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ELAC・エラック STS-455E

ELAC(Electroacustic・エラック)は、1926年創業のドイツのオーディオメーカーです。ネットでは現在のELACとは別の会社と言っている人もいますが、同じ会社で本社は今もキールにあります。

2016年に創業90年を迎えて、記念モデルとして「MMカートリッジ付きターンテーブル Miracord90」を発売しています。このカートリッジ、実はオーディオテクニカ製の専用モデルですが、その本国ドイツのサイトに書かれた言葉は「An ELAC icon reborn」。
もしかすると世界的なレコードブームを受けて、もうひとつのアイコン、MMカートリッジも復活するかもしれません。


ELACはもともとドイツ海軍からの依頼でソナーを製作していた企業で、1911年に設立され会社として登記されたのが1926年になります。
ソナーは海中で音響信号を発信して、その反射音から敵艦の位置を探る機器で、オーディオとは全く無縁という訳ではありません。

その後は精密機械や軍需用の機器を生産しますが、他のドイツの企業と同様に第2次世界大戦で大きなダメージを受けます。

1945年からラジオなどの家電製品の生産を開始。1948年からターンテーブルを生産。そして「Miracord」がベストセラーとなります。1953年に有名なMMカートリッジ(モノラル)の特許を取得。1957年にはステレオカートリッジを開発します。

1970年代に入ると経営が悪化し1978年にソナー部門を売却。オーディオ部門は他社と合併しますが、経営は改善せずに1981年にジョン&パートナー社に買収されます。

CDの登場を受けて1984年からスピーカーの生産を開始。これが現在のELACの主力商品となる訳ですが、一方で1997年にカートリッジの製造を終了しています。

ちなみにソナー部門は現在、フィンランドのバルチラグループの傘下となっていますが、会社はやはりドイツのキールにあるそうです。


STS-455Eは1975年の発売。「44」シリーズの後継機である「55」シリーズのミドルレンジのカートリッジです。ですが当時は円安(1ドル300円)で輸入コストや関税も高かったことから、販売価格は国産の高級機と同じ価格となっていました。

こうなると輸入元は「中級機」などとは口が裂けても言えない訳で、その「意」に沿った評論家も「高級機」と呼んでいました。でもこれは輸入オーディオではよくあることだったと思います。(現在でも見られる現象)

ただ幸いの事にSTS-455Eの評判は、上級機のSTS-555EやSTS-655D4よりも、良いくらいでELACの中の選択肢としては間違っていなかったようです。


ELAC STS-455Eの仕様

発電方式:MM型
出力電圧:5.5mV
再生周波数帯域:15~25,000Hz
チャンネルセパレーション:26dB
負荷抵抗:47kΩ

針先:楕円針 0.2×0.8mil
針圧:1.5~2.5g(標準 2.2g)
コンプライアンス:40×10-6/dyne

自重:6.5g

価格 29,900円
交換針はD455E(18,900円)
 





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