SONY XBA-100のレビュー

SONYのXBA-100は、2014年10月24日の発売に発売された、バランスド・アーマチュア（BA型）のイヤホンです。 XBA-10（2012年）の後継モデルで、真鍮をそのまま使用したハウジングを採用して話題になりました。 バランスド・アーマチュアは、新開発のシングルタイプの「リニアドライブ バランスド・アーマチュアユニット」を採用しています。 従来のU字型のアーマチュアは、上下の振動に非対称性が少し発生するという欠点がありました。 リニアドライブ バランスド・アーマチュアユニットでは、アーマチュアをT型にすることで、振動の対称性が高めています。 またアーマチュアと振動板の連結部分は、振動板と連結ロッドを一体化した、ダイレクトドライブ構造を採用。 これらにより、入力信号に対して忠実に波形を再現する「リニアリティ」が向上しているそうです。 XBA-100のハウジングは、一般的な樹脂製のハウジングよりも、剛性が高く、内部損失に優れる真鍮を採用して、音質に悪影響な不要な振動を抑制して、音質の向上をはかっています。 また真鍮の質感を製品の魅力とするため、塗装をせずに使用されています。 音導管にも真鍮を採用することで、強度を保ちながら内径を拡大し、抜けのよいクリアな音を実現しています コードの導体には銀コートOFC リッツ線を採用して、信号の伝送ロスを抑えています。 また4芯構成の独立グラウンドケーブルとすることで、左右のセパレーションを改善して、クロストークを低減しています。 長さは1.2m（Y型）で、プラグは3.5mm金メッキL型ステレオミニプラグです。 4サイズのハイブリッドイヤピース(SS,S,M,L)と、クリップ、コード長アジャスター、キャリングポーチが付属しています。

バランスド・アーマチュア（BA型）とは

アーマチュアというのは、「電機子」のことで磁力（磁場）の作用によって、電気エネルギーを運動エネルギーに変換するパーツのことです。もともとはモーターなどの部品名として使われていた言葉です。 アーマチュアは、磁性材料のパーマロイ（鉄ではありません）の薄い板にコイルを巻いたもので、コイルに信号が流れるとN極になったりS極します。アーマチュアを動かすために磁石を取り付けると、磁力の反発作用によりアーマーチュアが動いたり、吸引により引き付けられたリします。 これはダイナミック型のドライバーのボイスコイルと動作の向きが違うだけで、ここに振動版を取り付けてやれば音がでます。 ダイナミック型のドライバーでは振動板を引き付けたり戻す時には、ボイスコイルの磁石の力の他に、ダンパー部分の力が反作用として加わります。ところがバランスド・アーマチュア型では、どちらも磁石の力だけで行うので応答性が早く、ダンパーによる変な音の色付も起きません。 「バランスド」というのは反発と吸引の磁気バランスのことを指しています。 ちなみにSONYではアーマチュアのことを「接極子」と呼んでいますが、もしかすると他のオーディオ製品のパーツと混同しないための呼び方かもしれません。 磁石を取り付ける前のアーマチュアは、テープデッキのヘッドのコアと全く同じですし、モーターはCDプレーヤー、BDレコーダー、テープレコーダーなど多くの製品で使われています。

XBA-100の音質について

音は解像度と透明感が良いです。ダイナミック型の高いイヤホンでも再生できないような、細かい音も再現しており、新開発のBA型ドライバーの良さと真鍮ボディによる振動対策が効いているように思います。 弱点は低音が弱いことです。たぶん低音好きな人が聴くと、「出ない」と言われそうなレベルです。 BA型はダイナミック型に比べると、ユニットの構造上、低音が出にくいため、高級モデルなどでは、BAユニットと低音用のダイナミックユニットを組み合わせている物もあります。 SONYのBA型イヤホンでも、XBA-C10などはXBA-100よりも低音が出ますので、これはこういうチューニングなのだと思います。 ケーブルのタッチノイズは、よく抑えられているほうです。

XBA-100のフィット感について

真鍮ボディですが重さはそれほど、ありません。でも音筒の部分が短くて細いために、フィット感はあまり良くないです。 ふだんはハイブリッドイヤピースのMサイズを使用していますが、XBA-100ではLサイズにする必要がありました。

SONY XBA-100のスペック

SONY XBA-100の音質とレビュー・評価　Ｂ級オーディオ・ファン