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Pioneer PL-1150 |
1975年 定価39,800円 |
パイオニアのPL-1150は、1975年10月に発売されたダイレクトドライブ方式のレコードプレーヤーです。 当時のパイオニアのラインアップは、PL-255(27,500円)、PL-A38(31,800円)、PL-355(31,800円)、PL-1150(39,800円)、PL-A315(41,500円)、PL-1250(45,000円)、XL-1550(59,800円)、PL-1800(90,000円)となっていました。 39,800円という値段は、アンプ、チューナー、カセットデッキ、スピーカーなど、他のオーディオ製品では初級モデルの価格帯でしたが、レコードプレーヤーはパーツ数が少なく、製造コストが安かったせいか、メーカーによっては初級機と中級機の間や、中級機として位置付けられていました。 ライバル機は、AUREX SR-255(DD)、DENON SL-71D(DD)、Lo-D PS-38(DD)、ローテル RP-3000(BD)、SANSUI FR-2080(BD)、Technics SL-55(DD)、TTIO KP-4000(DD)、Victor JL-B31(DD)、YAMAHA YP-400(BD)などです。 この価格帯では、ベルトドライブ(BD)からダイレクトドイブ(DD)へと、移行が進んでいた時期となります。 PL-1150は、ターンテーブルを駆動するモーターには、上級機のPL-1800(90,000円)でも採用された、ホール素子を使ったブラシレス・DCサーボモーターを使用しています。 ホール素子は磁界の強度の応じた出力ができるため、この特性を活かしてロータの位置検知しており、安定した起動と低振動で静かな回転を実現し高いS/N比も得ることができます。また非接触で検知するため耐久性が高く、回転力の損失も低減しています。 回転数の切換えは電子回路の定数切換だけで行える電子式。ターンテーブルの外周にはストロボスコープが刻まれており、これをチェックしながら回転数の調整が可能です。33・1/3、45回転ともに±2%の範囲内で微調整ができました。 ターンテーブルはアルミ合金によるダイキャスト製です。 トーンアームは水平・垂直回転部にアンギュラコンタクト・ベアリングを採用したS字型トーンアームで、軽針圧時のトレース能力を高めたものとなっています。 アンチスケーティング機構(機械式)やラテラルバランサーなども装備しています。標準装備のカートリッジはMM型(デュアルマグネット)のPC-131です。 キャビネットの上部は高強度・高比重(1.5)のミネラルソリッドで、操作部には厚さ3mmのアルミニウムアームパネルを使用しています。側面はパーチクルボード、底面はハードボードとなっています。 PL-1150で特徴的なのはインシュレーターとブチルゴムシートです。このインシュレーターは新たに開発されたもので、ブチルゴムと天然ゴムを使用したエアーサスペンションになっており、外部からのショックや振動にとても効果がありました。 ブチルゴムのターンテーブルシートは、パイオニア製品としてはPL-1800とともにいち早く装備されたモデルです。この後、パイオニアのブチルゴムシートは雑誌でけっこう評判となり、「JP-501」として単体発売され人気商品となりました。 操作パネルは奥からアンチスケーティング調整、33回転と45回転の微調整ツマミ。回転数切り替えボタン。一番手前が電源スイッチ兼アームリフターとなっています。 |
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(内部や回路について) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
キャビネット内部は積層合板ではなく、天板がミネラル・ソリッド(エンジニアリング・プラスチック)、側板はパーチクルボードとなっています。底面のハードボードの内側には帯電や磁気の対策でしょうかアルミのシートが貼られています。 内部はモーターとアームは鋼板のプレートに取り付けられており、トランスや電源回路、サーボ回路などの基板はなどは高強度・高比重のミネラル・ソリッドに取り付けられています。 モーターはDD(ダイレクトドライブ)のブラシレス・DCサーボモーターです。サーボ制御は磁気パルス検出型。いわゆる「FGサーボ」です。 モーターのローターの下面には、速度検出用のマグネットが装着されています。マグネットはモーターの回転軸と同じ回転数で回るので、この磁気をホール素子(ホール効果を利用した磁気センサー)で検知し、それをパルスとして出力します。 サーボ回路ではこのパルスと、基準信号(周波数)とを比較して速度のズレを判定。それを元に回転を補正して安定した回転数を得る仕組みになっています。 とはいうものの、この頃のサーボ回路はそれほど精度が良くなく、多くの機種には回転数の微調整のボリュームがあり、ストロボを見ながら回転数の調整をして、レコードを「かける」のが普通でした。 1970年代後半になるとクォーツPLLなどが普及して、この微調整ツマミは無くなっていきます。 ちなみにPL-1150はサーボ基盤側にも回転数の調整用の半固定ボリュームがあります。 DCモーターを使用しているのに、何故ターンテーブルのストロボパターンには、50Hz用と60Hz用が刻印されているかというと、ストロボ用の照明が家庭用電源の周波数を元に、点滅しているためです。 |
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形式 | マニュアルプレーヤー |
トーンアーム | ユニバーサルS字形トーンアーム スタティックバランス型 |
駆動方式 | ダイレクトドライブ |
モーター | ブラシレスDCサーボホールモーター |
ターンテーブル | 30cmアルミ合金ダイキャスト製 |
ワウ・フラッター | 0.05%以下(WRMS) |
S/N比 | 60dB以上 |
サイズ | 幅440×高さ159×奥行362mm |
重量 | 8.0kg |
付属カートリッジ | PC-131 |
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