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Celestion 7MkU

   1993年 1本40,000円



Celestion(セレッション)はイギリスの老舗メーカーで、その歴史はタンノイよりわずかに古く1924年に設立されました。1925年からラジオ用のスピーカーを生産を開始します。
当時のラジオは受信部とスピーカーが別々のボックスにおさめられていましたが、その後受信部が小型化され一体型となります。1932年には初めて高域用と低域用のユニットを持った2ウェイシステム「Reetone Dual」を開発します。

1950年代に入るとテレビ用のスピーカーの製造が開始され、BBCモニター用にHF1300トゥイーターの生産も手がけます。さらにギターアンプ用のスピーカー「Celestion Blue」を開発、世界的に有名になっていきます。

オーディオ用のスピーカーとしては1964年に「Ditton10」を発売。1970年代はこのDITTONシリーズが同社の顔でした。1980年代になると「SL-6」シリーズや「Celestion 3」などのヒット商品を生み出します。これらの設計は他社のスピーカーにも大きな影響を与えました。

1990年代からは、時代の流れを意識して、ホームシアター用のスピーカーなども生産しますが、ヒット商品に恵まれず、現在はギターアンプのスピーカーや、プロ用機器の製造がメインとなっています。
Celestionのスピーカーの歴史


(Celestion 7MkU)
1989年、セレッションは自らの社名を冠した小型スピーカー「Celestion 3」を発売します。このスピーカーは評価が高く、1991年には「Celestion 5、7、9、11」とアルミトゥイーターとコベックスウーファーを採用した「100W」を発売。1992年には「Celestion 1、15」が発売されてシリーズ化されます。1993年にはCelestion 3、5、7が、それぞれ改良型であるMkUへと移行します。

Celestion 7MkUは2ウェイのブックシェルフ・スピーカーです。ウーファーは20cmのコーン型、高域用に2.5cmのチタンドームトゥイーターを搭載しています。
キャビネット(エンクロージャー)はオーク調の突き板に仕上げで、厚さ15mmのパーチクルボード製です。

Celestion 7からの改良点は、ウーファーが新開発のユニットとなり、それにあわせてネットワークを改良しています。キャビネットは低域の改善のためにバスレフ化しています。これらにより若干ですが能率も向上しています。イギリスでの価格は219ポンド(1本)でした。

このCelestion3、5、7は、当時の最新のコンピュータ設計取り入れたスピーカーで、壁に近いところに設置することにより音場の形成や低音の増強をするように設計されていました。MkUではバスレフ化されましたが、壁の近くに設置するコンセプトは変わっていません。

またイギリスのスピーカーですので、箱鳴りは当然あります。日本のオーディオファンには、まだ箱鳴りを「悪」と見なす人もいますが、ヨーロッパのスピーカーの場合、どうせ箱鳴りを止められないなら「是」と見なして、あえてエンクロージャーの板を厚くせずに、スピーカー全体を使って音を出す設計をしているものが多くあります。



(音質について)
このスピーカーの持ち味はチタンドームを活かした中高音です。ソリッド感を残しながら、ふくらみと暖かさを持った音はなかなか魅力的です。
高音は透明感があり音場も良好。低音は国産の同クラスのスピーカーより少し弱いかもしれません。締まりは良好です。
ジャンルはジャズ、ボーカル、ロック向きのサウンド。ギターアンプのスピーカーを作っているだけのことはあって、エレキギターの音も良いです。


(セッティングについて)
壁の近くに置くスピーカーというのは、部屋の狭い日本ではともかく便利です。事実、スピーカーを壁に近づけてやらないと低音は出てきません。15〜20cmぐらいまで近づけてやるとグっと低音が増して音場も良くなります。

ただオーディオラックの両横に設置すると、ラックとの干渉が起きるのか十分な音場が発揮できなくなったりします。また左右のスピーカーの間隔もある程度必要です。
キャビネットは鳴るタイプですので、スパイクやインシュレーターとの相性、スピーカー台の振動にも注意を払う必要があります。


2.5cmドーム・
トゥイーター


チタニウム振動板を使ったドーム型トゥイーターで、ツーピース構造になっています。

トゥイーターの前にある3本のパーツは、軸上特性や指向特性、周波数特性を改善するためのイコライザー(JBLではデフレクターと呼んでいます)です。

20cmコーンウーファー

当時、Celestionでは2ウェイスピーカーのウーファーのことを「ベース/ミッドレンジ・ユニット」と呼んでいました。
振動板はフェルト・ファイバーコーンで、セラミック・マグネット(フェライト磁石)を使用しています。
エッジとセンターキャップはゴム製。

ユニット・フレーム

ユニットのフレームには厚さ4mmのポリカーボネートを使用し、スチールフレームの共振を抑えるとともに、フロントバッフルの補強の役割もしています。

バスレフ・ポート

紙製の短いダクトで、斜め下に向けて取り付けられています。壁面に近づけてセッティングをするための工夫です。

スピーカー端子

端子の穴はそれほど大きくありません。モニターPC(inakustik)のCobra4Sでギリギリです。

太いケーブルを使いたい場合はバナナプラグでの対応となります。

キャビネットの内部には、センターバッフル(補強板)が取り付けられています。
吸音材はグラスウールで、ウーファー部分はリアまで、トゥイーター部分はセンターバッフルまで入っています。

ネットワーク回路

セレッション独自の「4エレメントシステム」と呼ばれる回路です。
左側の空芯チョークコイルはハイパス・フィルター用で、右側のフェライトコアのチョークコイルは、ローパス用です。



Celestion 7MkUのスペック

トゥイーター 2.5cm ハードドーム
ウーファー 20cm コーン
出力音圧レベル 89dB
周波数帯域 57Hz〜20kHz
クロスオーバー
周波数
3kHz
最大許容入力 120W
インピーダンス
サイズ 幅245×高さ453×奥行311mm
重量 8.2kg




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