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NFJ UPA-152J MkII デジタルアンプ






NFJ(ノースフラットジャパン) UPA-152J MkIIは、PCオーディオの入門機として手軽な価格で買える、USB-DAC付きのデジタルアンプです。発売は2016年7月28日。


UPA-152J MkIIの特徴は、USB-DACを内蔵しており、デジタルアンプの他にヘッドフォンアンプとしても使えるので、スピーカーで聴く場合も、ヘッドホンやイヤホンを利用する時もこれ1台でOK。

スピーカーで聴く場合はこれとスピーカー(パッシブスピーカー)、そしてUSBとスピーカーのケーブルがあれば、簡単にPCオーディオを始められることです。


でも最大の特徴は、ともかく価格が安くコスパが高いこと。そして小さいことです。PCオーディオをやりたいけれど、お金をかけたくないし場所もないという人にはピッタリの商品。

サイズは幅66mm×奥行84mm×高さ27mm(突起部除く)で、写真で見るよりも実物はかなり小さいです。重さは143gしかありません。

2,980円でも十分に魅力的な価格ですが、私が買ったときはセールということで、何と1000円引きの1,980円で販売されました。それでも一人当たりの購入制限は10個までとなっていたので、メーカーはこれでも赤字にならず、ちゃんと利益が出ているのだと思います。

その後、決算セールの時に1,490円という価格で売られましたが、さすがにこの時は全体で30個限定という赤字価格だったようです。



UPA-152J MkIIはUPA-152Jの改良型で、パソコンの起動時やUSBケーブルの抜き挿しで発生するポップノイズからスピーカーを保護するために、フロントパネルにスピーカー出力のON/OFFスイッチを増設しています。

また音質改善のために、オーディオ部、電源部の定数を調整(いわゆるチューニングです)とスピーカーコネクターの配置が変更されています。


低価格と高音質というのは、相反する要素でもあるのですが、PA-152J MkIIでは価格を安くするために、割り切りの良い設計を行いつつ、音質に関わる部分は手を抜かないというポリシーの設計が行われています。

DACに使われているICはC-Media CM108で、USBインターフェイスなどを内蔵したICです。CM-108はもともとオーディオ用の製品ではないので、音質はそれほど期待できません。

デジタルアンプのICはTI製の「TPA3130」を使用しています。このICはフィルタレスのデジタルアンプICですが、フィルタレスで使用すると方形波での出力となるので、音楽信号の再生には不向きです。
UPA-152J MkIIでは、インダクタとフィルムコンデンサを使った、きちんとしたローパスフィルターが取り付けられています。

電源部はUSBバスパワーのみに対応ですが、定電流回路には多くの電解コンデンサを使うことで容量をかせぎ、電源の安定化と音質の向上を図っています。


音量の調節はパソコンのOS側のボリュームを、本体のボリュームアップ・ダウンボタンでコントロールして行います。そのため微調整はできません。

入力端子はUSB端子(TYPE B)で、パソコンからオーディオ信号とバスパワー電源を取り込みます。電源はUSBバスパワーのみで、外部電源は利用できません。

スピーカー端子はネジ止め式ですが、太いスピーカーケーブルは入りません。導体の直径は2mmぐらいまで。ヘッドフォンの出力端子はステレオミニです。

対応OSはWindows98SE/Me/2000/XP/Vista/7/8/8.1/10とMAC。また動作保証対応外ですが、AndroidOSの一部のモバイル端末でも動作を確認しているそうです。

付録として入っているのはスポンジ足、簡易説明書となります。



(音質について)
パソコンにアクティブスピーカーを、直付けして音楽を聴くよりは音は良くなりますが、PCオーディオからみるとやっぱり入門機。音質はよくありません。

レンジが狭く透明感も不足。音にキレが無く細部の音はつぶれている。そして音が軽くて低音が出ないなど。この手の入門機にありがちな音です。

PCオーディオを持っていても、実際には音にこだわりがない人もいるので、そういう人からすれば十分な音かもしれませんが、PCオーディオの、本来のポテンシャルからすると、ちょっと残念な音としか言えません。

USB-DACにデジタルアンプが付いて、それにヘッドホンも使えて1,980円ですから、そこそこの音しか出ないのは当たり前です。世の中はそれほど甘くはありません。ただし機能から見たコスパは圧倒的です。


サイズ比較:左がUPA-152JMark2
右側はSA-36A PRO



(基板・入出力端子について)
小さい基板なのでパーツがけっこう詰まっています。

回路は大きく分けて3つ。USBケーブルで入ってきたオーディオ・デジタル信号を、アナログ信号にするD/A変換回路。それをスピーカーを鳴らせるように増幅するデジタルアンプ。USBのバスパワーから取り込んだ電源を安定化させて、デジタルアンプに供給する定電源回路です。


入力端子はUSBのTYPE-Bで、USBのバスパワーにより電源の供給も受けています。スピーカー端子は小型のネジ止め式ですので、バナナプラグは使えません。

回路の配置は左前がデジタルアンプ、
左奥がD/A変換、右側が電源部です。

USB端子(TYPE-B)と
スピーカー端子


(デジタルアンプICについて)
デジタルアンプICはTI製の「TPA3130」。いわゆるフィルタレスのデジタルアンプICです。

フィルタレスのデジタルアンプの特徴は、方形波(矩形波)をスピーカーに出力することを前提にしていることです。方形波といってもスピーカーは「0」か「1」のデジタル信号では音が出ないので、方形波の形をしたアナログ信号です。

スピーカーから見れば、異常な出力さえなければ方形波でも問題はありません。特にスマホや携帯電話などのように、人の声がハッキリと聴こえれば良い。という単純な機能のものにとっては、大きな問題は無いと思います。

ただし音楽信号を流すとなると話は別です。音楽信号には低音~高音までの幅広い周波数とダイナミックレンジが含まれます。さらにオーディオ的には、これに解像度や音色などの再現性、艶、キレ、スピード感などの「情報」が入っています。

これに時間軸の要素を加えるとかなり複雑な波形となり、それを方形波の形をしたアナログ信号で、表現するのはちょっと無理があります。

またオーディオ用のスピーカーも、音楽信号が来るという前提で設計されている訳ですから、方形波の信号が来ても能力を100%発揮することはできないと思います。

UPA-152J MkIIでは、デジタルアンプICの後ろに、ローパスフィルターを取り付けて、きちんとした音楽信号に変換してスピーカーへに出力しています。

デジタルアンプIC
TI TPA3130
ローパスフィルター


(DACについて)
DACに使われているC-Media CM108は、もともとヘッドセット用のインターフェイスとして開発されたチップです。Widowsのデバイス名が「USB HeadPhone set」と表示されるのもそのためです。

内部にはUSBインターフェイスと16bitDACの他に、ヘッドセットのマイクの音をデジタル信号に変換するために、16bitADCも内蔵されています。オーディオ用の製品ではなく汎用品なので、音質はそれなりということになります。

16bit・DACはサンプリング周波数は44.1と48kHzに対応しています。ちなみに16bitなのでハイレゾ再生はできません。

その他にはUSBのコントロール機能があり、パソコン本体側のボリュームをコントロールできます。またレギュレーターを内蔵しており、USBのバスパワーで動作します。

C-Media CM108


(電源部)
電源回路は「CURRENT ADJUSTED CHARGING SYSTEM」というカッコ良い名前が付けられています。いわゆる定電流回路ですが、ここはある意味、音質のキモになる部分なので、この価格にも関わらず頑張っています。

ベーシックなトランジスタによる定電流回路で、デカップリングコンデンサは、低コストでも大容量になるようにバルクキャパシタとなっています。

PA-152J MkIIは電源がパソコンからのUSBバスパワーだけなので、大音量の低音などアンプの電力消費が大きくなった時に、電力供給が追い付かなくなってしまいます。

電力の供給が追い付かないなど、電源が不安定な状況になると音が歪んだり、ノイズが乗ったりして音質が悪くなります。

そこで、このバルクキャパシタの搭載になったのだと思います。電解コンデンサは、日本ケミコンのLXY(一般品)が使われています。



NFJ UPA-152J MkII デジタルアンプのスペック


定格出力 15W+15W
周波数特性
DAC 16bit 44.1kHz/48kHz
電源 USBバスパワー
サイズ 幅6×高さ27×奥行84mm
重量 143g





デジタルアンプ
USB DAC
ヘッドホンアンプ
DAP
イヤホン
ヘッドホン
オーディオケーブル
PCオーディオTOP
オーディオTOP





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