。コンデンサは日本ケミコンの「SME」や、ニチコンの「MUSE」が使われています。
電源回路 電源回路


(デジタル回路 サーボ・信号処理)
デジタル回路のチップは、SONY製で信号処理用の「CXA1081」、サーボコントロール用の「CXA1082B(S)」などが使われています。
サーボ回路には高度なノウハウが必要だったので、そのパーツや技術は、ピックアップやメカと共に親会社のSONYから供給を受けています。回路はアナログサーボのため、調整用のボリュームが5つあります。
サーボ回路 SONY CXA1082B


(オーディオ回路)
オーディオ回路は簡素です。D/AコンバーターはバーブラウンのPCM56Pで、フィリップスのTDA1541と共に16bitDACの定番でした。ただ「898」や「598」クラスのプレーヤーは、選別品を使用しているのに対し、XC-003のものは無印品です。
デジタルフィルターは4倍オーバーサンプリングのパイオニア製「PD0029」。このデジタルフィルターは、あまり使っている機種を見かけませんが、もしかするとSONY製のフィルターより、コストが安かったのかもしれません。

オペアンプはJRC製の「NJM2082L」で、1パッケージの中に2つのオペアンプが入っています。電解コンデンサは日本ケミコンの標準品です。
オーディオ回路 D/Aコンバーター PCM56P

オペアンプ NJM2082L


(ピックアップ・ドライブメカ)
ピックアップ・ドライブメカは、カタログによると「メカニズム部は独自の・・・」などと書いてありましたが、自社製ではなくSONY製のアッセンブリーパーツで、同時期の各社のエントリーモデルなどでよく使われていたものです。(1980〜90年代のCDプレーヤーのカタログでは、他社製のパーツを使用しているにも関わらず、さも自社のオリジナルのように書いてあるものが多いです。)
ピックアップもSONY製のKSS-150Aで、スライド機構はギヤ式です。
ピックアップ・ドライブメカ ピックアップ KSS-150A


(出力端子・リモコン)
出力端子はアナログが固定1系統、デジタルが光と同軸の2系統あります。リモコンの型番はRC-003。
出力端子 リモコン RC-003


スペック

周波数特性 4Hz〜20kHz±0.3dB
高調波歪率 0.004%
ダイナミックレンジ 96dB以上
S/N比 100dB
チャンネルセパレーション 90dB
消費電力 12W
サイズ 幅430×高さ115×奥行352mm
重量 4.8kg













AIWA・EXCELIA・アイワ・エクセリア XC-003 B級オーディオ・ファン