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TOPPING TP20 MARK2は中国の拓品電子のデジタルアンプです。同時期に発売されていたTP10 MARK2と共にヒット商品となり、2000年代半ばから後半にかけての、中国製デジタルアンプのブームの立役者となりました。 TP20 MARK2は心臓部となるデジタルアンプICに、Tripath(トライパス)社のTA2020を使用しています。 TA2020-020はトライパス社独自の、DPP(DIGITAL POWER PROCESSING)技術を使用しており、AB級アンプのオーディオ特性とD級アンプの電力効率を持っています。 三角波によるPWM(パルス幅変調)を使わずに、独自のアルゴリズムにより、周波数が変化する複雑なデジタル波形を使用しているのが特徴です。その効率は10W出力時で90%にも達します。その他にミュート機能、過電流や過熱などの保護回路が搭載されています。 またTP20MARK2は品質の良いオーディオ用パーツを使用しており、EVOXやEPCOS製のフィルムコンデンサや、Bournsの巻線インダクタといった高音質のパーツを使用しています。 外部電源は12~14Vのセンタープラスとなっており、 付属品の電源アダプターは14V・4Aです。 弟分のTP10はMARK3、MARK4と後継機が作られましたが、TP20はMARK2のまま生産が続けられました。 2010年ごろにはライバル機となる、SMSL SA-36Aが発売されます。SA-36Aは音が良く、価格が安かったので、大ヒット商品となります。 SA-36Aの内部の回路はオリジナルというよりも、TP20 MARK2を参考にして作られた感じがあります。そして2011年に登場したバージョンでは、「パクリ」じゃないのというぐらい、TP-20MARK2に似た回路になっています。 Topping側も日本の代理店である「白箱」のアドバイスを受けて、小さな改良を続けていましたが、トライパス社の倒産による、TA2020の供給問題などを経て、2016年ごろまで販売が続けられました。 (音質について) 音がやわらかいです。傾向としてはS.M.S.L.のSA-36Aと同じですが、これは同じTA2020-020を使っているからというよりも、SA-36Aの入力部やローパスフィルターなどの回路が、TP-20MARK2を参考にして作られているためで、似るのは当然と言えます。 「やわらかい」と言ってもクラシックなどを聴くのに適した音ではなく、いろいろなジャンルの音楽に対応して、長時間でも聴き疲れしないことを目指しているのだと思います。 デジタルアンプの音に対して、「無色透明」とか「クリア」な音などとレビューが多いですが、これはメーカーが作った宣伝文句に、そのままコピペして「乗っかている」だけです。 TOOPINGの同時期のデジタルアンプでも、音の性格づけが行われています。 弟分のTP10 MARK2は音は硬めで、ロックやJPOP、アニソンなどのジャンル向き。 TP20MARK2は少し音を柔らかめにして、いろいろなジャンルの曲をこなせるオールラウンダー。 上級機となるTP-21も、やわらかい傾向の音ですが、レンジや解像度の向上に加えて、電源部を強化して低音が出るようにしています。 そうはいっても、この手のデジタルアンプはACアダプタで音が変わります。これはアンプに電力を供給するACアダプタの電源回路の能力やノイズが、音質に大きく影響するためです。 |
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(フロントパネルとリアパネル) | ||||||||||||||||||||||||
フロントパネルには厚さ8mmのアルミ材を使用。ヘアライン仕上げになっています。 デザインはシンプルで、ボリュームのツマミと電源ランプがあるだけです。 リアパネルのRCA端子は金メッキがされたしっかりとしたものです。それに引き換えスピーカー端子は安物です。スピーカーケーブルを通す穴が小さいので、細いケーブルしか使えません。実質的にはバナナプラグ専用と考えたほうがよいと思います。 DCインは12~14Vのセンタープラスです。 |
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(ケースや内部について) | ||||||||||||||||||||||||
ケース本体はアルミ製のBOX構造。基板はスライドさせて差し込み、フロントとリアパネルを使って固定する方式です。 強度の向上と振動防止のために天板と底板にリブが入っています。底面には小さなゴム足が付いています。 |
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(内部について) | ||||||||||||||||||||||||
このTOPPING TP20 MARK2は、基板の日付は2009年7月。基板のバージョンは「ver2」 内部の回路構成はレイアウトやパーツは違いますが、基本的にはTP10 MARK2やTP21と同じです。 デジタルアンプICはTripath「TA2020-020」。入力カップリングコンデンサには、EVOX CMK フィルムコンデンサ。 DCオフセット調整用のトリマポテンションメータは、BOURNS 3296が使われています。 電解コンデンサはニチコン製のオーディオ用コンデンサ FW 35V・220μF。 ローパスフィルターにはBournsの巻線インダクタや、EPCOS製のメタライズドフィルムコンデンサが使われています。パワーリレーはSONGLE製の12Vです。 |
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メイン基板 | ||||||||||||||||||||||||
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(TA2020-020について) | ||||||||||||||||||||||||
デジタルアンプICのTripath(トライパス)製の「TA2020-020」は、DVDプレーヤーやミニコンポ、テレビ、パソコンなどに使用されており、オーディオ専用ではなく、汎用品といえるICです。 そのおかげで、トライパス社が倒産した後、TA2020-020の供給不足になった時、家電品やパソコンなどから取り外した「中古」のTA2020-020が大量にあったため、各社はこれを使用して製品の生産を続けました。 TA2020-020の特徴はトライパス独自のDPP(DIGITAL POWER PROCESSING)技術によって、AB級アンプのオーディオ特性とD級アンプの電力効率を持っています。 トライパスではDPPを「アナログ的なアプローチ」と呼び、従来のClass-D(D級アンプ)と区別するために「Class-T」と名付けました。 内部には適応信号処理プロセッサ、デジタル変換、ミュート制御、過負荷・障害検出、予測処理、認定ロジックなどの回路があり、それにスイッチング回路による増幅部が搭載されています。 入力信号を変調する際には、三角波によるPWMではなく、ΔΣ変調を使用。適応型と予測型の独自のアルゴリズムを使用しています。これにより周波数が変化する、複雑なデジタル波形を作り出しています。 さらに出力トランジスタを、従来のデジタルアンプICよりも3倍ぐらい高速動作させて、音質を向上させているそうです。 またフィードバック回路も他のデジタルアンプICよりも高度で、アンチエイリアシング(折り返し雑音)フィルタや、連続時間フィードバック回路を備え、高周波歪と低周波歪の低減を行っています。 これらの技術の組み合わせにより、PWMを使用したデジタルアンプICの弱点ともいえるグランドバウンス、デッドタイム歪み、発振器からの残留エネルギー、そして放射ノイズを抑えています。 定格出力はチャネルあたり20W・4Ω(最大出力は25W)と、現在の水準からいうと、決してパワーは高くありません。 ダイナミックレンジは 99dB。高調波歪率は0.03%(10W・4Ω)、S/N比は99dB。電源効率は12W・8Ωで88%となっています。 TA2020-020には過電流や過温度保護回路が内蔵されており、ターンオン&ターンオフポップ抑制回路が搭載されています。 |
定格出力 | 23W+23W(4Ω) 13W+13W(8Ω) |
高調波歪率 | 0.03% THD+N 10W, 4Ω |
ダイナミックレンジ | 99dB |
スピーカーインピーダンス | 4Ω~8Ω |
電源(ACアダプタ) | DC 12V~14V センタープラス |
サイズ | 幅94×高さ44×奥行161mm |
重量 | 454g |
デジタルアンプ |
USB DAC |
ヘッドホンアンプ |
DAP |
イヤホン |
ヘッドホン |
オーディオケーブル |
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