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RATOC RAL-24192UT1

   2010年 72,000円


RATOC RAL-24192UT1は、2010年12月に発売されたヘッドホンアンプ付のハイレゾ対応のUSB-DACです。メーカーの製品名は「USBオーディオトランスポート」となっていますが、オーディオ用語としての「トランスポート」ではありません。


USBオーディオの高速規格である「USB Audio Class 2.0」に対応しており、パソコンからの480Mbpsという高速データ転送が可能となり、192kHz/24bitまでのハイレゾ・オーディオデータがUSB経由で再生できます。

DACはWolfson製の24bit/192kHzDAC「WM8523」で、S/N比は106dBという性能を持っています。このDACとUSB伝送のために、2個の±25ppmの高精度水晶発振モジュール(22.5792MHz、24.576MHz)を搭載しています。

USBコントローラーはXMOS製の「US1030L1」で、単純なインターフェイスではなく、XMOSではオーディオ信号プロセッサと呼んでいるようです。
内部のDSPはマルチスレッド化により、ハイレゾのような大容量データでも高速な信号処理が可能になっています。その他にUSBからS/PDIFに変換して、デジタル出力するDDC機能も搭載しています。

またUSBのデータ転送で問題になるジッター対策として、パソコンとのデータ転送をアシンクロナスモードにしています。

USB-DACではパソコンからのノイズの遮断が音質の鍵になりますが、RAL-24192UT1はバスパワーでの動作にも対応しているため、EMI対策として高周波ノイズを減衰するコモンモードフィルタと、静電破壊防止回路を装備しています。

電源はUSBバスパワー駆動に対応するほか、DCジャックから外部電源の供給を受けることが可能です。(ACアダプタは付属していません)
オプションのACアダプタは、「RAL-AC05-03」(13,000円 5V/3A)ですが、電圧5V・500mAを供給可能なACアダプタ(φ4mm・センタープラス)が使用できます。

ヘッドホンアンプを搭載しており、フロントパネルにはステレオ標準ヘッドホン端子とヘッドホン用ボリュームがあります。入力端子はUSBのみでタイプB端子です。
出力端子はデジタル(同軸)とアナログRCAが各1系統です。



(USBのWindows用ドライバー)
問題はWindows10への対応です。Windows10は2016年にリリースされた「Inside Preview」版では、USB Audio Class 2.0に対応されましたが、正規版ではまだUSB Audio Class 2.0に対応していません。そのため独自のドライバーが用意されています。

同梱されているCD-ROMのドライバーはWindows 7、Windows Vista、Windows XP用で、それ以降のOS用のドライバーはサイトからダウンロードできます。

現在、RATOCのサイトで、Windows10用のドライバーがダウンロードできるようになっていますが、192kHz/24bit対応の「RAL-24192UT1」「RAL-24192HA1」「RP-24192UT1」「RAL-24192DM1」は、これとは別に内部ファームウェアの更新が必要となります。

このファームウェアの更新はパソコンからはできず、RATOCのサポートセンターで書き換えることになります。ファームウェアの更新料は無料ですが、製品の送付料金はユーザー負担となるそうです。



(外部電源とUSBケーブルについて)
まずUSBバスパワーとACアダプタの使用するのでは、まるで音が違います。RAL-24192UT1の本当の音を聴くには外部電源が必須です。

かといってオプションのACアダプタは13,000円もするので、ウチでは別途5VのACアダプタを購入して使用しています。決して高いものではありませんが、それでもUSBバスパワーよりもはるかに良い音になります。

またノイズ対策をしてあるということでしたが、USBケーブルを交換するとかなり音が変わります。つまり内部のノイズ対策は十分ではないということで、そのぶん良質のUSBケーブルが必要になります。



(音質について)
高音は解像度があり、細い部分がつぶれてしまうということはありません。ただツヤは少ないので好き嫌いが出そう。

PCオーディオをやっている人たちの中には、音のツヤについての理解が足りず、原音に忠実とか無味無臭という表現がよくありますが、実際にコンサートに行けばわかりますが、原音にもちゃんと「ツヤ」はあるのです。

低音は締まっていますが、量感が少なく・あまり出ません。これは小型のUSB-DACの「傾向」ともいえる部分なのでしょうがありません。

24bit/192kHzと24bit/96kHzの差は予想外に小さいです。音楽データのファイルサイズを比べると、かなり差があるので、もう少し音の違いが出て欲しいと思います。

24bit/96kHzのソースで、Audinst HUD-mx1(22,800円)と聴き比べると、ちょっとRAL-24192UT1が良いぐらいですが、アンプやスピーカー、ケーブルとの相性の範囲内という感じです。
音の傾向に違いがあるので、HUD-mx1の方が音が良いと、感じる人がいても不思議はありません。

RAL-24192UT1は定価は72,000円ですが、実際は値引き率が高く、かなり安く売られています。中味のコストを考えると差が出なくても当然なのかもしれません。





RATOC RAL-24192UT1のスペック


入力データ 16bit/24bit
44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz
周波数特性 DC〜90kHz(192kHz動作時)
10Hz〜40kHz(96kHz動作時)
20Hz〜20kHz(44.1kHz動作時)
S/N比 106dB(アナログ出力)
98db(ヘッドホン出力)
ヘッドホン出力 90mW×90mW 16Ω
電源(ACアダプタ) DC5V センタープラス
サイズ 幅100×高さ43×奥行83mm
重量 285g













RATOC RAL-24192UT1  B級オーディオ・ファン