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YAMAHA NS−05 1988年 1本29,000円


いわゆるスピーカーの「598戦争」が行われていた最中、YAMAHAから2種類の小型スピーカーが発売されました。クラッシック用の「NS-1classics」とボーカル用の「NS-05」です。

NS-05は1988年5月の発売で、バスレフ方式のブックシェルフ型の2WAYスピーカーです。ウーファーは12cmでポリプロピレンの振動板を使用。トゥイーターは3cmのソフトドームという構成で、どちらのユニットにもアルニコ・マグネットを使用しています。またテレビの近くでの使用に備えて防磁設計となっています。

NS-05の特徴はその極端な縦長なデザイン。センタースピーカーを縦置きにしたというか、トールボーイのスピーカーのコンパクトにしたという感じです。
当時のステレオサウンドによると、もともとはAV用に開発されたスピーカーだそうで、テレビ台の横に置いても邪魔にならないようにということで、こういう形状になったようです。仕上げはライトオーク調で、少し遅れてガンメタ調仕上げの「NS-05G」も発売されました。
サランネットは表面は布張りですが、中はパンチングメタルなので、取り付けると音はかなり悪くなります。
専用スピーカースタンドは「SPS-05」(4,500円・2本1組)。

この頃はスピーカーの「598戦争」のあおりで、その下の「498」「398」「298」クラスのスピーカーにもお金が懸けられていた時代。ところが、このスピーカーはウーファーやトゥイーターに化粧リングや化粧カバーはいっさい使っていません。キャビネットもラウンドバッフルや丁寧な仕上げも無し。良く言えば「質実剛健」。悪く言えば「貧相」なスピーカーです。

当時としてはデザイン的にも、ボーカル用という割り切ったコンセプトにしても、異色ともいえる存在でした。




(音質について)
音はボーカル域の中音重視。レンジはちょっと狭いです。バスレフとはいえキャビネットの容量も無いので低音はあまり出ません。
ピアノやバイオリン、ギター、ベースなど楽器の音は価格相応。でも「ボーカル・ブラザース」の愛称のとおり、ボーカルは情感があり味わいを聞くことができます。
ただ良いといっても、あくまでも2〜3万円クラスのスピーカーと比較しての話で、4〜5万クラスのスピーカーと比べると、表現力や声の伸びなど物足りなさを実感します。

当時の雑誌ではかなり高い評価を得たスピーカーですが、1988年ごろは10〜13cmコーンを搭載しているモデルは数も少なく、実力もたいしたことはありませんでした。
ところが1990年代になると小型スピーカーのブームとなり、モデル数が増え一気にレベルが上がってきます。これらのスピーカーと聞き比べてしまうと、いろいろと物足りないところが出ると思います。

純正のスピーカースタンドは小型スピーカーにも関わらず、高さがあるものではありません。このことからも解るように、高さ50〜60cmのスピーカースタンドに載せるよりも、床に近いところに置いた方が、中低音が増して音場も豊かになり音は良くなります。

キャビネットの板厚は上下・左右が11mmで、バッフルは6mm。エンクロージャー自体はかなり振動します。もちろんそれを考慮しての設計となっていると思いますが、やはり音量を大きくすると厳しいものがあります。


3cmソフトドーム・トゥイーター

トゥイーターユニットは遠目に見ると黄色いので、「NS-1classics」や「NS-5」などと、同じ綿素材の振動版(通称・目玉焼き)のように見えますが、全く違います。
型番は「JA05A2」で、繊維素材にゴム系のコーティング材(ダンプ材)を塗った物ですが、コーティング材がぶ厚いので、表面の見た目や触った感じはゴムそのものです。アルニコ・マグネットが使用されています。

※1 NS-1classicsのユニットの型番は「JA0586」で、綿素材にフェノール樹脂を含浸。
※2 名機と呼ばれたVictor SX-3のトゥイーターも、繊維素材にゴム系のコーティング材を使用しています。

このユニットはダイレクトマウント方式を採用しています。ダイレクトマウントは不要振動を抑えて、入力信号をロスなく振動板に伝えるというものですが、残念ながらNS-05のマウントは、コストダウンを狙った物であると当時の雑誌にも書いてあります。

黄色のドームの根本から、細いボイスコイルの線が伸びていますが、これを止めているのは接着剤。ムキ出しより良いですが、線が切れやすいことには変わりはなく、クリーニングの時などは要注意です。
(製造ロットによって線がムキ出しになっているものもあります。)



12cmコーンウーファー

ウーファーはポリプロピレンにマイカを混ぜた振動板です。こちらもアルニコ・マグネットを使用。エッジはクロスエッジです。
化粧用のカバーなどは無く、ユニットがネジで取り付けられているだけです。

バスレフポートは紙ダクト 入力端子の径は大きいので
太めのケーブルも入ります。

別売のスピーカースタンド SPS-05 スピーカーとスタンドは、ネジで固定されるようになっています。


スペック

トゥイーター 3cm ソフトドーム
ウーファー 12cm コーン
出力音圧レベル 86dB
クロスオーバー周波数 3kHz
許容入力 40W
最大許容入力 80W
インピーダンス
サイズ 幅160×高さ380×奥行248mm
重量 5.5kg













YAMAHA・ヤマハ NS−05 スピーカー