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Pionner
BDP-LX54

2010年
定価82000円


Pionner BDP-LX54は2010年11月に発売されたブルーレイディスクプレーヤーで、同じ年に発売されたBDP-LX53を「ブルーレイ3D」に対応したものです。

BDP-LX54は下級機のBDP-430(オープン価格・実売3万円前後)と、ほとんど同じ内容のモデルです。このため共通なのは操作説明書だけでなく修理用のサービスマニュアルも共通です。
BDP-430と違うのは底板を追加して二重底とし、前後のパネルをつなぐパネル(ドライブスタビライザー)を追加。電源回路とアナログ回路のコンデンサをオーディオグレードに交換(計4本)。HDMI端子の金メッキ化、インレットと電源ケーブル(BDP-430はメガネ)の変更。そして各回路へコンデンサを若干追加し、電源の安定化や上級機としての画質や音質のチューニングを行っているようです。

ただ追加や交換になったパーツ代を合計しても、この程度では1万円にもならないと思います。それが、いきなり2.5倍の82000円という価格になってしまうのですから異様です。
ところが翌月発売となったイギリスでの価格は、BDP-430が299.95ポンド(当時1ポンド約130円で約39000円)、BDP-LX54が399.95ポンド(約52000円)で100ポンドの高いだけです。これが妥当な値付けでしょう。→WHATS HIFIの記事
しかし、すでに歴史的な円高といわれて時にも関わらず、BDP-LX54は日本よりもイギリスのほうが3万円も安いというのはどういうことなのでしょうか。アメリカでの希望小売価格(アメリカでの商品名はBDP-43FD)も499ドルで、これまた日本よりも大幅に安いです。
日本ではモデル末期となって大幅な値崩れをしても、ちゃんと利益がでるように価格を設定したのでしょうか。どちらにしても日本の消費者を舐めているとしか思えません。

こんなBDP-LX54ですがphilewebの注目モデルテストレポートで大橋伸太郎は「価格はリーズナブルだが、端正な本格的な画質である。」と書いています。やはりメーカーと利害関係にある評論家の言うことは信じられませんね。



(CDの再生について)
オーディオDACは24bit/192KHzを搭載していますが、音はエントリークラスのCDプレーヤーよりも悪いです。解像度、音場、レンジどれひとつとして太刀打ちできません。定価は8万円を超えていますが、中味はやはり3万円のブルーレイプレーヤーなのです。
要因としてはメインのプロセッサのノイズがCDプレーヤーよりはるかに大きいことと、にも関わらず電源回路やアナログオーディオ回路のノイズ対策が貧弱なためだと思います。



(フロントパネル)
フロントパネルにはトレイのオープンや再生、ストップなどのボタンがありますが、デザイン優先で小さく、配置も悪いため使いづらいです。ディスプレィは再生マークとタイトル名にトラックナンバー、時間しか表が無く必要最低限。元は家庭用のエントリーモデルだということを実感させられます。



(内部について)
シャーシは「アーマード(装甲)シャーシ」などと名付けられていますが、3.3kgという重量からも解るとおり、薄い鋼板製で叩けばよく鳴ります。当然ながら強度も高くありません。二重底用に追加した鋼板も0.5mm程度の厚みしかありません。一番いけないのはフロントパネルでハメコミ式でネジによる固定はされていません。

中央部には「高剛性ドライブスタビライザー」と名付けられた鋼板のパネルがあります。名前はそれらしく付けていますがシャーシの強度を確保するための部材です。

内部は左側に電源回路。中央がピックアップ・ドライブメカがあり、その下に映像・オーディオ、サーボなどの主要な回路が1枚の基板に載っています。

ともかくピュアオーディオの世界から見たら考えられない部分も多いです。BDP-LX91の販売が終了し、BDP-LX54が最上位モデルとなったため、AVマニア層にもアピールするために宣伝に智恵を絞ったのでしょうが、どう頑張ったところで所詮中味は一般家庭向けの3万円クラスのBDプレーヤーです。

インシュレーターと底板


(電源回路)
電源回路はパルス電源のような感じです。コンデンサはニチコンの標準品の他にオーディオ回路への電源供給用でしょうか「MUSE」が2本使われています。
電源ケーブルは2Pの着脱式でパイオニアのサイトには、極太電源ケーブルなどと書かれていますが、まったくのウソで普通の太さのケーブルです。
コンデンサ MUSE


(メイン基板 映像・オーディオ・サーボ回路)
メイン基板はドライブメカの下にあります。ここには映像・オーディオ・システムコントロール・サーボなどの回路が収まっています。
現在のBDプレーヤーやBDレコーダーでは、光ピックアップの制御やビデオやオーディオ信号の処理、そしてディスプレイ表示まで1台でこなしてしまう統合プロセッサが使われています。メーカーによってはこれに自社製の映像エンジンを組み合わせたりしています。
以前のユニバーサルプレーヤー全盛のころは、統合メディアチップなどとも呼ばれていましたが、フルハイビジョン化により映像などの処理データが圧倒的に増え、機能や対応ファイルも格段に増えたことから、今ではより高速・高性能なプロセッサが使われています。人によってプラットフォームなどと呼ぶ人もいますが、チップ内に多くの機能が実装されているので、プラットフォームという範疇はすでに越えています。

基板の中央にある白いカバーがついているのが、BPD-LX54の心臓部であるBROADCOM製の統合プロセッサ「BCM7633」で、ブルーレイ(3Dも含む)やDVD、CDの再生に加え、DivX HDやMKVなどのファイルの再生にも対応しています。
その他にはドライブの制御を行うFTSドライバー「R2A30222」やアナログ映像出力用のビデオドライバー「ミツミMM1797CV」、オーディオDACなどがあります。
メイン基板 BROADCOM BCM7633

FTSドライバー R2A30222 エルピーダ製のSDRAM


(オーディオ回路)
オーディオ回路のD/Aコンバーターは24bit/192kHzのウォルフソン「WM8524」。そしてニチコンの「MUSE」2本がここでも使われています。
DAC・WM8524


(ピックアップ・ドライブメカ)
ピックアップ・ドライブメカは3万円クラスのものとしては、よく出来たものといえるかもしれませんが、価格が8万円と言われると釣り合いが取れません。メカベースはABS樹脂製。これはこれで良いのですが肉厚が薄いので強度は不足。トレイも樹脂製でこれもまた肉厚が無いため強度は無く振動にも弱いです。
ピックアップ・ドライブメカ ピックアップ・ドライブメカ

ピックアップは左側がブルーレイ用の青色レーザー。右側がDVD・CD用の赤色レーザー。 ピックアップのスライド用のワームギヤ


(入出力端子・リモコン)
出力端子はHDMIが系統、コンポーネント映像が1系統、映像出力が1系統、光デジタル出力が1系統、アナログ2ch音声出力が1系統、USBが2系統、LANが1系統、RS-232Cが1系統となっています。
出力端子 リモコン


スペック

デジタル音声
周波数特性
4Hz〜88kHz
消費電力 15W
外形寸法 幅420×高さ72.5×奥行228mm
重量 3.3kg













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