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(レコードプレーヤーの種類) | ||
1.マニュアルプレーヤー マニュアルプレーヤーは名前のとおり、すべて手動て操作するタイプ。 2.セミオートプレーヤー セミオートプレーヤーは、レコード演奏の終了時や演奏を停止する時に、アームが自動的に定位置にもどるオートリターンとオートカットの機構を搭載しているタイプ。 3.フルオートプレーヤー フルオート(マチック)プレーヤーは、上記のオートリターンとオートカット機能に加えて、オートプレイや、 同じレコードを繰り返して演奏させるオートリビートなども可能です。 4.オートチェンジャー オートチェンジャーはスピンドルの部分に、6枚〜10枚ぐらいのレコードをセットして順番に演奏できます。(チェンジャー機能) ただし、レコードを上から下に落とす方式のため、セットした順番にしか演奏できません。 フルオートプレーヤーに、チェンジャー機構を付けた物が多く、1枚だけの演奏ならば、フルオートと同じ使い方になります。 |
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(プレーヤーのキャビネット) | ||
プレーヤーのキャビネットは、モーターやアームなどを取りつけるだけでなく、外部の振動やモーターの振動が、レコードやアームに伝わって、ハウリング(共振)を起こして、歪やノイズやS/N比の 音質が悪化させるのを防ぎます。 そのため、キャビネットの材質や構造は、振動を抑え込んだり、吸収する能力が必要で、積層材や合金、大理石、骨格構造などが開発されています。 ダストカバーは名前のとおり、ターンテーブルシートやトーンアーム、カートリッジにホコリがつかないようにするためのカバーです。 ホコリはレコードにとっても大敵ですが、レコードの演奏中は外すのがベスト。 ダストカバーはヒンジ部が基部に差し込んであるだけで、固定されていないため、簡単に振動します。またそれ自体も振動対策はされていません。 せっかくキャビネットが振動対策をしていても、これでは意味がありません。 また、昔はダストカバーを閉めていると、針先がレコードの音溝をトレースする際に発生する音が、カバーの内部で反射して、カートリッジがまたそれを拾ってしまい、ハウリングが発生するとも言われていました。(実際にどの程度の影響があるかは不明です) |
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(インシュレーター) | ||
キャビネットの脚の部分で、外部からの振動を吸収する役目と、踏ん張りの効果で、レコードプレーヤーの中にあるモーターの振動を押さえつける役割もあります。 昔はキャビネットと同様にスピーカーの振動による、ハウリングの発生を抑えるという考え方が強く、スプリングや空気バネ、ゴム、粘性素材などを使用した、振動を抑える機構が付けられたものは、アイソレーターとも呼ばれていました。 |
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(モーターの駆動方式の種類) | ||
1.ダイレクトドライプ( DD )方式 モーターのシャフトを、そのままターンテープルを回転させるシャフト(スピンドル)とするもので、モーターがターンテーブルをダイレクトに駆動します。 ダイレクトドライブは、低速で滑らかな回転をするモーターが必要です。初期はモーターのトルクが弱いという弱点がありましたが、その後は改善されました。 2.クオーツロック方式ダイレクトドライブ ターンテープルの回転精度を高めるために、モーターの回転を制御するサーポ回路にある基準信号に、水品発振器を使用しています。 またPLL回路を使用して信号と回転のズレが発生すれば、瞬時に修正する機能を搭載しています。 このクォーツとPLL回路のおかげで、精度の高い定速回転を維持できるため、定速になった状態を「ロック」(動かない、変動しない)と呼びます。 このクオーツロックの登場により、ストロボによる回転数の調整という作業が不要となりました。 3.ベルトドライプ方式 モーターのキャプスタンとターンテーブルの外周をベルトで結び、ターンテープルを回転する方式です。ベルトの材質はゴムや糸などが使われます。 メリットはモーターの振動をベルトが吸収するので、振動がターンテーブルに伝わりにくいこと。モーターは高速回転も大丈夫なため、トルクの大きなモーターを使用できます。 デメリットはどうしてもベルト部分でスリップが発生するために、モーターの回転精度が良くても、ワウフラッターが大きくなることです。 基本的には安いモーターを使用して、製造コストを抑えられるため、ダイレクトドライブが主流になった後も、ビギナーモデルなどで使用されました。 また、高級機ではモ−ターとターンテーブルを独立した装置として、完全に分離して振動の影響を排除したり、砲金製の慣性質量の高いターンテーブルを採用したりしています。 3.リムドライプ方式 アイドラードライプとも呼ばれる方式で、モーターのキャプスタンとターンテープルのリムの間に、ゴムのアイドラーを介してターンテープルを回転させます。 昔は代表的な方式でしたが、構造が簡単で低コストの、ベルトドライプ方式にとって変わられました。 |
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(モーターの種類) | ||
1.シンクロナスモーター 電源の周波数に同期して回転するモーター(ACモーター)で、電圧の変化には影響されないというメリットがあります。 2.ヒステリシスシンクロナスモーター シンクロナスモーターと同様に、電源の周波数に同期して回転するモーターです。 シンクロナス型は回転子にマグネットを使用していますが、ヒステリシス型は磁性体のヒステリシスリングが使われています。 シンクロナス型よりも振動が少なく回転も安定するのて、高級ベルトドライププレーヤーなどで使われていました。 3.DCモーター 直流で回転させるため、電圧の変化により回転数を自由にコントロールできます。 メリットは低速回転が可能なこと。サイズが小型の割にトルクが強いことなどです。 4.インダクションモーター 昔使われていたモーター(ACモーター)で、ローコストで大きなトルクが得られるのが特徴です。 欠点として振動が比較的大きく、電源の電圧の変動により回転数が変化するため、シンクロナスモーターなどに置き換えられました。 |
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(ターンテーブル) | ||
ターンテーブル ターンテーブルは、レコードを設置して回転させる台です。なめらかで、正確な回転が求められるため、モーターの回転力の他に「慣性の法則」を使用しています。そのためある程度の質量が必要です。 1970年代の後半から80年代は、慣性質量を稼ぐために大きくて重いターンテーブルが良いとされましたが、それだけモーターの駆動力も高い物が必要となります。 材質はアルミダイキャスト、砲金など。 ストロボスコープ 回転数が正確かどうか確認するための機構で、ターンテーブルの外周などに取り付けられたマ一クにネオンランプを照射することで、マークが制止して見えれば、回転数が正確ということになります。 |
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(トーンアームの種類) | ||
トーンアームはカートリッジの針を、レコードの音溝を正確にトレースさせるための装置です。材質はアルミ合金やカーポンファイバーなど。 ストレートアーム 文字通りアームの部分は直線で、ヘッドシェルでオフセット角を付けます。 メリットはトーンアームの剛性が高く、J字型やS字型に比べると短いため軽量になります。またアームが左右対称のため、バランスによる問題が生じないなどです。 ストレートアームはメーカーによる独自の仕様も多かったため、1970年代の後半でも、ストレートアーム用のヘッドシェルは、ほとんど市販されておらず、レコードによってカートリッジを替えたい場合は、とても不便でした。 J字型アーム ストレートアームの先端を左側に曲げて、オフセット角を付けてJ字型にしたものです。 S字型アーム J字型アームを発展させた形式で、J字型はアームの左右の重量バランスがズレやすいのに対して、S字型はアームをもう一度逆に曲げることで、それを補正することができます。 デメリットはS字型にすることで、アームが長くなり重量が増えてしまいます。 J字型アームとS字型アームで、ヘッドシェルとのコネクタが互換性をもつ物はユニバーサル型とも呼ばれます。 リニアトラッキングアーム 普通のトーンアームは、レコードに対して円弧に動きますが、そのためにトラッキングエラー角が生じます。 リニアトラッキングアームは、レコードの音溝に対して直角に移動するため、トラッキングエラーが少なく、歪の発生を抑えることができます。またインサイドフォースも原理的に発生しません。 アームを移動させるメカの精度が重要で、高級機にしか搭載されていませんでしたが、Technics SL-10のヒットにより、搭載モデルが一気に増えました。 |
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(トーンアームの軸受けの方式) | ||
トーンアームは、針先へのわずかなカで左右に動いたり、レコードのわずかなソリに対して、上下に追従する感度の高さが必要となります。 1.2軸サポート型 アームの中心に上下方向の支持部を持つジンバル(吊枠)と、台座部分に左右方向の回転支持部を設けた方式です。昔は分離型とも呼ばれていました。軸受けにはベアリングを使用。 2.ナイフエッジ型 上下方向の支持部には名前のとおり、刃物の先のような金属板を使って支持します。べアリングに比べて摩擦係数がほとんど無いため、高感度なアームを作れます。左右方向は2軸サポートと同じで、台座部分に回転支持部があります。 3.ジャイロジンバル型 2つのジンバル(吊枠)を組み合わせて、アームの中心に上下、左右の回転支持部を集めた物です。 外側のジバルで左右の回転を支持し、内側のジンバルで上下の回転を支持します。 回転軸が直交するようにジンバルを設置すると、いわゆるジャイロ効果の応用で、内側のジンバルに載せられたトーンアームの向きを常に一定に保つことができます。 また左右の回転軸が上下に配置されるため、軸受けに無理な力が加わらないなど、高感度なトーンアームができます。 4.一点支持型(ワンポイントサポート) トーンアームの上下左右の動きを一点て支持するタイプです。 硬度の高い人工サファイアなどで、ピンポイントに近い形でアームを支える構造です。 理論上は摩擦が少ないため、とても感度の良いトーンアームになりますが、実際に使うとなるとバランスが取りにくい、振動に弱いなどの問題があります。 そのためオイルダンプを併用して、ふらつきや振動を制御する事が多く、感度はは逆に低下する場合もあります。 |
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(針圧の方式) | ||
1.ダイナミックバランス型 この方式はスプリングの力で針圧を加えるもの。 レコードのソリに対しても安定した針圧を加えることができます。 欠点は高い精度のスプリングが必要なのと、針圧機構の構造が複雑になるためにコストが高くなります。 またスプリングの反発力が経年により変化するため、針圧が狂うという問題があり、別途、針圧計などを使用して調整が必要となります。 スタティクパランス型 天秤ばかりと同じ方式で、錘(おもり)によって針圧を加えるタイプです。 この方式は単純な機構で正確な針圧を加えられるため、多くのレコードプレーヤーで採用されました。また経年による狂いがほとんどないと言えます。 |
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(トーンアームの調整機構) | ||
インサイドフォース・キャンセラー メーカーによっては、アスケーティング・キャンセラーとも呼ばれています。 レコードの回転によってレコードには遠心力が発生する一方で、カートリッジの針先はそれを打ち消そうと、逆方向の向進力(求心力)が発生します。これはスケーティングとも呼ばれます。 これによりトーンアームが内側に引っ張られてしまうため、この力を打ち消す機構です。ウェイト(錘)を糸で吊り下げて引っ張る物や、スプリンングで引張るタイプ、マグネットを使った物などがあります。 ふつうはカートリッジの針圧と同じ目盛りに合わせます。 ラテラルバランサー 水準器を使用して、レコードプレーヤーの水平を正しく取っていても、アームは形状によって右側の重さと、左側の重さが違うために、アームが右や左に流れる現象が出ます。これを補正するのがラテラルバランサーです。 レコードプレーヤーのメーカーや年代によって付いていない機種もけっこうあります。 |
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(ヘッドシェル) | ||
アーム先端のカートリッジを取りつける部分です。古くはヘッドカーソルとも呼ぶれていました。 ヘッドシェルの取りはずし可能で、コネクターの形状が互換性をもっている物はユニバーサルタイプとも呼ばれていました。 |
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(トーンアームのその他の用語) | ||
アーム実効長 アーム全体の長さてはなく、針先から回転軸まての長さのことです。アーム実効長が長ければ、トラッキングエラ一角が少なくなります。 トラッキングエラー角 リニアトラッキング・アーム以外のアームは、軸を中心に回転しながらレコードの音溝をトレースします。このため針先と音溝が平行にならないため、角度差(トラッキングエラー角)が生じます。 トラッキングエラー角は、数値が小さい方が良いのですが、レコードの外周と内周で差がでます。 オーバーハング トラッキングエラー角を小さくするために、アームに取りつけられたカートリッジの針先は、ターンテーブルの中心にあるスビンドルよりも、少し先に出た位置となっています。この針先とスビンドルとの間隔がオーバーハングです。 オーバーハングはアームの設計て決定されるため、カートリッジをヘッドシェルに取り付ける時、またそれを別のレコードプレーヤーで使用する際にも、針先を指定された長さ(位置)に合わせなければなりません。 市販のオーバーハングゲージを使用すれば、指定された位置に針先を合わせることができます。 アームの高さ調整 アームの高さはレコード盤と水平にしないと、カートリッジの針先がレコードの音溝に対して正しい角度で接しません。これを調整する機能です。 厳密にいうとカートリッジによって、カンチレパーの長さや角度、ダンパーの硬さが違うので、そのたびに調整しなくてはなりません。また高さが違うターンテーブルシートに交換して使う場合も同じです。 低価格なモデルには付いていない場合も多いです。 |
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(フォノイコライザー) | ||
レコードは収録時間を長くしようとすると、トラック(音溝の間隔)を狭くしなくてはいけません。 ところがレコードを作る際には、低音は音溝の振幅が大きくなり、トラックに収まらなくなります。逆に高音は振幅が小さくなります。 またカートリッジの針が音溝を正確にトレースするためには、音溝の振幅が大きすぎたり、小さ過ぎるのは具合が悪い部分(カンチレバーの強度など)もあります。 そういうことを考えて作りだされたのが「RIAAカーブ」です。この規格を作ったのはRIAA(アメリカレコード協会)ですが、世界標準の規格になっています。 RIAAは昔は「アール・アイ・エー・エー」と正確に読まれていましたが、最近は略語風に「リア」と呼ぶ人が増えています。 RIAAカーブはレコードの音溝が低音は小さく、高音は大きくなるように、音楽信号の周波数を補正する値のことです。 イコライザー(補正器)の役目は、このRIAAカーブがかかった音楽信号を、元に戻して本来の音にすることです 今風に言うとWAVE、MP3、AACなどの圧縮された音楽ファイルを解凍(デコード)するのと同じことをしています。 フォノイコライザーのもうひとつの役目は、出力レベルを上げることです。レコードプレーヤーのカートリッジからの出力は、0.1?5mVしかないため、アンプ側の入力レベルまで増幅しています。 |
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(その他の用語) | ||
S/N比 S/N比(Signal to Noise ratio)とは、S(信号)とN(ノイズ)の比を対数であらわしたもので、単位にはdB(デシベル)が使われます。 レコードプレーヤーの場合、フォノモーターからから発生するノイズ音ではなく、ピックアップで拾い上げられる雑音成分としての振動などです。 ワウフラッター ターンテーブルの回転ムラのことで、数値は%て表示されます。JIS規格で制定されており、正確な回転に対する偏差値が示されます。数値が少ない方が回転ムラが少なく、正確なレコードの演奏ができます。 「ワウ」は比転的周期の大きい回転ムラを指し、「フラッター」は周期の小さい回転ムラを指します。 回転数調整範囲 ストロボなどで回転数を調整するレコードプレーヤーに、搭載されている機構で、レコードの回転数の微調整な範囲を%で表示しています。 |