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JAVS nano/Vは2010年8月に発売された、ハイレゾ対応USB-DAC付きヘッドフォンアンプです。 2014年に一旦生産終了となりましたが、半年もたたないうちに再生産が開始されました。価格は以前はオープンプライスで実売9,800円~1万2,000円ぐらい。再発売では7,000円に値下げされています。 「JAVS」は、韓国のジヌンエレコムのオーディオブランドで、日本では「zionote」が取り扱っています。 nano/Vは幅45×高さ17×奥行70mmというコンパクトサイズで重さは53g。 この小さなボディに最大24bit/96kHzというハイレゾ対応のUSB-DAC。USBからS/PDIF信号に光出力するDDC。そしてヘッドフォンアンプを搭載しています。 バッテリーは搭載していませんが、USBバスパワーで駆動するので、ノートパソコンやタブレット、スマホとUSB接続してポタアンとして使用できます。 DACはWolfson社製「WM8716」を搭載しています。このDACは192kHz/24bit対応のシグマデルタ型のマルチピットDACで、デジタルフィルターが内蔵されています。出力は電圧出力です。 ヘッドフォンアンプ用のオペアンプは、ナショナルセミコンダクター製の「LME49860」を採用しています。 USBコントローラーはTENOR「TE7022L」で、USB Audio Class 1.0に対応。アシンクロナスモードやASIOに対応しています。ジッター対策としては、±1PPMのTCXO(温度補償型水晶発振器)を内蔵しクロック生成をしています。 音質対策として、低ESRのタンタルコンデンサや、24金メッキで処理した4層基板などを使用。電源部にはナショナルセミコンダクターの、DC/DCコンバータ「LM2663M」が使われています。 DDCのデジタル出力は、16bit/44kHz~最大24bit/96kHzまで可能で、再生ソフトが対応していれば、ドルビーデジタルやDTS信号を出力する事も可能です。 出力端子はヘッドフォンが3.5mmのステレオミニ。AUXはアナログ/光デジタル兼用端子で、「ライン+ヘッドフォン」「光+ヘッドフォン」の2系統同時出力が可能です。USB入力はminiB端子です。 ボリュームは電子アッテネータによるステップ式です。音量の微調整が出来ないので、パソコンやスマホのアプリ側でやったほうが良いです。 |
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(USBのドライバーについて) | ||||||||||||||||||
nano/Vの発売時の対応OSはWindows XP/Vista、/7、Mac OS Xでしたが、Windows10でもドライバーのインストール無しに使用できます。 |
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(音質について) | ||||||||||||||||||
パソコンのイヤホン端子から聴くのと比べると、解像度があり細い部分もちゃんと再生されます。低音も良く出ています。 ただ、曲のイントロは良いのですが、楽器の数が増えるに従って、音の混濁が始まります。 同じUSB-DACのRATOC RAL-24192UT1やAudinst HUD-mx1と、音を比較するとその差は歴然。nano/Vはレンジが狭く、解像度も不足しています。全体的に音が軽く高音の伸びや低音の量感もありません。 このためハイレゾを再生しても不完全燃焼となります。foover 2000を使用して、同じ曲の24bit/96kHzのFLACと、16bit/44.1kHzのWAVを比較すると、低価格のスピーカーやイヤホンを使って聴くと、その差が少ないです。人によっては違いに感づかない人も出てくるかもしれません。 ポタアンの回路はどうしてもスペースやコスト、消費電力の問題で、据え置き型のヘッドフォンアンプに比べて制約を受け、回路のレベルが落ちてしまいます。 nano/Vでは消費電力を抑えるために電源回路が貧弱で、それが音にも影響していると思います。 携帯性はとても良いDAC付きヘッドフォンアンプですので、音質との妥協の線引きで、使い勝手の良し悪しが決まると思います。 |
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(ケースや内部について) | ||||||||||||||||||
ケース本体はアルミ製のBOX構造で、基板はスライドさせて差し込み、両端のパネルを使って固定する方式です。 ボディが小さいので中の基板も小さいのですが、DACやUSBコントローラーなどのIC以外は、最小限のパーツで回路を組んだという感じです。 DACのメーカーであるWolfson社は、当時は高音質なDACを作ることで有名でした。現在はCirrus Logicに買収されています。 「WM8716」は192kHz/24bitのDACで、S/N比は112dB、THDは0.0014%(1kHz,0dB)というスペックです。内部にはデジタルフィルターの他に、ミュート、デエンファシス、アッテネータなどを内蔵しています。 さすがにDAC用の安定化電源も無く、ノイズをまき散らすUSBコントローラーがすぐ隣りにあるのでは、その能力は発揮できません。 WM8716は電圧出力ですが差動出力ではありません。そのためDACの後ろはI/V変換や差動合成の回路はありません。ローパスフィルターは低次のRC型です。 ヘッドフォンアンプはオペアンプ「LME49860」で増幅していますが、パーツが少なく必要最低限という感じの回路です。 ポタアンとして使用する時は、パソコンやタブレットなどのバッテリーから電源を取る訳で、音質を良くするために電力を消費すると、すぐにバッテリーが減ってしまいます。 そのため、音質優先というよりは電力消費を抑えたり、小さいスペースにどれだけの機能を、詰め込むかという感じの設計になっています。 |
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入力データ | 16bit~24bit 44.1kHz/48kHz/96kHz |
周波数特性 | |
S/N比 | |
ヘッドフォン インピーダンス |
16~300Ω |
電源 | USBバスパワー |
サイズ | 幅45×高さ17×奥行70mm |
重量 | 53g |
USB DAC |
デジタルアンプ |
ヘッドホンアンプ |
DAP |
イヤホン |
ヘッドホン |
オーディオケーブル |
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