茶楽音人 Co-Donguri 雫のレビュー

茶楽音人のCo-Donguri 雫(SHIZUKU)は、2016年6月24日に発売されたハイレゾ対応のカナル型イヤホンです。 当時は5,000円を切るハイレゾ対応イヤホンとして話題になりました。 Co-Donguri（こどんぐり）という名前のとおり、ドングリのようなデザインが特徴のイヤホンです。 基本のカラーはSmoky Gold、Dawn Blue、Silver Moonの3色ですが、e☆イヤホン限定モデルとして、Cosmos、Green Opal、Amber Orangeが発売されています。 茶楽音人（さらうんど）は、SONYでヘッドホンやスピーカーの開発・設計を担当していた山岸亮氏が、2010年に設立した「音茶楽」と、イヤホンなどの設計・製造を行う「TTR」がコラボして誕生したブランドです。

Co-Donguri 雫の特徴について

Co-Donguri 雫の基本構造は、上級モデルの「Donguri-楽」と同じで「どんぐり」型です。再生周波数帯域は5Hz～40kHzとハイレゾに対応したイヤホンです。 ダイアフラムの後側のリアキャビネットを、どんぐり型にして平行面を無くすことで、音質に悪影響を与える定在波や共振の発生を抑え、クリアな再生音を実現します。 トルネードイコライザーは音茶楽の特許技術で、カナル型（密閉型）により外耳道をふさぐことで、外耳道の中で発生する6kHzの共振を抑える技術です。 イヤホン内の音の通り道（音道）に、新たに距離の長いバイパスを作り、わざと位相を遅らせて逆位相にして、これをメインの音道を通ってきた音と合わせることで、6kHzの共振を打ち消す仕組みです。 仕組みは違いますが、これはイヤホン内にノイズキャンセリング回路を作ったのと同じことになります。 通常装着と耳かけ装着の、どちらでも可能な2Ｗａｙ装着。コードは絡みにくいスパイラル・コードを採用しています。 シリコンイヤーチップは、単品でも販売されている「SpinFit」（スピンフィット）です。 先端の開口部を鼓膜に向けるため、ダクト中心部がくびれているのが特徴です。これにより、指向性の強い高音域再生が改善され、密閉度が高まることで低音域も改善されます。 コードは1.2m（Y型）で、プラグは金メッキのL型ステレオミニプラグです。 付属のシリコン製イヤーピースは、「SpinFit」を使用。サイズはS、M、Lサイズ。

Co-Donguri 雫の音質について

Co-Donguri 雫の音は「ドンシャリ」から、「ドン」を取ったような音です。 解像度と透明感はあります。高音と中音はバランスをとっているので、聴きやすい音です。でも相性が悪いDAPやスマホでは、高音が突き刺さるように、暴れることもあります。奥行などの音場はまずまず。 問題はかなり低音が不足していることで、低音が良く出るイヤホンから買い替えると不満を覚えると思います。 ハイレゾ対応と言いながら、ハイレゾ対応のUSB-DACのRATOC RAL-24192UT1やAudinst HUD-mx1で、192kHz/24bitや96kHz/24bitのFLACを再生すると、かんじんの高音は伸びやキレが物足りないです。 ハイレゾ対応になっているからといって、音が良いという訳ではありません。 音楽のジャンルはオールラウンド。ロック、JPOP、クラシック、ジャズ、アニソンと不得意なジャンルはありませんが、反対に得意なジャンルもないという感じです。 メーカーの宣伝文句ではトルネードイコライザーにより、6kHzの共振が抑えられることになっています。6kHzというのは、イヤホンでよく問題になる「シャリシャリ音」の部分です。 Co-Donguriでシャリシャリ音が抑えられているかというと、答えは「No」で他のイヤホンと同じぐらい聴こえます。 トルネードイコライザーは特許をとっていますが、特許は書類審査だけで、実物を使って、効果があるかどうか確かめる訳ではありません。オーディオの世界ではたいして効果がないのに、特許になっているものが山のようにあります。 ケーブルのタッチノイズは少ないです。 eイヤホンなどの販売店では、けっこう売れたイヤホンですが、現在は低価格帯のイヤホンのレベルが上がっているので、中古でも必要ないかなという感じです。

Co-Donguri 雫のフィット感について

イヤーピースは「SpinFit」を採用していますが、フィット感は悪いです。 音筒（チューブ）が短く、イヤーピースの形が浅いのとボディがやや重いので、少し抜け落ちそうな感じがします。座っている時は良いですが、通勤の途中で走る時など、運動をした時には不安です。

Co-Donguri 雫 グリーンオパール

茶楽音人 Co-Donguri 雫のスペック

茶楽音人 Co-Donguri 雫の音質とレビュー・評価　Ｂ級オーディオ・ファン